新しい街を目指して④
「暗い……」
思わずそう呟いてしまうくらいに林道は薄暗い。
何かが出てきそうだ。
そう思っていた時だった。
「グベラ……」
下から変な声がする。
「うん?
何か踏んだかなー?」
どうやらシズエも気づいたらしく、下を向くとそこには恍惚な表情で仰向けに寝ている男がいた。
「@pきゃーーー」
何あれ?
何あれ?
ボクは考えるまでもなく走りだしていた。
既にエリンとレイラさんとはぐれていたのに……
ただひたすらに走ったところで疲れて足を止める。
「大丈夫?」
「大丈夫じゃないー」
そうしてボクはシズエに抱きついた。
本当に怖かったのだ。
幽霊みたいで……
ようやく落ち着いたところでゆっくりとシズエから離れる。
「もう、大丈夫」
みっともないところを見られてしまった恥ずかしさと、外見からわかってはいたけれどシズエの胸の柔らかさを思いだして赤面する。
「それならいいよー。
マヤやんの胸の柔らかさも堪能できたしねー」
「あはは、うん」
ボクはそれを苦笑い気味に受け流す。
だって本当は男なんで胸なんてないんですよ。
なんて言ったらどうなるのかわからないからだ。
でもシズエなら大丈夫だとも思うけれど……
とそんなことよりも、あれだよね。
「はぐれてしまったね」
「そうだねー。
一応地図を見ると半分は通り越してると思うんだけどね」
そう言って地図を見せてくれる。
ボクのとは違っていくつかの街には印がついているし、ボクのと違い現在地が地図に表示されているその地図は、たぶん何かのクエスト報酬によって便利になったものだと思われた。
だから正直羨ましい。
こういう持っていないものを見ると自分も欲しくなるのは男だからなのだろうか?
そんなことをふと考えそうになって慌てて思考を戻す。
そんなことよりも大事なのはみんなと合流する方法なのだ。
そうしよう?
地図を確認する限りではこれは現在地しか表示されない機能しか追加されていないので少し動いて方向は確認できるけれど、現在地しかわからないのではぐれてしまった二人に合流の仕方がわからない。
「どうする?」
そうシズエに聞かれたけれど、どうするのか正直全然決まっていない。
そう思っていた時に周りに気配がした。
「何か来た?」
「みたいだねー」
ボクとシズエはそれぞれ自分の武器を構えてその場に備える。
そうしてそこに現れたのは
「植物の化物?」
というシズエの言葉が表すように植物が生きているように幹で歩いているその生物は、簡単に言うとよくでてくる触手の化物だ。
「あー、これってあたしたち触手に捕まらないといけないとダメなのかな?」
「うーん、ボクは捕まりたくないな。」
「うーん……
そうなるとどうやって抜けるかだよねー」
「倒さないと無理そうだよね」
「そうだねー」
ボクはため息をつくと切っ先をその植物に向けた。
名前は植物だし、プラントでいいかな……
とりあえず現在は女の体だが男のボクを触手で縛っても誰得である。
なのでここは倒させてもらいます。
そしてボクとシズエはプラントに向かっていった。




