返り血のマヤ③
回復をしながら三人の様子を見ていると連携の取り方がうまいのがわかった。
エリンとシズエが連携がとれるのはわかるけどレイラさんがその連携の間にうまく攻撃をしているのだ。
これはボクが相手をしている時ではできなかったことだろう。
それはボクの場合は常識にとらわれずに毎回のように攻撃に対しての避ける動作を変えていたのだ。
でも、これは重要なことでもある。
普通のゲームならモンスターの動きというのはルーチンと呼ばれる、動きが確定していて、この攻撃がくればこれでとか、この場所に来たらこの攻撃をするというのが確定しているのだ。
なので常に同じようにドラゴンの攻撃をなんとかしているエリンとシズエではリズムを変えた瞬間に崩れてしまうだろう。
だからこそボクはそこを狙う。
これには理由が幾つかあるが、簡単に一つ挙げるとそれは思考を持っているということは感情が少しはあるということでもあるから、その態勢を崩した瞬間にドラゴンは何かを仕掛けてくるだろうと思うのだ。
それにその攻撃は予想では隙があるものだと思う。
だからこそ、そこを叩かせてもらうわけだけれど……
ボクは態勢を低くして構えるとそのタイミングを待つ。
そしてそのタイミングはやってきた。
叩き潰し攻撃がきてそれをシズエが受け流そうとするが若干力負けしたシズエは態勢を崩した。
そしてそれを見逃さないドラゴンは反対の手で掴み攻撃を行ってくる。
ここだ!
ボクは疾駆するとそのまま喉の下まで潜り込んで右手を突き出した。
「水よ、球となりて敵を撃て、ウォーターボール」
動してそこに当てるとすぐに次の呪文を……
「水よ、その恵みにて守る盾となれ、ウォーターウォール」
水の壁を自分の後ろに展開して
「水滴よ、無数の泡となれ、ワンダーシャボン」
自分の周りの一定の位置に泡を作り出す。
そしてそれを発動したことで頭の処理があんまり追いついていないのかズキズキと痛むがそれを気にしている場合ではなかった。
ドラゴンの攻撃がボクとは全く関係のない場所にいくのを感じながら、すぐさまその場からジャンプして右手を前に突き出す。
「水よ、球となりて敵を撃て、ウォーターボール、水よ、球となりて敵を撃て、ウォーターボール……」
水の球を二発ぶつけて完全にドラゴンをよろけさせると最後に右手を上に突き上げて詠唱する。
「水よ、無数の水滴となり、その弾丸にて敵を貫け、レインシャワー」
そして無数の水滴をドラゴンに撃ちだした。
「ギャシャァァァァ……」
ドラゴンは苦悶の咆哮をしながら後ろによろめくとそのまま倒れた。
「や、やったー」
そう言って後ろからシズエが抱きついてきて焦るがボクは息を整えて笑顔になったが、次の瞬間固まった……
それはレイラさんが視界に入って声をかけようと思ったら、そのレイラさんがドラゴンの尻尾で吹っ飛ばされたからだ。
そしてボクの頭がカッと熱くなった。




