2日目
「ティアおはよう!」
学校に到着し教室に向かっている途中リズに出会った。朝から元気いっぱい。
「リズおはよう。朝から元気だねー。」
「だって今日から授業だよ!ワクワクして眠れなかったんだから!」
廊下を一緒に歩きながら話をする。目をキラキラさせて力説してくる。昔から魔法が大好きなリズは楽しみで仕方がないようだ。
「あーぁ、アレン様に怒られるよー。」
「....あ、うん」
軽い気持ちで言ったのに、リズは少し気まずそうな顔をしチラッと斜め後ろを見た。もう怒った後だよ。リズから少し遅れて現れたアレン様は呆れた顔をしていて、朝から一緒だったようだ。
「おはようございます。アレン様。」
「セレスティア嬢おはよう。迎えに行ったら寝坊したーって慌ててさ。そんなリズも可愛いけど、心配で外に出せなくなっちゃうよ。」
「ダメー!もうしないから!ごめんなさい…」
アレン様の言葉を聞いたリズが慌てて止める。あわあわしながらリズはアレン様にとお願いしていた。外に出すのが心配で魔法学園に入学するのも本当は止めたかったアレン様だが、魔法を学びたいというリズのために我慢をしているそう。
「約束だよ。また次したら..ね?」
「絶対守ります!!!!」
リズは首が取れるかと思うぐらい頷いて約束していて、仲が良いなと思いながら2人のやりとりを見つめる。その時、ふわぁ...と欠伸をしてしまった。
「ティアも楽しみで寝れなかったの?」
「ううん。また夢がね。」
あくびをしてしまった私を見てリズは嬉しそうに聞いてきので否定をする。今日も悲しい夢で目覚めが悪かった。2人で綺麗なお花畑に座って、泣きながらお話をしていた。楽しい話のみだったら良いのになーと夢の事を考える。
「またあの夢?」
考え事をしていた私はリズの声かけに、そうっと頷き返事をする。幼い頃から友達のリズには話した事があって、リズは心配そうに聞いてくれた。
「夢?」
急に誰かが話に入ってきた。え?誰?と思った瞬間、ランドルフ殿下が目に入った。
「こら、勝手に話に入らない。ごめんね。皆おはよう。」
「殿下おはようございます。彼が留学生の方ですか?」
ふわふわした金髪で目が紫色の方が殿下の側にいた。アメジストの様で綺麗な目の色。何かを思い出しそうな色。
「そうだよ。紹介しようと近づいたら、急に彼が話に入るからビックリしたよ。私の従兄のカイだよ。皆よろしくね。」
ランドルフ殿下があきれながら隣国からの留学生を紹介してくれた。
「カイ=ハインツです。よろしく。だってー、気になっちゃって。夢って?君の夢?目が少し赤いけど大丈夫?」
初対面ながらぐいぐいとお話をされる方で、人見知りをしてしまう私は少し困惑してしまう。しかし失礼の無いようにすぐさま挨拶をする。
「ハインツ様お初にお目にかかります。セレスティア=ペングローブと申します。たいした話では無いので…」
「カイって呼んでよ。僕もセレスティア嬢って呼ぶね。気になるからー。教えてよ。」
私は夢の話を終わらそうとしたのだが、カイ様は食いついてきた。キラキラとした目が...まぶしい。そっと目をそらしながら私は答える。
「...でも面白い話でもなく。お聞かせする程でもないので。」
私の夢の話なんて面白くもない話題出来るわけがない。断ろうと必死になった。
「ね!お願い!」
何故こんなに夢の話を聞きたがるのだろうか。紫色の目をキラキラさせながら聞いてくるものだから、私は根負けしてしまった。あのキラキラはずるい。
「カイ様…本当に私事なので申し訳ありませんが幼い頃から見る夢がありまして、顔のわからない方が必ず居て、内容は楽しい時や悲しい時もあるのです。それが誰なのかはわからないのですが…カイ様の目の色が何か懐かしい感じがします。」
気になるような話では無いのにとおもいながら、私は話を掻い摘んでお伝えする。目の色が気になったのは初めてで、何となく気になった。
「へぇ、....そうなんだ。」
カイ様は何かを考えるような素振りを見せたがすぐさま私のほうを向き話し出した。
「いやー。不思議な夢だね。この目の色は珍しいから、その相手は僕かもしれない。セレスティア嬢に婚約者は?いないなら、僕のお嫁さんになってよ。」
何故か急にテンションの上がったカイ様は私の手を取り求婚してきた。え?え?と戸惑ってまう。
「おい。セレスティア嬢を困らすな。お前は何をしにうちの国に来たのだ。教室に案内するから行くぞ。」
ランドルフ殿下が間に入ってカイ様をとめてくれた。このような事を言われるのが初めてで、どうしたらいいのかわからず困ったのでとても助かった。
「邪魔するなよー。昔からせっかちだな。はいはい。俺もランドルフに少し話があるし行きますよー。セレスティア嬢気が向いたらお嫁にきてね。じゃまたねー。」
カイ様は笑いながら私の手を離し、リズとアレン様に軽く挨拶をしながらランドルフ殿下と歩いて行った。突然の事で放心状態の私はしばらくボーっと二人の後ろ姿を見ていた。
「あの方が夢に関係あるの?」
「んー違う。目の色が気になっただけで。」
リズが戸惑いながら聞いてきて、気にはなったがあの人では無いと心が言っている。そもそも関係する人が存在するのかもわからない。
「あ、教室行かなくっちゃ。」
朝から不意の出会いでバタバタしたが授業の時間になったので、アレン様と別れ教室へと向かった。
「はい。授業始めます。」
ニコル先生がやってきて授業が始まった。この国では素質の判定を受け学園に通った者だけが魔法は使える。昔は皆が使っていたが争いの元になったり、色々な過去があったため資格制度にして制限された。素質があるとわかった時から学園に通うのを目標に頑張ってきた。
「今日は何属性の素質があるかを確認しまーす。順番に呼ぶので先生のところに来てくださいね。」
ざわざわっと教室内が騒がしくなった。皆自分の属性に興味深々で、先生に呼ばれた人から続々と判別されていく。リズは土魔法の属性のようでお花を咲かせられると喜んでいる。私の番になって先生の元へ行くと水晶に手をのせる様に言われ、ドキドキしながらそっと手をのせる。
「はい。もう離していいよ。ペングローブさんは水だね。水色を持つペングローブさんにぴったりだね。はい。次の人呼ー。」
先生は笑顔で判別結果を伝えてくれ、次の人を呼んだ。水属性でとても嬉しい。私の母も水属性で昔からとても綺麗な魔法を見せてくれ、見せてくれた魔法が大好きだった。
「ティアは何だった??」
戻る途中リズが何だったのかを聞いてきて、嬉しそうに話すリズはとても可愛い。
「水だったよ。」
「良かった!ティアも希望の属性だったんだね!お互い頑張ろうね!」
立ちながらリズと話をしているとニコル先生の声が聞こえた。
「はい!では皆さんの属性が判明したので、これからの授業について色々説明していきますよー。」
全員の判定が終わったニコル先生が皆を席に戻らせる。皆次からの授業に胸を躍らせながら先生の話に夢中になった。




