新しい街を目指して⑤
剣を振るう、触手が振るわれる。
慌てて距離を取ってまた元の位置に戻る。
「触手の数おかしくない?」
「あははー……
あたしたち二本の剣に対して触手って何十本もあるよね」
「うん」
「これってサービスしないといけなくなっちゃうじゃないのかなー」
シズエがそう言いながらこっちを見る。
いや、サービスなんかしたくないんだけど。
ボクはなんとか突破できないかと周りを見るが、逃げ場がない。
迫ってくる触手……
ヌメヌメヌメヌメetc……
キモイキモイキモイ……
それを見ながら何度となくそう感じるが目の前のプラントはこちらに距離をつめようとしてくる。
うわーーーー……
その時、自分の中でたかが外れた。
「あははは……」
という笑い声が喉をつきながらもボクは走りだしていた。
飛んでくる触手の群れに対してそれを避けようともせずに突っ込む。
そして右手を前にだしてそこに意識を集中した。
「水よ、球となりて敵を撃て、ウォーターボール」
そして水の球を魔法で作るとそれをゆっくりとプラントに向かって飛ばす。
このエロ触手が、動きが見え見えなんだよ。
剣を構えている位置に触手が飛んでくるのをウォーターボールに当てることによって速度を減衰させて、そのウォーターボールの下をくぐるようにして姿勢を低くして足を狙ってきていた足を縛るための触手を剣で断ち切る。
だけどまだ距離がたりない。
だったらこれだ。
剣を目の前のプラントに向かって投げつけた。
そしてそれに追従するようにボクもその剣の後ろを走る。
そして剣はプラントの触手を貫いてプラント本体に刺さる。
ここだ。
ボクはその剣をプラントにめり込ますようにさらに回し蹴りをした。
そうするとプラントはビクンビクンと何度か体と触手を痙攣させて動かなくなる。
最後の殺られ方すら気持ち悪いとかありえないわー。
そう思いながらもすぐに思考を切り替える。
「抜けたよ、行こう」
ボクがそうシズエに言うと、少し呆然としていたシズエは慌てて頷いて後をついてきた。
そうして脱兎の如く走ったけれどプラントには追いつかれない。
なんで追ってこないんだろう?
あ、そうかプラントは植物だったよね。
本来植物は自分で動くようなものでもないし、あの大量の触手を足として動いているのならうごめいているようなものなのでついてこれるわけないか……
それに気づいたボクとシズエは更に林道を進んでいった。




