この戦いで強くなる⑩
「掴み攻撃きます!」
「おう」
ドラゴンの動きからそう判断したボクはすぐに反応。
先程とは違う避け方をすることにする。
ボクは剣を構えずにただ横に持って走る。
構えて走っていた先程よりも速くなった脚力で掴もうとして開いた手を蹴りつけて上に飛ぶとその態勢から腰の位置までもっていった剣で上段斬りを行い態勢を無理に変えると更に腰をひねって肩のあたりになんとか着地を決めるとすぐにバックステップからの剣を鱗と鱗の間に突き立ててその剣を軸にして体を下に強引に下げて手を離す。
剣は反動でボクが着地を決めた少し後に地面に落ちたのでそれを拾いながらも周りを確認すると……
アイバさんが掴み攻撃をくらっていた。
えっと?
何をしているんだろうか?
ボクの避け方を見ていなかったのだろうか……
なんでかわさずに攻撃を防ごうとしたのだろう?
それも掴み攻撃という一番防げそうにない攻撃を。
それにドラゴンのステータスは軽く見積もっても平均値は一〇〇は超えているだろう。
そんな攻撃を防ぐというのがそもそも間違っているのだ。
まだまだゲームというものをわかっていない。
そんな間抜けなアイバさんをどうにかして助けないとと考える。
どうやって助けるか?
そこですぐに浮かび上がったのはあの小説にでてきたやり方だ。
手首のある部分を斬りつけて相手の手の神経を鈍らせるというものだ。
だけどこれにはそれなりに高いリスクがある。
それは手首は鱗に包まれている間を突き刺して攻撃するので、少しでもずれたらそれでもう助けられなくなってしまう。
そうイチかバチかのやり方だ。
でもそれがいい。
そうゲームには何回もこなして攻略するやり方の中でもその途中途中で必ずどうするかというのを考えなくてはならない時がある。
どれだけ定石があってもそれは変わらないのだ。
そしてここがその時だと思う。
ドラゴンは周りからの魔法などでそちらに気をとられている。
そしてアイバさんのHPバーは徐々に減っている。
いこうか……
ボクはそう決断すると影に忍ぶようにゆっくりとドラゴンの後ろに陣取り、タイミングを見計らう。
まだ……
ここだ!
ボクはドラゴンブレスを吐くタイミングでその横を通り抜けると狙っていた角度から狙いをすまして剣を手首に突き刺した。
そしてその剣を更に奥にえぐり込ませるようにして柄頭を蹴りつける。
「ギャシャァァァァ」
結構奥にえぐり込んだのか、ドラゴンが苦悶の咆哮をしながらアイバさんを落とした。
アイバさんは何とか着地を決めるとすぐに後ろに下がる。
それを見ながらもボクはかなり焦っていた。
それは……
まだドラゴンの手首に剣が刺さっているからだ。




