表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
JK紬のセキュリティ相談室2、女子高生がセキュリティの力で事件解決しちゃいます  作者: 雨後乃筍
4章 ドメイン売買の落とし穴〜ドロップ・キャッチ〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
61/93

4−13 私の王国

 数日後の昼休み。


「じゃーん! 見て見て紬! 私の城!」


 七香が、私の目の前にスマホを突き出してきた。


 画面には、まだ何の中身もない、真っ白な「工事中」のウェブサイトが表示されている。


「今度は何?」


「私のドメイン取っちゃった! hxxps://www.lovelovenanaka.org!」


「……らぶらぶななかどっとおーぐ?」


 私は思わず復唱してしまった。


「.org」って、非営利団体とかが使うドメインじゃなかったっけ?


 七香はいつから慈善団体になったの?


「何に使うの、それ」


「え? 特に決めてないけど。なんかカッコよくない? 私だけのネットの土地!ワールドワイド・ブランド! 私の王国!」


 七香は鼻高々だ。その目は、自分の王国を築いた女王様のように輝いている。


「ふーん。で、そのドメイン、誰が管理するの?」


「え?」


「毎年更新料かかるし、更新忘れたら、また小島くんみたいに誰かに取られちゃうよ?そしたら七香の『オフィシャル』じゃなくなっちゃうね」


 私の言葉に、七香の動きがピタリと止まった。


「えっ……毎年お金かかるの!?」


「当たり前でしょ。ネットの住所を借りてるんだから、家賃みたいな維持費がかかるの」


「うそー! 一回買えば一生モノじゃないのー!?」


 七香が頭を抱えて机に突っ伏した。


「それに、アンタ、登録のときにちゃんと代理公開にしてる?じゃないと個人情報が全世界に公開されちゃうよ」


 女王様、王国の維持にはお金とリスクがかかるのでございますよ。

 嘆く七香の背中を見ながら、私はふと、パパの言葉を思い出した。

 ー看板を掲げるのは簡単だが、それを磨き続ける努力を忘れてはいけないー


 ネット上の名前を守るのも、リアルと同じ。友情も、信頼も、そしてセキュリティも。「手に入れたら終わり」じゃない。毎日気にかけ、手入れをして、更新し続ける努力が必要なのだ。


「ま、頑張んなさいよ、女王様」


 私は七香の背中をポンと叩いた。


 彼女の「ラブ・ラブ・ナナカ」が、いつか更新切れ(ドロップ)にならないように、私がしっかり見張っていてあげるしかないみたいだ。


 <ドロップ・キャッチ 完>


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ