進みだす王女の冒険記①
そして街門に到達した時に、ボクは口を開いた。
「あれはやりすぎだったんじゃないの?」
そうそれは、先程のナンパ野郎の処遇についてのことだ。
だけれど、それを聞いたレイラさんは首を振る。
「そんなことないですよ。
そもそもが死なないダイブ者はあれくらいしないとダメですよ。
それにご主人様に手を出そうとした輩は許しません。」
「あ、そうだね」
そう言われて、ついつい照れてしまう。
だけど冷静になるんだ。
「だからご褒美に、私をめちゃくちゃにしてくださいー」
ふ、そうだ。
なんたってこの人は雰囲気というものを全て破壊していく人なのだから……
だから、ボクは聞いてないことにして歩き始めた。
それに不満げな表情をしながらもレイラさんがついてくる。
まずはもう一度戦闘を行うために、先程やられた森に来ていた。
先程はテンパっていてその森の名前を確認していなかったけれど、名前は”シールズの森”というみたいだ。
ちなみにこの森を抜けることで最初に辿り着く街、シュトレイヌに最短で行けるようだ。
ということでそのシュトレイヌに向かうことをまずは念頭において、更にその行く途中にでも戦闘のことを少しでも知っておこうというものもある。
「それじゃ、行きましょうかレイラさん」
「はーい。
その調子で私のことも責め逝かしてもいいのよ」
「いや、しないから」
「う……
さらっと否定されるようになった」
そんなドMなレイラさんと行動を共にしていく。
森の中心付近に辿りついた頃だろうか、レイラさんに手をひかれた。
ボクは慌ててレイラさんの方を見ると、真剣な表情をしたレイラさんが周りをキョロキョロと見ている。
「ウルフか?」
そしてかすかに何かを感じたのだろう。
そう呟いて、腰につけていた小刀を両方とも抜いて構える。
どうやらボクも構えていた方がよさそうだ。
ボクも腰に下げていたどう見ても普通の剣を構えた。
といってもどういった構えがいいのか自分でもよくわからないため、ゲームの世界でいうところの、剣を持ったキャラクターの立ち絵と同じ格好をしているだけだ。
「マヤ……
少し下がっていて」
なので早々に戦力外通告を受ける。
うん、そうですよね。
といっても構えをといてはどうなるのかわかったものではないので、少し後ずさる程度にする。
その時だった。
まるでボクが下がることを見越したタイミングで木の間からウルフが飛んでくる。
ボクは構えていたおかげかその攻撃を右に転がることで避けた。
そして素早く立ち上がりもう一度構え直したところでウルフがみじん切りのようにメッタ斬りにあっている瞬間を見た。
うわー……
容赦ないね。
そうとしか感想をもらせないほどにそのウルフはメッタ斬りにされると、設定によって表示されていたHPバーを全損させた。
あれ、でもポリゴン化しないぞ?
どういうことなんだろうか?
そう考えているとレイラさんが小刀を腰にしまいながらこちらにやってきた。




