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JK紬のセキュリティ相談室2、女子高生がセキュリティの力で事件解決しちゃいます  作者: 雨後乃筍
番外編8 九美の武術指導

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番外編8ー4 ラオウ、説明する

「はい、では今日の練習は八卦掌です、小椋さん、ちょっときて」


「押忍!」


「八卦掌の基礎は、こんな八の字歩法でー。足を素早く動かして方向転換、最適なポジショニングを取ること」


 九美さんは、足をサッサッと動かして、まるでダンスでもしているかのように、小椋さんの周りをクルクルと軽やかなステップを踏んだ。


「ポジショニング超重要だから。小椋さん、ちょっとお腹に力を入れて」


「押忍!」


「こんな風に力入っていたら、パンチ効かないかもでしょ?」


 九美さんが、突きを出した。肉を打つズシンという音が響くが、小椋さんはびくともしない。


「そこで」


 九美さんは、さっきのステップを使って、小椋さんの周りを動き出した。


「このように相手の周りを動いて、スキを見つけて打つ。こちらが動けば、当然相手も動くし。動けばスキができるし」


 九美さんが、小椋さんの脇腹に突きを出した。再度肉を打つ音が響き渡る。小椋さんはその場にうずくまってしまった。


「ね? 攻撃は当たらなければ単なる見せ物だけど、当たるだけでも意味がない、効かせなければね」


 ――なるほど。これってセキュリティにも同じことが言えるかも。


「もし相手にスキがなければー」


 そういうと、ぱっと掌を小椋さんの目の前に出した。と、お腹へ突きを出す。うっっと言って、小椋さんが再度かがみ込んだ。


「スキは作ればいいでしょ。相手にスキを作らせて、自分は最適な体勢で攻撃する。オトリみたいなものね。これは視線でもいいし、音でもいいし、触ってもいい」


 九美さんが手を顔の前に出したり、手を叩いて音を出したり、相手に手を掴ませて、倒したりしていた。


「あれって、漫画とかでみたことあるね。握手するフリして倒しちゃうヤツ」

 七香がコソコソっと話してきた。


「実戦ではなんの役にも立たんよ。ただ印象が強いし、誰も怪我をしないから、安全なデモンストレーションとして使われるだけでな」

 いつの間にか背後にきていた師匠さんが説明してくれた。


「役に立たないんですか?」


「握手できるぐらいなら、そのまま友達になった方がいいな。敵なら……握手する前に倒しておかないとな」

 軽く言っている師匠さんの言葉には、鳥肌が立つほど不気味な威圧感があった。


 ――やっぱり九美さんの師匠さんなんだ。言葉の重みが凄い。


「で、これって複数相手の時も使えるの、誰か4、5人出てきて」


 5人の岩のような男性が、九美さんを囲んだ。岩に阻まれてほとんど九美さんの姿が見えない。


「こんな風に囲まれていても…皆さん一斉に私を攻撃して」


 男性たちが、一斉に真ん中の九美さんに襲いかかった。


 ――危ない!


 一瞬、目を瞑った。何かが当たる音がして、ドサドサって音が続いた。


 なんと、平然と立っている九美さんと、5人の男性がみんな床に倒れていた。


「こんな風に八卦掌の歩法を使えば、囲まれている中から脱出することができて、結果相手を同士撃ちにさせることもできる、相手の力を利用してね」


 私たちが、ポカンとしていると、師匠さんがまた説明してくれた。


「あれもデモンストレーションだな。実際には囲まれるような状況にならないように逃げる。どんなに実力差があっても複数人と同時に戦うことはできないからね」


 ――これって、ハニーポットとかリフレクション攻撃と同じだ!


 <つづく>


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