番外編6ー2 紬、サンシャインシティに行く
土曜日の午後、私は明美ちゃんと一緒に池袋のサンシャインシティへと買い物に繰り出していた。
広大な館内の特設会場で『ちいかわ』の期間限定イベントが開催されているらしく、明美ちゃんから熱烈な誘いを受けたのだ。そこまで熱狂的にちいかわが好きというわけではないけれど、キャラクターとしては普通に可愛いと思う。
それに、なんと言っても同じサンシャインの展示ホールで、私の大好物である『古本市』のイベントも同時開催されているのだ。ちょっと貴重なミステリー本を覗いてみたくて、同行することにした。
――ちいかわのキャラクターショーを観たいなんて、やっぱり明美ちゃんはまだまだ可愛い小学生だね。
なんて、現役女子高生としての余裕を気取って完全に見下ろしていた。……ところが、いざ会場に足を踏み入れてみたら、客席を埋め尽くしていたのは自分より遥かに年上の、立派な大人たちばかりでびっくり。ちいかわって、こんなに幅広い大人のユーザー層にも深く浸透しているんだ!
ひと通り目当てのグッズと古本を買い漁った後、賑やかなカフェに入って甘いパフェを食べながら少し休憩。そろそろ夕方だし帰ろうか、というタイミングで、明美ちゃんがストローを咥えたまま上目遣いで言った。
「紬ちゃん、最後にちょっとだけ、別の場所に寄り道してってもいい?」
「もちろんいいよ? まだ何かお買い物が残ってた?」
「うん! ここなら、すっごくお洒落なやつがあるかなって!」
小さなカバンを揺らしてウキウキと歩く明美ちゃんに促されるまま、私は何も疑わずにその後ろ姿についていった。
しかし、彼女が迷いのない足取りで突き進んだ先――。パステルピンクの華やかな照明が眩しくきらめき、繊細なレースやフリルに彩られた大人の香りが漂う、その未知のショップの看板を見上げた瞬間、私の脳内は完全にフリーズした。
そこは――あろうことか、本格的な高級ランジェリーショップ(高級下着売り場)だった。
<つづく>




