21/180
2−6 入り口のないアクセス
七香が腕組みをしながら、私を見てきた。
「どう思う、紬探偵?」
だから、その呼び方止めて欲しいんだけど…と言うか、その大根な演技なに?
「うーん、状況的にIDやパスワードが盗まれた不正アクセスだと思うんだけど」
典型的なのはメールを使ったフィッシング詐欺だが…
「最近はセキュリティが厳しくなってきて、メールでURLが送られてくることはなく、学校にログインのためにQRコードが配られて、それを読み込んでアクセスするらしい。
じゃあ、偽サイトに誘導されるってことはないか。
「とりあえず不正アクセスが疑われているのでしたら、パスワードの変更をしてください。とりあえずそれで不正アクセスは止まるはずです」
「今日、パ…父にどんな可能性があるか聞いてみます」
私は、セキュリティのプロフェッショナルで、デリカシーのない発言をするけど、魔法使いのようなパパのことを思い浮かべていた。
隣では、ワクワクを抑えきれない七香の顔が輝いていた。
<つづく>




