6−8 一生分の恥
「あー恥ずかしかった。一生分の恥かいたよ!」
私はカフェラテを飲みながら、今日のことを思い出した。思い出しただけで冷や汗が出る。
「えー、紬結構ノリノリだったじゃん。霊媒師紬? オカルト探偵紬? 卑弥呼紬? どれがいい」
七香は、いつものリスみたいな目をくるくるさせて聞いてくる。
「どれもやだ……卑弥呼って、それ自体が名前じゃん」
「楽しかったからいいじゃん。部長の厄落としもできたよ、きっと」
「私は、死ぬかってくらい恥ずかしかったよ! 今日のここ、七香のオゴリね!!」
「えー、そんなー」
「見せなくていいもの、見られちゃったんだから!」
「みんな喜んでくれてたのに? それに、事前にネタバラシするって言ってたしー」
「そっちじゃないし! 私は、ぜんっぜんっ喜んでませんけど!」
「でも、そのおかげで智子も大丈夫だったんでしょう?」
智子ちゃんの最後の笑顔が思い浮かぶ。
「……うん、まあね……って、それで納得するわけないでしょー!!」
私たちは、あの小芝居の後、みんなにネタバラシをした。
心霊現象の正体は、トラックボールのセンサーやキーボードに溜まったゴミと、電波干渉であること。
七香が余計なことをするから、私のパンツまでバラされたけど。七香は、悪びれもせず「ごめん、ごめん」って言っているけど、もうちょっと怒ってようかな。
私は、ちょっとだけ頬を膨らませて、昨夜のパパの話を思い出していた。
<つづく>




