返り血のマヤ①
どうやってあの剣を手元に戻そうか?
そう考えつつもドラゴンからは目を離さない。
というよりも離せない。
それはドラゴンがこちらをジッと見ているためだ。
それも相当怒っている。
どうしたものかと考えつつも右手に武器がないことに不安を覚える。
それはそうだ。
先程までの技は全て武器を含めてのものなのでこの後どうやってあの攻撃たちを捌いていけばいいだろうか?
ドラゴンブレスなら避けるだけなのであまり武器を使わなくていいがそれ以外の攻撃をされれば正直に言うとどうやっていいのかわからない。
でもそんなことを言える場合ではない。
先程のアイバさんが掴まれたのもあるがたぶんボク以外にはこのドラゴンの攻撃を捌くということができないだろう。
だからボクが全て捌かないといけない。
もしボクがやられたらその時点で他の冒険者たち含めて全滅になりそうだ。
よし、やろう……
ボクは腰を低くとる。
こっちは素手なんだ、前に出る。
そうして前に突き進んだボクはまたしてきた掴み攻撃の時にその手に向けて詠唱する。
「水滴よ、無数の泡となれ、ワンダーシャボン」
そして無数の泡を周囲に展開して、それの一つを踏み台にして方向転換すると更に一つを踏んで方向を変える。
これはアニメなどで出てきた泡を踏み台にして空中を駆け抜けるという方法で一歩でも間違えるとただ泡に突っ込んでいく変な人に見えるだろう……
という客観的な意見はともかく次がくる、逆の手で上から叩き潰し攻撃。
スピード速い普通にやったら避けられない。
「水よ、その恵みにて守る盾となれ、ウォーターウォール」
イメージはドラゴンの手と同じ大きさに水の壁を展開。
「パシャ」
そして手が水にぶつかる音がして少しだけれどスピードが緩む。
ギリギリいける。
そのスピード減退を利用してなんとか転がって避ける。
このやり方は簡単にいうとプールなどで飛び込み台から失敗して飛び降りた人が全身をプールの水面にぶつけるというのがあるのだけれどあれはボクたちであると相当痛いだけの印象を受けるが、実際は水に突っ込むことというのは壁にぶつかるのと同じものなので先程の攻撃なんかは威力が少し落ちるし、更に水により更に重力をかけてしまうというのが今のやり方だったが、なんとか水の壁でできたようだ。
でもこれだけではダメだ。
なんといっても自分の頭上を見るとHPバーは減っていないが、MPバー。
そう気力がかなり減っている。
数値を確認していないのでなんともいえないが魔法は後数回が限度だろう。
その前にこの腰にある飲み物を飲んで回復したいところだ……
そう考えてボクはまた突っ込んだ。




