返り血のマヤ④
前文の返り血のマヤ③にてドラゴンの攻撃の話しが出ていましたが、ドラゴンの攻撃は少しではありますがパターンや強さが変わっています。
なのでシズエは攻撃を受けきれずに怯んでしまったというわけです。
なんでという声が頭の中に反響する中で体が熱くなって頭がキンと冷える。
「ごめんね」
「ひっ……」
そしてボクの顔を見て怖がるシズエをそっと離してゆっくりと前に進んだ。
ただゆっくりと歩いて。
それを見たドラゴンはすぐさまボクのほうにブレスを放ってくるがボクはそれをゆるりと避けて更に前に進む。
先程までの戦いではないのは傍から見ていればあきらかだろう、ボクは極上の笑顔でドラゴンに歩み寄っていく。
そしてボクはこのゲームのシステム的穴をいろいろな展開を思い出しながら思考していく。
ドラゴンの攻撃の強弱がある。
そしてボクたちも攻撃を強弱することはできる。
そのことを考えると一つの仮説が頭の中で浮かび上がった。
早速それを試してみるためにボクは右手を前に突き出した。
「水よ、球となりて敵を撃て、ウォーターボール」
そして水の球を作り出してドラゴンに向けて放つ。
イメージは大きさは野球のボールみたいに小さいものだが速度はいつも敵にぶつかるというだけの速度にしているが、野球と同じように一五〇キロのスピードで飛ぶように意識する。
すると飛んでいく水の球はボクの想像通りの動きで飛んでいってくれた。
やっぱりか……
このゲームの中で使用できる魔法は想像通りになると思っていたがそれは飛ぶ方向のみだと勘違いしていた。
確かに最初から魔法の書にはわかりやすく、この大きさでと言わんばかりに魔法の使用例の絵が描かれていたがそれがたぶんボクたちを、魔法を発動すればこういうものがでるんだというのを示していた。
だけど気づいてしまえばなんのこともない。
たぶん魔法というのは、発動の条件さえ満たす想像による詠唱すればなんとかなるものだと思う。
確かにリアルで魔法使いを使ったアニメはたくさんあるけれど、主に一人一人の魔法の規模や大きさが違うというのが多々ある。
そしてこのゲームもそれと同じということだ。
ボクはレイラさんを吹き飛ばされたというのに、既に口元はニヤリと不敵に笑っておりただスタスタと前に歩いて行く。
その光景に冒険者たちの大半は見入っている状況でドラゴンが何かを感じとったのかブレスを放ってくる。
なるほど、だったらこれでどうかな?
歩くのをやめないでただ右手を前に突き出すと詠唱する。
「水よ、その恵みにて守る盾となれ、ウォーターウォール」
水の壁をドラゴンの口から自分がいる前までに分厚く展開する。
するとドラゴンブレスはそれなりに水の壁を蒸発させたが途中でその力をなくしたように消え去った。
そしてドラゴンはあきらかに警戒を強めた。




