進みだす王女の冒険記⑩
急いできたらしいドМさんもとい、レイラさんは息をきらしながらもボクの方に一直線に近づいてくると腕を掴まれる。
「レイラさん?」
「行きますよ」
そしてボクは有無も言わせぬままにそのままそのお店から連れ出された。
そのまま連行されて宿屋の部屋に押し込まれる。
「何を考えているんですか……
あなたは勝手に出歩いていい人ではないんですよ」
「でも……」
「でもではありません。
あなたの称号は王女なんです。
だから私に何か言ってからどこかに行くようにしてください」
いつものおちゃらけた感じではなくて真剣に言われてボクは何も言えなくなる。
ゲームの中だから縛られないと思っていたのにまた縛られるのかな……
でもレイラさんは心配してくれただけみたいだからいいかな。
そんなことを考えながらもボクのことを真剣に見つめてくれるレイラさんを見て諦める。
「わかったよ、今日はもう寝ますね」
そうしてボクはまたゲーム世界からログアウトした。
「ふぅ……」
ため息をついてから頭の中で考える。
エリンさんが言ってくれた話しの内容とボクが話した称号の意味。
どちらもがこのゲームのまだまだ基本的なことだと思う。
というのを逃避気味に考える。
正直なところ、一番ボクが意味のわからないのはレイラさんの行動だった。
普通ならば他の冒険者と仲良くするのはゲームではよくあることだ。
ましてや王女となれば、どのゲームでの冒険者に多く触れる機会がある。
それなのに妙に冒険者を近づけたくないような感じて接しているような気がする。
マーテルでもボクのことを何かから遠ざけるようにしていた。
やっぱり確信と呼べるまでもないけれど何かがあるのだろうか?
そう考えながらもゲームによって頭を使ったためにぐっすりと眠っていた。
朝早めに起きて朝食を適当に食べていると気づく。
そういえばゲームの中ではご飯を食べた時に満腹になったと感じたのに、ゲームをログアウトするとその満腹になっていたのがいくらか和らいだように思った。
それはたぶんゲームをしすぎて、ゲームからログアウトしてもご飯を食べない人をなるべくなくすためだろう。
それに確か注意事項には一〇時間以上の連続ログインをした場合には特殊な状態異常が待っていると書いてあった。
たぶんこれにもゲームのしすぎというものをなくすための配慮だろうと思う。
確かにダイブ式ゲームが流行ってからの、ゲームをしすぎて栄養出張で死んだという事件があったためだろうと考える。
なんとなくそんなところはゲームなんだなと思った。
そして顔を洗って歯を磨いて気合を入れたボクは今日もログインすることにした。
昨日の疑問を解くためにも……




