ゲームの世界へ⑪
でもここでこの変態を仲間に加えないとゲームのシステムの大半がわからないままということになってしまう。
そ、それは嫌だな……
く、ここは先行投資という意味でも仲間に入れるしかないのか。
ボクは目の前に表示されているパーティーに入りますか?
という答えにYESとクリックする。
「はい、承認ありがとうございます。」
そこでようやくというか、変態的な意味での笑顔ではなくちゃんとした自然な笑顔をレイラさんは見せてくれた。
まずは外に出ましょうかということで、城内から街にやってきた。
ああ、やっぱりボクの始まりの場所って王女の寝室だったんだ。
そんなことを感慨深げに思いながらもレイラさんの後をついて行くと……
案の定声をかけられた。
「お、綺麗なお嬢ちゃん。
今二人だけかい?
よかったら俺たちと遊ばないかい?」
どうやら冒険者らしいその男は下品な笑みを浮かべてこちらを見ていた。
HPバーが表示されているっていうことは、ダイブ者か。
そう城内を歩いて行きながら、このゲームでの人の見分ける方法を教わった。
それはメニュー画面から設定にて変えられるもので、HPバーが表示されている人はダイブ者で、何も表示されていないのがNPCであるというのがわかるようになった。
だからこそ、こんなダイブ者がいるというのは正直なところ恥ずかしい。
自分がこれをやることで現実でもあまりよくないというのがわからないのかと思いたい。
それにその笑みは本当に不愉快だ。
ボクはため息をついてその男の横を素通りすると、それにならうようにしてレイラさんもボクの後をついてくる。
「無視してんじゃねーよ」
だからそんなボクたちのことをこういう輩はすぐに怒って手に入れようとする。
本当になんてバカな奴なんだろうか?
剣を抜いて向かってきたその男は一瞬にしてそのHPバーを散らした。
そう、これをやったのはボクではない。
レイラさんだ。
実はこの人とパーティーになったことによって相手の経歴を見ることができる。
例えば、ボクなら、初心者プレイヤーというのが表示されているはずだ。
その経歴でレイラさんのところには王女殺害未遂犯という経歴が残っていた。
なんでも三年ほど前に王女を依頼にて暗殺しようとしたところ、逆に王女にひっとらえられて召使にされたとか……
そう考えると過去のボクってどれだけすごいんだろうか?
とそんなことを考える暇もなく、警備兵が何人かこちらにやってきた。
事情をレイラさんが説明して、その男が捕まった。
そう、この世界にはNPCたちが先に決めた法律のようなものがある。
その為、ボクたちに限らずこの世界にて何かをしたものはその法律によって裁かれる。
ということは普通に人道に外れるようなことをしなければいいってことだけどね。
そう考えながら目的の場所である街門に向かって歩いた。




