こんな理不尽変えてやるんだ③
そうして広場で、ボクをかけたボク抜きの戦いが始まった。
このゲームには決闘と呼ばれるやり方でPvPを戦うというやり方がある。
その決闘での誓約は主に一つだ。
敵に何かを攻撃を皮膚に通すことが勝利とする。
これだけだった。
どうやっても相手を傷つけた方が勝ちという内容のこの決闘は一つのミスも許さないというのがこの決闘というものだとシズエさんに教えてもらった。
その二人の戦いは未だに均衡状態だ。
レイラさんが強いのは知っていたけれど、エリンさんもこんなに強いと思っていなかった。
レイラさんは二刀流の小太刀の左手でエリンさんのロングソード風の剣を受け止めて、小太刀の右で反撃に移ると、それをエリンさんはロングソードを斜めにすることによって柄の部分で右の小太刀を受け止める。
二人が合わさってまた離れるというのを何度も繰り返している。
周りには結構なギャラリーが増えてきているがそれを気にもしないほど二人は攻防を繰り広げていた。
「おお、朝からすごいなー」
そしてそれをシズエさんと見ていると横から声をかけられた。
「あ、ヒロノー」
「こら、おっさんを呼び捨てにするなよ、シズエちゃん」
その人は昨日のお店の店長の男の人だ。
「おはよう、マヤさん」
「おはようございます」
ボクは礼儀にならうように、少しお辞儀をしながら言うと、ヒロノさんはうんうんと頷く。
「おお、礼儀正しい。
これを見習ってほしいね、シズエちゃんにも」
「うるさーい。
あたしはこういものなのー」
「そうだな。
してシズエちゃんよ、この決闘はなんだ?
朝からこんなことやってるとは思わなかったからよ。
しかもあれ戦っているのってエリンちゃんだろ?」
「そうだよー。
ちなみにこの決闘はマヤちゃんのために行っているものなのだー」
「そうなのかい?」
ヒロノさんにそう聞かれて頷く。
「そうか……
でも事情がどうであれ、マヤさんのことはマヤさんが決めることだと思うんだが、でもなんだか青春って感じでいいな」
何か言われるのかと身構えたけれど、そうはならずにヒロノさんは目をキラキラと輝かせて声援をおくりだした。
そしてボクはまた考える、どうしたらいいのだろうと……
「マヤちゃん、まだ悩んでいるの?」
そんな時にまた横からシズエさんにそう言われて頷く。
「そんなに深く考えたってわかんないよー」
「そうなんですか?」
「そうだよ。
自分が本当にやりたいっていうのは無意識に行っていることっていうのは知っているでしょ?」
「はい。
でもそれは究極の状態のことだと思うんですけど……」
「知ってるよー。
そんな状態なんてそうそうなれないのだよ。
だからね、悩んだ時には一番浮かんだものを信じてみるといいんだよー」
「最初のものですか?」
「そうだよ。
だって一番最初に思いついたものって一番その人の無意識に近いものなんだからね」
「はい」
そしてボクは少し考えようとしてやめた。
本当は言われる前にわかっていたその考えをしたいと思った。




