3−7 先人の知恵
私は思わず疑問が口に出ていた。
「え、なんでだろう?幽霊が出たとか?」
「それは話の都合だな、じゃこの七不思議が作り話だとしたら?誰が何の目的で作ったと思う?」
私と七香は顔を見合わせた。七香がストローを咥えながら、私を見てくる。
「誰が?うーん、やっぱり学校の先生、とか?ねぇ紬……?」
「七香ちゃん、正解。では何のために?」
明美ちゃんが手を上げた。
「みんなを怖がらせるため?」
「そうだね。明美ちゃん。でも、なんで怖がらせる必要があったのかな?」
「うーん、わかんない…」
「では質問を変えよう。例えば理科室の話を最初に聞いた時、明美ちゃんはどう思った?怖かったかい?」
「うん、最初聞いたときは怖かった」
「理科室に一人で行くのが怖くなったんじゃないかな」
「うん、行くときは先生がいるときか、友達と行ってたよ」
「明美ちゃん、それが目的だよ」
え?どういうこと?まったくわからない。
「理科室には危険な薬品とか器具とかがたくさんあるよね?先生に『勝手に触らないように』って注意されたことはないかな?そんなところに子供が一人で行って怪我でもしたら大変だ、だから『一人でいかない』『先生がいるときしかいかない』ような仕組みが必要だった。それが怪談話だ」
パパは明美ちゃんを見ながら続けた。
「夜というのも、そのためだ。暗くなると誰もいなくなる。そんな所に子供だけで行って、怪我をしたら、最悪翌朝まで誰も気づかず、大きな事故になってしまう。音楽室も同じ意味だ。音楽室には重い楽器がたくさんあるからね」
なるほど!そんな意味が。
七香は「ほぇー」って感心していた。
<つづく>




