6−3 地縛霊
彼女の名前は、南智子、物理部の副部長をしている。
夜遅く部室で作業していると、自分では操作していないのに、マウスが動いたり、キーが押されたり、ウインドウが幾つも開いたりしたそうだ。部長に相談したら、私の名前を『なんでも探偵』として紹介されたらしい。
ここでも間違っている。
七香が腕組みをして、ふんふんと聞いていた。
「うん、これは地縛霊の仕業だと思うね。紬探偵?」
「いや、全然違うと思うよ。あとその呼び名止めてって。私、探偵じゃないし」
「え? 江守さん、探偵じゃないんですか? どうしよう」
「あ、えっと。南さん、そうじゃなくて、なんて言えばいいか」
(……話が複雑すぎて、説明できないじゃない! 七香、なんとかしてよ!)
私は七香を睨みつけると、七香はニヤニヤして見返してきた。
「えっと、考えられる可能性としてはウイルス感染か遠隔操作かもしれないね。とりあえずPCの電源は落とさずにネットワークケーブルだけ抜いておいて。そうすると他への感染が防げるから」
「それで?」
「今夜にでも専門家の意見を聞いてみるから、明日には答えが出せると思うよ」
「良かった、ありがとう江守さん」
「紬って呼んで。私も智子ちゃんって呼んでいい?」
「……うん、ありがとう。紬ちゃん」
<つづく>




