この街の謎を解け①
「大丈夫ですか、ご主人様ー」
そう言いながら抱きしめてこようとするレイラさんを手で抑える。
「あはん、いけず……」
恍惚な表情でそう言われるのは慣れてきたので苦笑いを返しておく。
「ごめんなさい。
いろいろ取り乱してしまって」
そしてエリンに頭を下げた。
「いいですよ、気にしないでください」
「でも、ボクが悪いわけなので……」
「気にしないでいいんだよ。
誰にだって嫌いなものはあるのだからね」
「そうですね」
そうしてようやく合流した四人にて林道を抜けた先にある街が見えてきた。
それはノスタイルと呼ばれる鉱山都市だ。
何故鉱山都市とわかるのかというのは林道を抜けたところに標識が読んでくれと言わんばかりに置いてあるためだ。
そうして見えてきた都市にはファンタジーには似つかわしくない鉄の建造物が幾つかあった。
「ここだけ近代化?」
「だねー」
「懐かしいところですね」
「レイラさん知っているんですか?」
「はい、私が最初にいた場所がこの街なんですよ」
「それじゃ、案内してもらってもいいですか?」
「はい、ご主人様の命令とあればやります」
元気いっぱいに頬をとろけさせたレイラさんが案内をかってでたがそれは不発に終わった。
というのも、ノスタイルには街門に最先端の装置があるのと、その街門には許可証を持っていないと通れないように二人の警備兵が常時立っている。
そうして門前払いをくらった後、街門の外にある潰れかけの民家が立ち並ぶ場所に足を踏み込んだ。
「すごいところだね。
こんなところに住んでいたなんてすごいですね、レイラさん」
「うん、レイラちんはこんなところに住んでいたんだねー」
「いえ、これは異常な状態ですよ。
私が住んでいた時はここまで貧困の差はなかったですし、そもそもがこんな立派な街門などありませんでしたから……」
「それにここに向かった冒険者たちがどうなったのかが気になりますね」
「ですね」
「まー、まずはログアウトしてお昼を食べようよー。
お腹すいた」
「そうですね」
「うん、レイラさんは食べ物とかはありますか?」
「大丈夫ですよ。
ご主人様に心配されないようにちゃんと持ってきてますよ。
それに心配なんてしなくていいので罵ってください」
「嫌だ……」
「あふん、その冷たさがいい」
そんないつも通りなレイラさんを置いてボクたちはくたびれた宿屋に入ると一つの大部屋を借りてログアウトをした。




