進みだす王女の冒険記⑤
いつの間にか寝ていたようだ。
起きると二三時を少しまわったくらいだった。
ログインしようかな。
そう早々に決めるとダイブギアを頭にはめる。
そしてゲームにログインした。
目を開けてすぐに入ってきたのはまず、このベッドには天井がないというところだ。
それだけでなんだか感慨深くなってしまうのはなぜだろうか?
とそんなことよりもまずはレイラさんの様子を確認しないと……
同じベッドの隣でスヤスヤと寝ているレイラさんを確認してホッとする。
これは気づかれなくてよさそうだ。
でもここで素直に正面のドアから出て行くと何か嫌な予感がするし、こっちを使おう。
それにやりたかったこともあるし。
そう、王女という響きの人でよくアニメなどではやっているシーンをボクも一度はしてみたかったのだ。
そう、カーテンで窓から外に出るということを……
ということで二人部屋だったこの部屋のもう一つの方からシーツや掛ふとんのようなものをつなぎ合わせて作ってみたけれど、正直なところは不安だ。
上手くいくだろうか?
そう思って窓を開けたところでボクは衝撃の事実を確認する。
「あ、ここ一階だったんだ」
そう、そこには高さなどなく、それを作った意味などただなかったのだった。
そんなトラブルのようなものも乗り越えて、夜の街に繰り出すと、そこではまだまだ騒ぎが起こっていた。
それもそのはずで、今日の二四時でちょうどこのゲーム始まってようやく一週間を迎えるからだ。
というのも最初の混雑がこのゲームは予想されたために、一定の人数ずつを時間をわけて一日かけてログインさせるようにしたので、くじ運よく最初のログインを許された人たちからすればもう一週間はたっているわけだけど……
だけれど自由にログインを可能になってから一週間というのがたぶんこんなお祭り騒ぎの原因なのだろうと思う。
それをボクは少し離れた位置からボーッと眺める。
その光景を見ながら素直に関心する。
それはここがゲームの世界なのにもう一つのリアルに見えてしまっているからだろうと思う。
お酒を飲みながら談笑している男連中や、お互いのアクセサリーアイテムを見せ合いながらどう組み合わせようかななんてことを話している女の子連中。
そしてそういう集まりに一切入り込めないボク。
うう、なんだか自分で悲しくなってきた。
だからこそその場から離れようとした時にそれは起こった。
勢いよく振り向いたせいで後ろにいた人に気づかなかったボクは、思いっきり後ろにいた人にぶつかってしまった。




