これはこれでいいよね⑩
そしてすぐにボクは顔を背けた。
だって、最初に見てしまったのだ全裸のシズエの姿を……
綺麗だと思ったけれどボクは男なのだ、見てはいけない。
その後はなるべく端っこに行って体を洗おうとしょうがなく巻いていたタオルを取ってシャワーを体にかけていると後ろからこそばゆい感触がして
「わひ……」
変な声が出た。
「洗いますよ、マヤさん」
そしてそう言ってきたミレーネちゃんに体を表れながらボクは心を落ち着かせる。
大丈夫だ、問題ない。
これはただの猫の手だと思うんだ。
そうだ感じるな考えろ。
思考で感覚を遮断するんだ。
そう頭の中で考えていたが、問題点が起きた。
このミレーネちゃん。
ボクのことをさんをつけて呼ぶことから年下だということはわかると思うけれど、ミレーネちゃんは自分の今の状況がわかっているのだろうか?
必死に洗おうとしているあまりに体の至るところに柔らかい感触が触れては離れしているのだ。
くぅ……
ドギマギしてしまう。
やっぱり考えないようにしないと。
そうこういうときは素数を数えるんだ。
そうして少し数えたところで背中を洗い終えたボクは前も洗うというミレーネちゃんの申し出を断って自分で体を洗うことにした。
ゴシゴシと女になった体を洗いながらまたため息をつく。
本当になんでこうなったんだろうと……
そして体を洗い終えたボクは後ろで騒いでいる女性たちから離れるようにしてお風呂の中に入った。
あー、でもいいお湯だ。
仮想世界だというのに本当のお湯みたいに体に馴染んでそして体がポカポカとなる感じがいい。
心休まるというかね、うん。
そんなことを思いながらもあくまでひとりで浸かっていたのだけれどそれを許されないのがここのルールなのかボクは左右を押さえ込まれていた。
右にはエリン、左にはシズエが陣をとり、ボクをここから逃げ出さないようにしている。
だけれど危険を察知したボクはなんとかそれを突破できないものかと頭を悩ませるところでやめる。
ここは目を閉じて防御に専念だ。
そうボクはあくまでも男なのだ。
もう女子と一緒に入っているせいでそれもどうかと思われそうだけれどボクは男だ。
なので女性の裸は見てはならない。
そうだ。
だから左右……
特に左から感じるこの柔らかな感覚は感じてなんかいない。
そうボクは……
うきゃー。
とうとう頭が壊れそうになってきた。
だって今は女の子なのだボクは、だからそう……
ボクはこの状況をなんとか打開しようと目を開けた。




