この街の謎を解け⑧
なんだか逃げてばかりいる。
これがホントの逃走中か……
などといらぬことを考えていると幾分か先程の抜け道の怖さを緩和させた。
それにしても建物の間を走っていたけれど、ここは下を向いている人がほとんどだった。
機械というものがないためか鉱山で採れた鉄などは火によって次のものに生成されるようだけれど、それを焼くときにでる煙があるためにここの空はなんだか淀んでいるせいかもしれない。
それになんだか……
「暗いですね……」
思わず漏れたその言葉にボクたちは少し足をとめた。
「そうだねー、空が歪んじゃってるようだね」
「うん、公害時代の街みたい」
「仕方ありませんよ、っていっても昔よりもひどいですけどね」
そうしてみんなで空を見ながらそう言ったところで嫌な予感がなんとなくした。
そしてその後、ボクはレイラさんに向かっていく銃弾の前に立っていた。
その後のことはあまり覚えていない。
気づいたらログアウトしていたのだ……
※
私にはよくわからなかった。
気づくとマヤがレイラの前に出て何かから守った。
そう思ったらすぐにマヤが飛んできた方向に向けて、まさに火事場の馬鹿力で剣を抜刀して投げつけた。
そして崩れおちるマヤを私は見ているだけだった。
シズエはすぐに近づいてマヤをかばうような姿勢をとっているがそれも無駄だと思う。
足音が聞こえてくるからだ。
それも一人や二人のものではない。
私は咄嗟の判断だった。
横にいたまだ呆然としているレイラを手刀にて気絶させて
「シズエ!」
と叫んだ。
するとシズエも私のいとに気づいてくれたようですぐに倒れていたマヤを小脇に抱こうとしたときに信じられないことがおきた。
倒れていたはずのマヤがすくっと立ち上がると敵が向かってくる方向に向かって走り出したのだ。
呆然とそれを見送る私とシズエは次の瞬間にマヤが盛大にこけるシーンを見た。
だけどそのコケたマヤはなんだか必死の表情をしていて、私はまだ呆然としているシズエの手を強引に引っ張ると駆け出した。
建物の裏口を少し走ると足音が聞こえなくなるのを感じて私たちは足をとめた。
そして私はシズエの方を振り向いたところでシズエに叩かれた。
そしてそのままシズエは手を振りほどこうとするが私は離さなかった。
なんでかっていうのを聞かれてもよくわからないけれど、たぶんあの最後のマヤの表情を覚えているからだろうと思っている。
マヤはこっちを見て笑っていた。
それはなんだか幸せそうな笑顔をしていた。
そしてなんだかありがとうと言っているようだった……




