番外編3−1 紬の脆弱性
学校から帰宅して、自分の部屋にカバンを放り投げた。
私は自分の部屋の真ん中で、腕組みをして見渡してみた。改めてこうして見ると…。
…なんか、紬ちゃんの部屋って、男の子の部屋みたい…。
先日の明美ちゃんの言葉が、ぐるぐると回る。
視界に入るのは、無機質なスチール棚の本棚に並ぶミステリー小説と専門書。
ベッドの上には、洗い立てだが味気のないグレーのスウェット。
そしてベージュのカーテン。
先日遊びに来た明美ちゃんが残していった言葉は、私の心に楔のように突き刺さっていた。
さらに、「ブラもグレーと白のスポブラ」という致命的な指摘まで…。
「…悔しいけど、事実だ」
七香の部屋は全然違っていた。七香の部屋って、もっとこう……アニメに出てくる部屋みたいな感じだった……私の部屋はむしろ七香の弟くんの部屋に近い……壁に小学生の時の「こどもちゃれんじ」の付録の日本地図とか貼ってあるし……いや、弟くんの方が女子っぽかったかも……。
私はため息とともに、一人の人物を思い浮かべていた。学校一の情報通で、トラブルメーカーであり、私の親友。
認めたくはないけど、頼れるのは彼女しかいない。私は、意を決して、七香にLINEを送った。
「先日相談した件だけど、今日とかどう?」
送信後、
「OK」
ちいかわがOKをしているスタンプの返信がきた。
…こういう時の反応速度は、ニュータイプを思わせる。
七香が来る前に、アッガイのプラモデルは片付けておくか。ぜったいなんか言われちゃうだろうし……。
<つづく>




