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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第2章】「Zリーヌンス篇」
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【第2章】宇宙艦隊オッパリオン078話「援軍」

いつも応援ありがとうございます!!

YOMです。


本日もやって参りました宇宙艦隊オッパリオン第78話!!

翔平を捕らえた海賊、そしてそれに対峙するクァード組とフレイア隊。

果たして、彼女達の運命は如何に!?

そして、捕らえられた翔平はどうなってしまうのか。

宇宙艦隊の話はまだまだ続きます!!

【〇七八 援軍】


 海賊からの全域通信が入った時、フレイアはすぐに全機の状態をモニター上に表示させた。

 シュレン機は異常なし、リクサーヌ機は左腕に損傷、レマス機は右脚損失という状態だった。いずれも敵機三~五機と交戦中になっており、シュレン機とリクサーヌ機は内火艇の防衛にあたっていた。

 レマス機が防衛に当たっていた内火艇は大型機動兵器に掴まれたものであり、現在は解放されているがレマス機含めて敵機に完全包囲されてしまっている。


「今すぐショウヘイを追いかけられる人はいないってことか……」


 自分は戦闘不能と見なされているのか、敵機が向かってくる様子もないのが逆に悔しくもあった。


『こちらの主導権はなくなったようね』


 シュレンからそんな通信が入る。シュレンもリクサーヌもほぼ包囲されているという状況になり、迂闊な行動ができなくなってしまっていた。


「そうみたいね」


 スタティアとアスタリアの状況を確認すると撤退軌道に入った海賊艦の進路を塞ぐような行動に入っていたが、間に合うかどうかは微妙なラインとなっている。

 こちらへ向かっているスタティアとアスタリアの機動兵器部隊から一機が進路を変え、海賊艦の方へと向かいはじめた。


「……提督?」


 それはアーリア機だった。


『アーリアより各パイロットへ。アスタリア隊はクァード隊および内火艇の救援を急いで。クァード隊は内火艇の防衛を最優先に。ショウヘイはわたしが連れ戻すわ』

「アーリア提督! 間に合うんですか!?」


 フレイアは想わず叫ぶように言ってしまった。


『やってみるしかないわ。任せて、フレイア』

「りょ、了解……」


 そう答えるしかなかったが位置状況を見ると間に合うという確信はなかった。


『現宙域のオッパリオン勢力に告げる。戦闘行為、移動を中止せよ』


 海賊からの通信が繰り返された。


「大人しく聞き入れるわけないでしょうが!」


 フレイアの言葉通り、スタティアとアスタリアからの部隊は止まることなくこちらを目指してきている。

 その時、フレイアは翔平との繋がりが途切れていることに気がついた。だが、力の残滓ようなものが翔平の体温を伝えていた。

 翔平は無事だ――フレイアはそう確信したが、今は追える手立てがない。

 そんな中、撤退していた大型機動兵器が母艦へと辿り着いたらしく、マーカー表示が消えた。アーリア機は間に合っていない。

 海賊艦が急加速に入る――それはニュートレースジャンプの予備動作だった。


「あいつ! 友軍機を置いてジャンプする気!?」


 海賊艦から発した機動兵器たちはまだこちらを包囲しており、艦へ戻る様子はなかった。撤退する海賊艦は僚艦を残し、単機で離脱する様子を見せている。


「アーリア提督! 急いで!」

『最大出力よ!』


 アーリア機のマーカーが海賊艦へ急接近を試みるが、海賊艦がジャンプに入る方が早かった。海賊艦は危険宙域であるにも関わらず、ニュートレースジャンプを敢行した。


『間に合わなかった!』


 アーリアの叫び声が聞こえる中、フレイアは焦燥感だけを募らせていた。

 海賊艦がジャンプした方向を記録させておく。一気にマーラ星まではいけないはずなので、どこか途中で追いつける可能性もゼロではないと信じた。


『オッパリオン人に告げる、抵抗をやめて投降しろ』


 先ほどとは違う男の声が全域に発せられた。

 フレイアは抵抗をやめる気はなかった。母乳力もかすかに戻ってきた気配があり、落ち込んでいたシェアトスの出力も復元を見せはじめていた。


「投降なんてしたら……ショウヘイを追いかけられないでしょうが!」


 フレイアはありったけの力を込め、レマス機の方へと機体を加速させた。それと同時、光芒が数発、内火艇を取り囲む敵機を狙い走って行った。


『抵抗する気か! この野蛮人どもめが!』


 海賊機たちは散開し、内火艇を盾にするような軌道に入った。


「あの距離から撃ったの? ……シア機?」


 フレイアがモニターで確認すると射撃を行ったのはスタティア隊のシア機だった。

 その一撃を皮切りに援軍からの射撃が行われる。

 その中を一気、突出してくる機体がいた。


「フィシエル!?」

『お待たせフレイア。よくがんばったじゃない』


 通信の声の主はフレイアも知った人物――アスタリア機動兵器部隊の隊長、フィシエルだった。


「嫌味で言ってる?」

『半分くらいはね。あとは任せて、クァード隊は内火艇の防衛に回って』

「気に入らないけどそうさせてもらおうかな。シュレン、リクサーヌ、レマス、内火艇の防衛を最優先させて」


 アスタリアから発した五機の機動兵器は編隊を崩して散開し、海賊機を取り囲むような軌道を見せる。それに応じてスタティアの機動兵器部隊も広域に展開し、包囲網を作りはじめた。

 すると海賊機たちはあっさりと撤退の動きに入った。


『アーリアより各隊、深追いはしないで。クァード乗組員の回収を優先させて。内火艇はスタティアに収容します。クァード隊各機もスタティアへ帰投して』

「提督、すぐに追撃に入りますか?」

『そのつもりよ。フレイア、あなた母乳力の低下が著しくなってる。無理はしないで』

「大丈夫です」


 そうは答えたものの、アーリアは自分の動きの鈍さから母乳力の低下を見破っていた。


『アスタリア隊、逃げる敵は放っておいて。クルル、エミィ、クァードへ行って残された人がいないか確認してきて』

『了解』

『了解したよ』


 二機の機動兵器が半壊したクァードへと向かって行く。

 フレイアもモニターにクァードを拡大表示させたが、見るも無惨な姿になってしまっていた。


「クァード……こんなことになるなんて……あたしが黒騎士に手間取りすぎたから……?」


 そんな思いが込み上げてくるが、今は反省している時間ではない。


「クァード隊はスタティアへ。みんな、よくがんばってくれてありがとう」


 平静を装い、フレイアはクァード隊へと指示を出す。

 海賊たちはさっさと撤退に入っており、目的のもの以外にはまるで興味がないようだった。

 徹底している連中だ――フレイアはそう感じた。黒騎士との連携は取れていなかったようだが、結果としてZリーヌンスを奪われてしまった。海賊たちにはそれだけの執念と、それに伴う実力があったという証明になってしまった。


「翔平……必ず連れ戻すからね……」


 スタティアに向かいながら、フレイアはひとり呟いた。

 そんなフレイア機のとなりにアーリアのウィルギヌスが近づいてくる。


「アーリア提督?」

『フレイア、残念な結果になったけどあなたたちはよくやってくれたわ。ショウヘイを取り返すチャンスは必ず作りましょう。その時、あなたの力も必要になるわ』


 通信は自分にだけ向けられた個人回線だった。戦闘中の個人回線は禁止されているが、アーリアはそれを破ってまで自分を気遣ってくれた。


「……ありがとうございます。その時、早く作りましょう」


 どこか情けなくも思えたが、フレイアは精一杯強がってそう答えた。


『もちろんそのつもりよ。とりあえずあなたはスタティアについたら少し休みなさい。母乳力を戻さないと戦闘は無理よ』

「わかりました――」


 そう答え、スタティアへ向かう内火艇に付き添うようにフレイアもスタティアを目指した。

 本来ならば母艦を失った喪失感に苛まれるところなのだろうが、今は翔平を失ったことの方への喪失感が大きかった。

 だがアーリアも言っていたように、連れ戻す機会を作らねばならない。自分にはまだやることも、やるべきこともあるのだと強く思い、フレイアは自らの心を支えた。


スタティアとアスタリアの合流が果たされるが、それは時すでに遅かった。

失意のフレイア組とクァードの面々。

しかし、彼女達はまだ前へと進み始める!?

宇宙艦隊オッパリオン、次回もお楽しみに!!


評価・コメント・感想などよろしくお願いします!!

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