6−2 一発逆転!?
いつもの昼休み。私と七香は教室で机を並べて、お互いにおかずの交換をしながらお弁当を食べていた。私のは昨夜の残りの唐揚げと卵焼き、パパのお弁当も同じ。七香のはシャケおにぎりとアスパラベーコンだ。
「紬の唐揚げは、いつもウマいね、ちょっとスパイスが入ってて」
「ありがと。それ、パパの味付けなんだ。クミンってスパイスを使っているんだ」
「パパさん、やるねぇ。ウチのお父さん、ほとんど料理しないからなぁ」
「七香のアスパラベーコンも美味しいよ」
「あ、それね。弟の好物なんだ」
「へえ、弟くん中学なのにお弁当なの?」
「週に何回かだけね。あとは給食」
「給食かぁ、懐かしいねー」
そんな会話をしていたところ、教室に見知らぬ女子生徒が入ってきた。背の高い子だ。私より10cmは高いんじゃないかな?長身で細いフレームのメガネをかけている。教室の入口付近にいる、別のクラスメートに何やら聞いて、私と七香の机のところにまっすぐ来た。
「食事中失礼します、あなたがオカルト探偵の江守紬さん?」
私は唐揚げを咥えて、ポカンとしていた。
(……えっと、どこから訂正したらいいのかな?)
困って七香の方を見ると、いつものリスみたいなキラキラした顔をしていた。
「智子じゃない。どうしたの?ウチのオカルト探偵に相談事?」
「七香、そうなの!ちょっと部室のことで相談があって。オカルト探偵の紬さんに相談に乗って欲しくて」
(ちょ、ちょっと待って? 私いつからオカルト探偵になったの? いやそもそも探偵でもないし。普通の生徒だし! 七香! 否定してよ!)
私は、さっき頬張った唐揚げが、まだ処理できていなくて、モゴモゴしていた。
「ほうほう、それはお困りですな。でも大丈夫。オカルト探偵の紬にかかれば! 即時解決、一発逆転間違いなし!」
なんか、もう何重にも間違っていて、否定する気にもならない。
(……何よ、一発逆転って!)
<つづく>




