これはこれでいいよね⑤
そして気づいたら恋愛の話しになっているのでボクは笑顔と相槌のみをしてその話しに加わらないようにする。
「あたしは可愛い人がいいかなー」
「うちはガサツだから……
色々できる人がいいかな料理とかできる人とか」
「私はちょっと生真面目すぎるように周りから見られてるけど、本当はそうじゃないんだけどね。
だから私のことをちゃんと知ってくれる人がいいな」
「そうだね、エリンはМだもんねー」
「そ、そんなことないわ」
「あるよー」
「うん、あると思う」
「ないよ」
そんな会話にてエリンがいじめられるのを横目で苦笑いで見守りながらボクはなんとなく考える。
本当はそれとなしにこのタイミングで男だということを伝えたかったのだけれど、これはなんというか、言うタイミングがなくなってしまった。
どうしようか?
「マヤの好きなタイプは?」
「へっ?」
そんなことを考えていたためにエリンからそう言われて変な返事をしてしまったがボクは慌ててそっちに向き直って考える。
「好きなタイプ……」
そうだなー……
ボクは自分の言うのもあれかもしれないけれど引きこもりであるので、うーんとあれだ。
「えっと、引っ張っていってくれるタイプかな?」
「「「おおー」」」
そう言うとなんでか三人ともこちらをなんともいえないようなニヤニヤとした表情で見てくるので正直焦る。
これって正直に言うものじゃなかったのかな?
そう思っているとシズエがこちらにゆっくり寄ってくる。
なんとなしに嫌な予感しかしなかったのでボクは後ずさった。
するとにじり寄ってくる。
そしてすぐに壁に背中をぶつける。
う……
観念してシズエの方を見ると、シズエはこちらに手を伸ばしてくる。
それを身構えながら受け入れるが顔に触れられた瞬間にビクリと体が震えた。
それを見てシズエが一言
「これじゃ、迫ってこられたらひとたまりもないね」
と言ったが本当のことすぎてなんとも言えなかった。
ボクはコミュ力が皆無に近いため、エリンやシズエのように相手から優しくフレンドリーに挨拶をされないとうまく話せないようなタイプなのだ。
なのでさっきのように迫ってこられたら少し怖がってしまってビクリとなる。
なんでだろう。
モンスターのときは大丈夫なのに……
うーむと頭を悩ましてみたがこれといった理由がよくわからなくてボクはただ、これではもし本当に迫られてこられたらどうなるのかというのを必死に頭の中で考えていた。




