この街の謎を解け⑩
「よし……」
準備も満タンにして僕は仮想世界にダイブした。
そうしてログインして早々に目にしたのは壁だった。
首を動かして見る限り、左右も壁のようだ。
両手は手枷のようなものでとめられており、腰のところにもベルトのようなものがついており固定されている椅子に座らされていた。
足は自由に動かせるけれど足が動いたところでどうなのっていうところでもある。
だけどボクはこれだけで十分だった。
そう先程現実で練習してきたことができるのだから……
あ、痛い人とか言わないでね。
そう、まずは両足を交互にわきわきと動かしてそして呼吸を少し粗めの深めにとり、顔を赤らめる。
よし次はここから少し抑揚をつけて
「あの……おトイレ行かせて……うく……もらえませんか?」
といい感じに言えた。
でも甘い声をだすからって、変な言葉を喋ってしまった。
そんなことよりもこれで看守の誰かが気づいてこっちに来てくれればね。
そう思っているとこちらに近づいてくる足音がする。
「どうかしましたか?」
女性か……
そうこちらに近づいてきた看守は女性の声をしている。
これは計算に少し修正が必要だ。
でもやることは変わっていない、やるしかない。
「あの、トイレに……」
「ごめんなさい。
それは無理なんです」
「そうですか」
トイレに行けないことは本当はわかっていた。
ボク自身もトイレに行きたいわけではない。
そうここで言う一言はこれだ。
「あの、せめてこのスカートを捲り上げてくれませんか?」
「え……
まぁ、それくらいでしたら」
よし、成功だ。
そう普通ならばトイレになんか行かせてもらえないのは捕まっている身分としては仕方がない。
だけれど、服を少しくらい動かしてくれるのならやってくれる。
うん、この人が実は優しい人でよかった。
ボクは近づいてくる人を見て唖然としてしまった。
そう先程までの計画など頭の中からなくなるほどにビックリした。
だってそこにいたのはレイラさんによく似た女性だったからだ。
「あの?
あなたは?」
だからだろうボクは思わずそう口にしていた。
すると彼女は微笑みながら言う。
「レイネはそうですね、レイラお姉さまの妹です。
だからね、あなたをここに監禁することによって攻めてくるレイラお姉さまを捕まえたいのです。
もうレイネの前からいなくなってしまはないように」
「え……」
「素敵でしょ、今はまだねレイネの家にいるんだよ。
でももう少ししたら攻めてくるって言ってた。
だからレイネはね、協力するって嘘のことを言ってここに来るレイラお姉さまを捕まえるんだー。
楽しみだな」
「ヤンデレかよ……」
ボクは思わずその言葉を言っていた。
そう、ヤンデレだ。
この少女も前に出会ったあの妹の子も……
たぶん、この街のせいだと思うけれど、心が病んでいってしまっているのだろう。
そして頼る相手がいつも隣にいてくれる人になってしまった。
でもボクはこのレイネという女性の行為を許せない。
ヤンデレになってしまったのは仕方ない。
でも、だからってレイラさんを裏切るのは許さない。
だったらどうする?
そう考えたボクは拘束されている全身に力を込めた。




