この戦いで強くなる⑧
普通に考えれば異様な光景だろう。
ここにいる他の冒険者と違いただ動こうとせずにモンスターの動きを観察している人がいるのは……
ついに冒険者の強制ログアウトをもらった人数が二桁にのぼろうとしたところでボクは大体の情報を手に入れて持っていた剣をこのドラゴンに対抗するための構えを取る。
それはたぶん異様な構えになっているだろう。
普通剣を構える際は手首を下に向けて構えるのだけれど、この構えは手首を上に向けて顔を隠すようにして剣先はドラゴンに向けておき、体はどっしりと構えるのではなくて軽くゆるく高くして構える。
そしてそのままの態勢でボクはゆっくりと前に進んだ。
大学生パーティーとボクのパーティーの他の人たちはその光景を驚いて眺めている中でどんどんと前に進んだボクはドラゴンの爪による突き刺し攻撃をいなした。
『なっ!』
周囲から驚きの声があがるがそんなことは気にしてられなかった次にくる尻尾攻撃をやりすごさないといけないのだから。
ボクは次にきた尻尾攻撃もある技にて完全にやり過ごすと背中の部分を斬りつけるが剣はその硬い鱗にはじかれて意味をなさない。
く、やっぱりか……
ボクは素早く距離を取った。
驚く視線がボクに集まる中で先程の行為を思い出していた。
そう、最初に出された爪の突き刺し攻撃は避けることは最初から不可能だと考えていたのでボクはとあるゲームに登場した技”羅天”によって何とかいなした。
これは槍などの突き攻撃に対して剣を止めたまま滑らしていなすのではなくてその突きの最高加速地点の前でこちらかの突き攻撃を相手の突き攻撃を行っているものの支点になっている部分に剣を当てて滑らすという技だ。
それに改良を加えてこちらから踏み込むことにより、最高加速地点のかなり前で自分の剣の突き攻撃を斜めから繰り出すことによってそらしたのだ。
そして次にくる尻尾のムチのように叩く攻撃は超高等技である”軸回転”によって避けた。
これは尻尾を左後ろ回し蹴りによって自分の体に当たる少し前の尻尾に後ろから当てて膝を曲げることによってその尻尾を掴んで回転するようにして前に移動するという技だ。
タイミングを全て理解していないと顔を打ったりする技ではあるが相手のドラゴンを疑問に思わせ、更に曲芸に近いことなので見ていた他の冒険者の士気をあげるのには効果がある。
そう思っていたがどうやら当たりだったらしく、そこらかしこから歓声のような叫びごえのような声があがっている。
そんな声を聞きながらもボクは更に集中した……
だって戦いはまだまだこれからなのだから……




