第303話 擬態
おはようございます、作者です。
4月11日13時14分に更新作業をしております。
さて、前回はユキトとタチバナの決闘に横槍が入り、ユキトが負傷したところでしたね。
では、本編にどうぞ!
「「・・・・・・」」
不気味な男が二人、ユキトたちへと杖を構えて立っている。
その顔には生気が感じられず、目も虚ろ・・・いや、白目を剥いてすらいる。
明らかに正常な状態ではない。
「お行きなさい!!」
そんな二人に対し、レイカは自身の魔法でイバラを出現させて伸ばす。
しかし、男たちの杖がピカッと黒い光を放つと、伸ばしたイバラが先端から黒く変色して崩れていく。
その崩壊は徐々にレイカの手元へと迫る。
レイカは危険を察知し、手元からイバラを切断してその崩壊から逃れることに成功した。
「カティファ!!」
『ンニャッ!!』
さらに姿を隠していた自身の相棒である精霊カティファを呼び、自らと合体。
緑色の光を放つ精霊憑依の状態となった。
「参りますわ!」
レイカは今度は遠距離ではなく、直接二人組のところへと突っ込んで行く。
相手はもちろん、さっきと同じく黒い光を杖から放つが、レイカの纏う緑色の光・・・植物の生命力を凝縮したその力の前では、そんなものは無意味だ。
杖が光っただけで、特に変化は見られない。
「「・・・・・・」」
自分たちの攻撃が通じなかったのだから、本来ならば動揺する場面だ。
しかし、男たちには動揺どころか、反応自体が見られない。
ただ、杖を構えて突っ立っているだけ・・・いや、また杖が光った。
ただし、今度は黒ではなく赤い光。
そして、ユキトを襲ったのと同じ火球が二つ、レイカへと向かって飛んでいく。
「ふっ、はっ!」
しかし、レイカはそれを篭手で殴って霧散させる。
レイカと二人組の距離が確実に縮まっていく。
そして、レイカの拳が二人組の片方へと襲いかかった瞬間にそれは起きた。
「これは!?」
何もない虚空、そこでレイカの拳が止められたのだ。
二人組の杖は何の反応の示していない。
おまけに、レイカは自身の拳から、まるで大きな掌に受け止められたかのような感触を覚えていた。
そして、その感覚が間違っていないことは、すぐに明らかになる。
レイカと二人組の間、何もなかったところにスゥゥっと大きな人影が現れたのだ。
「ちっ、バレちまったか」
現れたのは、身長が三メートルはある大男。
髪型をモヒカンにし、やたらトゲのついた肩パッドを身に着け、世紀末のような外見をしている。
レイカは、そんな大男に拳を鷲掴みされている格好だ。
「ハァッ!」
「うおっと」
レイカの拳自体は、いくら力を入れてもうんともすんとも言わない。
ならばと、レイカは拳の先で緑の魔力を爆発させ、その衝撃によって、拳が解放されることに成功した。
「おいおい、お転婆な嬢ちゃんだな。これは、躾が必要かな?」
「・・・お下劣ですわね」
舌なめずりをして下卑た視線を向けてくる大男に、レイカは絶対零度の視線を向ける。
こうして、レイカと大男の戦いが、改めて幕を開けるのだった。
次回の更新は4月19日(日)午前6時の予定です。
また次回でお会いしましょう。




