93/101
6−6 用意万端
翌日、学校に七香が巨大なバッグと共に現れた。
「七香、何その荷物?」
「あ、紬、おはよー、あー重かった」
「一体何事?」
「これ? 昨日アンタがパパに言われたことの仕込み!」
七香はカバンの中から白い布を取り出した。
「これって、服?」
「昔、私のお母さんがバイト先で使っていたものを借りてきちゃった。無駄に物持ちがいいのも、たまには役に立つわ」
「七香のお母さんのバイトって?」
「学生時代やってたんだって。2着あって良かったよ」
七香はカバンの中から、ガサガサと取り出した。それは……。
「七香、えっと……コレって…?」
「いいでしょー? 今回のシチュにばっちり!」
「え? これって誰が着るの?」
「何言ってるの。紬以外の誰がいるのよ」
「え? え? 私? やだよ! 恥ずかしいじゃん」
「大丈夫、私も付き合うからさ」
私はもう一度、七香の持ってきたものを眺めてみた。
「七香、あのさ。これって中にジャージとかダメかな?」
「ダメに決まっているでしょ! そんなダサい格好。紬のパパも言っていたでしょ。やり切ることが大事って」
(……え? そんなこと、言ってた? なんか、私はめられてない?)
<つづく>




