番外編2−7 夜の告白
GWの最終日、
私は夜、なんとなく目が覚めてしまっていた。
時計を見ると、0時ちょっと過ぎ。
明日から学校だから、早く寝なきゃなのに。
ホットミルクでも飲むかな?
私は布団を抜け出して、キッチンに向かって行った。
…
あれ?リビングの明かりがまだついている?
パパの声?誰かと話してるの?
私はリビングの扉の前で、そっと聞き耳を立てた。
「もう仕事か、大変だな」
「今さ、おっきなM&A案件が動いててね。明日交渉だからさ」
「おいおい、そんな話社外の人間にしちゃまずいだろう」
「あ、そうだったね。今のなしで」
「今回の帰国も、相当無理したんだろ?」
「まあちょっと慌ただしかったけど、紬もこれから受験じゃない?最後のGWぐらいって思ってね」
「紬は、はしゃいでいたな。君にバレないように明るく振る舞って。本当は寂しいんだよ」
「うん、知っている。無理してたの。それがわかったから、私も泣いちゃダメだなって」
「ああ言う意地っ張りなところはキミにそっくりだな。片付けが苦手なところも」
「料理がうまいところは、あなたにね」
…
「ねえ、徹さん。私、これでいいのかな?紬のそばにいてあげたいって。受験の大変な時期に、徹さんに全部まかしちゃってる」
「キミにはキミにしかできないことがある。紬は大丈夫だよ。良い友達もいるし」
「私、母親失格だよね」
「紬はいい子に育ってるよ。キミの背中を見てね」
私は気付かれないように、そっとリビングのドアから離れた。
ママ…
パパ…
目が熱くなっていた。
ベッドに潜り込み、枕に顔を押し付ける。大丈夫、もう寝れそうだ。
…大好き。
<つづく>




