こんな理不尽変えてやるんだ④
「決まりました」
ボクがそう口にするとシズエさんが嬉しそうに微笑む。
「よーし。
それならあれをとめないとねー。
でもあたしでもエリンだけしか止められないよ……」
そして決まったので不毛な争いになってしまったレイラさんとエリンさんの決闘はまだ続いている。
シズエさんはエリンさんなら抑えられると言っているのでどうしようかと考えたところでやめる。
ここは迷惑をかけたのだからボクが止めるというのが筋だと思う。
それに覚えたしね。
ボクは気合を入れるようにして腰に下げていた剣を抜くとエリンさんに笑いかけて言う。
「この場はボクの責任なのでボクが何とかしてきますね」
そしてレイラさんとエリンさんが交錯するタイミングに突っ込んだ。
ここで言っておく……
どんなゲームにおいても人には癖というものが存在する。
それは自分自身では気づかないことではあるが他人には気づくことができることもあるものだとボクは思っている。
例えば格闘ゲームによくあるのが、この距離ならこうとか、このタイミングならこうといったパターンのようなものだ。
だからそれを気づいてしまうとその戦いを有利に進められる。
そう考えていたボクはその人の癖を見抜く癖がついてしまった。
癖を見抜く戦いということは相手をそのパターンにもっていかせないというものではなくて、そのパターンにもっていかせながら相手をいなすものだ。
そう、だからまずはレイラさんの小刀に剣をぶつけて、その小刀に当てるはずだったエリンさんの剣の軌道を見切るとギリギリに肩まで避けて肩をぶつけることによって軌道をずらす。
すると先程までのパターンと変えられたエリンさんは思わず前につんのめる。
レイラさんは驚きながらも右手の小刀を振るうがボクはそれをその右手ごと回し蹴りではじいた。
そして威力に後ろにはじかれそうになったレイラさんと前につんのめって体制を崩しているエリンさん二人に届くようにそして踊るようにして、その場で足払いをした。
「「きゃっ……」」
レイラさんはお尻をうち、エリンさんは胸からこけたのを確認したボクは剣を腰にしまった。
そして周りの観衆は呆然としたまま動かない。
それはそうだろう、急に乱入してきた女性が二人ともをいなしたのだから……
だけどボクはそれを気にすることもなく、二人に頭を下げた。




