番外編5−2 ペアレンタルコントロールの抜け道
ピロリン!
え?これって?
私と話をしていたはずの明美ちゃんが、流れるような手つきでスマホを操作していた。
「あ、BeReal.来た。ねぇねぇ、紬ちゃん、一緒に撮ろう!」
すでに明美ちゃんは決めポーズをしている。
「え?ダメダメ…BeReal.は気軽に使っちゃダメだよ、危険だから」
「えー、そうなの? クラスの女子とか使っているけど」
あれ? BeReal.って年齢制限なかったっけ?
「クラスで? BeReal.が?」
「うーん、全員ではないけど、10人ぐらいは使っているかな?女子も男子も」
私は急いで、自分のタブレットで調べた。
(BeReal. 年齢制限……っと)
「明美ちゃん、BeReal.って年齢制限があって、13歳未満は使用できないよ」
「えー、でもみんな使っているよ?」
「最初登録する時、年齢聞かれなかった?」
「最初の登録、お父さんにやってもらったから」
「明美ちゃんのお父さんに?お母さんは?」
「お母さん、こういうのわかんないから、やってくんなくて」
(……あ、なんか危険な感じがする)
「明美ちゃん、SNSには年齢制限があって、例えばBeReal.とかだと13歳以上じゃないと使っちゃダメなんだ。しかも16歳未満は親の承諾が必要みたい」
「えー? そうなの? なんで?」
「なんで? え、なんでだろう? 教育上よくないから……かな?」
「13歳になったら教育上よくなるの?」
痛いところを突かれて、私は思わず言葉に詰まった。
「……え? うーん、そうだね。13歳も、良くはないかな……」
「ふーん、でもクラスのみんなも使っているけど」
「それは多分、親が代わりに登録したんじゃないかな? 最初に登録する時年齢入れるから」
「それって、親が許可したということになるの?」
「ええ?うーん、そうなるのかな?でも明美ちゃんのお父さんって、BeReal.がどんなアプリかわかってて登録したのかな?」
「お父さんがわかるわけないじゃん。ただのオジサンだよ?」
(世のお父さん、ご愁傷さまです!)
私は一瞬だけ、世のお父さんたちの気持ちが分かる気がした。
「そ、そうだよね」
確かペアレンタルコントロールってあったよね。それが機能してないのかな?
「年齢で使っちゃいけないのは、わかったけど……」
(……うー、ごめん明美ちゃん。ちゃんと説明できないお姉ちゃんで、ごめん)
「紬ちゃん、それ紬ちゃんのパパに聞いてきてもらえない? なんでSNSに年齢制限があるかって。ちょうど学校新聞の話題に困っていたんだ」
「ええ? パ…私のお父さん? お父さんもオジサンだけど……」
「紬ちゃんのお父さん、魔法使いでしょ!」
(……パパ、なんか小学生にも魔法使い認定されているよ……)
<つづく>




