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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第2章】「Zリーヌンス篇」
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【第2章】宇宙艦隊オッパリオン070話「三対一」

本日も更新しました「宇宙艦隊オッパリオン」!!

どうも、いつもお世話になっておりますYOMです。

皆様の応援のおかげでオッパリオンも070話へと話が進みました。


本日のオッパリオンは。

惑星ベールヌ宙域での艦隊戦が開始され、それぞれの機動兵器が戦いへと赴く。

そんな戦いのさなか、Zリーヌンスの新たなる能力「エクスタシア」を覚醒させた翔平とフレイア。

急激なパワーアップにフレイア専用のシェアトスは悲鳴を上げる。

急ぎ母艦へと戻るフレイア。

それと同時に、損傷を追ったドロアズの乗る「デネグロマーラ」も一時母艦へと帰還するのだった。

まだ、戦いは続いていく・・・。

【〇七〇 三対一】


「敵艦後方距離四〇〇〇付近にジャンプアウト反応を確認! 数二!」


 クァード艦橋にはいよいよ敵部隊増援の到着が報告された。しかも距離はかなり近い。この距離までをジャンプしてきたということは、敵も相当に急いでいるということがうかがえた。


「ジャンプアウトと同時に熱源を射出、数五!」

「五? 少ないですね」


 アリメルは率直な感想を述べた。対峙している海賊艦の機動兵器搭載数は五機と推測されるので、増援に現れた敵は搭載機の半分しか出していないことになる。


「見くびっているのでしょうか?」

「まだなにか考えているのかもしれませんね――。本艦右舷側より出現した艦を二番艦、三番艦と呼称します。データ解析を進めてください」

「パターン照合から一番艦と同型と推定されます」

「二番艦、三番艦砲撃体勢へ移行。砲撃来ます」

「回避行動を解析される前に手動に切り替えて対応してください。本艦は引き続き敵砲撃を回避しつつ一番艦を狙います。機動兵器各員は艦の防空をお願いします」

「了解しました」


 クァードのメインモニターで見ると敵部隊は散開しつつ、クァードを取り囲むような動きを見せていた。

 背後にベールヌを置くクァードに退路はないため、三隻もいれば進路は完全に塞がれることになってしまう。アリメルとしてはそうなってしまう前に、一箇所でも突破口を残しておきたかった。


「フレイア機、帰投軌道に入ります」

「換装を急がせてください。今は一機でも多くの機動兵器が現場に必要です」

「ミィアルーン博士より、フレイア機の再調整に少し時間を要するとのことです」

「急いでくださるように伝えてください」

「敵機動兵器本艦航行線に進入、レマス機、リクサーヌ機が交戦に入ります」

「対空防御をしつつ回避運動。スタティアへの連絡はまだ取れませんか?」

「継続していますが通信が確立されません。やはりジャンプ中かと思われます」


 途端に切迫した状況の中、頼みはスタティアたちの到着だった。しかしスタティアもジャンプ中とは言え、こちらの位置は伝えていない。Zリーヌンス反応を見つけての移動と思いたがったが、その確信もない。


「敵一番が距離二〇〇〇まで接近」

「距離を開けてください。四〇〇〇程度の維持」

「了解」


 クァードは回避運動をしつつも包囲されぬよう、近づかれすぎぬようにと巧みな動きを見せていた。機動力の高い艦ならでは操舵であり、クァードの操舵士がいかに優秀かが敵味方にもわかる軌道をとっている。

 その間、クァードも何度か敵艦を正面に捉え砲撃をするも、相手もそう簡単にはこちらの攻撃を受けてはくれなかった。

 防衛隊であるレマスとリクサーヌの善戦により敵機動部隊が艦に取り付くのを阻止できてはいるが、今後数が増えればリアリィやシュレンが防衛に当たるとは言え、相手の飽和攻撃を受けることになる。

 そうなれば艦も無傷では済まなくなってくるだろうとアリメルは予測していた。


「敵二番艦および三番艦より高速飛翔体四発の射出を確認。対艦誘導弾と思われます。接触まで二〇〇秒!」

「シュレン機が迎撃に向かうとのことです」

「墜とせるのですか?」

「何度か経験があると言っています」

「ではお任せします。バックアップとして迎撃の用意をお願いします」


 モニターを見るとシュレンが突出してクァードの前面に進んで行くのがわかった。

 この艦の機動兵器部隊はそれぞれが優れた技量を持っているが、素性などは明かされていない者もおり、アリメルが知る限りシュレンもそのひとりだった。高い技量と判断力は隊長であるフレイアを超えるものがありながら、普段はそんなそぶりを見せることはない。いつも影にいるような人物だとアリメルは思っていた。

 しかし、ミサイルの迎撃の経験があるということは相当の手練れということになる。今度しっかりと出身を聞いてみようとアリメルは考えた。


「接近中のミサイル消失を確認。シュレン機が迎撃に成功した模様。ただちに防衛に戻るとのことです」

「……さすがね」


 そのシュレンの手際に、アリメルは恐ろしさすら感じた。彼女が敵でなくてよかったと。


「ゼータリオンはどうなっていますか?」

「現在リアリィ機と共に行動しており、接近中の機動兵器の対応に当たっています。交戦中ではありますが状況は良好です。リアリィ機もZリーヌンスの影響を受け出力上昇を確認しています」

「そうですか」


 不穏な状況の中のおいてゼータリオンが無事なのは唯一の安堵と言えた。おそらくこの窮地を支えるのはZリーヌンスになるのだとアリメルも感じている。


「フレイア機の着艦を確認しました」

「敵増援の機動兵器、防衛隊に接触。突破した機体が二機本艦に取り付きます。リアリィ機が向かっています」

「対空防御をフル稼動させて対応します。回避運動を最優先してください」


 アリメルの指示のもと、クァードはさらに激しく回避運動を取るようになる。艦内の揺れが大きくなり、それは戦闘が激しくなっていることを乗組員全員に伝えた。



 ◇ ◇ ◇



「グアデリアはなぜこちらの援護をしない。付録艦にこだわりすぎではないか?」


 ドロアズはグアデリアに着艦するなりひとり愚痴を漏らした。

 コクピットハッチを開き、速やかに腕部の換装に入った整備士に声を飛ばす。


「母乳の再装填と換装を急いでくれ。今はまたとない好機だ。これを逃すわけにはいかんぞ」


 腕部を一度取り外し、新しいものと取り替える作業はそう長くはかからない。戦闘中の換装は実戦の中ではそうめずらしいことではなかった。

 ハッチに足をかけていたドロアズのもとへ、デネグロマーラの専属整備士がやってきた。


「ドロアズ様」

「なんだ?」

「機体の状態をモニターしていましたが母乳の消費量がデータよりも多くなっています。ましてやリミッター解除状態ではそう長くはもちません」

「承知した。だがそれを使わねばならない状況だ。敵とて大人しくしているものではないのでな。機体の限界は大丈夫か?」

「デネグロマーラはそこまでやわではありません。デリケートな機体ではありますがタフでもあります。母乳さえ残っていればあの機体にも遅れは取りませんよ」


 整備士はデネグロマーラへの自信を見せてくれた。ドロアズにすればそれは心強い言葉でもあった。ここで機体を丁寧に扱えなどと言われたのでは困ると思っていた。


「ならば引き続き好きに使わせてもらおう。リミッターは全解除するがかまわんだろう?」

「ドロアズ様の体が大丈夫なら大丈夫です。そこはご自身で判断してください」

「わかった。これは実に良い機体だな」

「そう言ってもらえて光栄であります」

「閉めるぞ」


 そう言うとドロアズは体を再びコクピットへと戻した。


「体への負担か。楽なものではないが致し方あるまい」


 高加速と機敏な軌道はドロアズに少なからずの負荷を与えていた。スーツがショックを軽減しているとは言え、ドロアズは体の芯に軋みのようなものを感じていた。

 長引けば骨に異常が出るかもしれないと思うものの、この好機を逃すつもりはない。

 ドロアズはその不退転の決意と共に、グアデリア艦橋へ通信を繋ぐ。


「ドロアズだ。艦長へ繋いで欲しい」

『わかりました。少々お待ちを』


 今は対艦戦の真っ最中で艦橋も忙しいはずであることはわかっていたが、ドロアズはアルガノスに伝えたいことがあった。


『アルガノスです。どうしましたかな?』

「艦長、艦が下がりすぎている。あのZリーヌンスの機体へもっと寄せて援護するのだ。機動兵器部隊もこちらへと回して欲しい」

『あの機体一機に戦力を集中させよと?』

「そうだ。我々の任務はZリーヌンスの殲滅だ。今こそがそのチャンスではないのか?」

『そうかもしれませんが所詮は機動兵器です。母艦を叩ける時に叩くのがセオリーと思いますな』

「時と場合によるものだ。相手は妙な力を使うが、私ならば押さえられる。戦力を回してもらいたい」

『全戦力を向けることはできませんな。我々とて状況を俯瞰して見ております。母艦を落とせば機動兵器の一機くらいなんとでもなりましょう。それにいつその妙な力とやらを艦に使われるかわかりませんからな。あの機体を逃がさないためにも母艦を叩きます』

「……そうか。ならば私は私の判断で動くこととしよう」

『そこはこれまで通りでかまいませんぞ』

「ふんっ、これまで通りときたか。わかった。そうさせてもらう」


 ドロアズは仮面の下に笑みを浮かべ通信を切った――が、内心は納得できるものではなかった。


「あのキャプテン、なにを考えている……。Zリーヌンスを滅ぼすつもりはないのか?」


 そんな疑念がよぎる中、ドロアズはコンソールで換装状況を確認する。すると、ちょうど終わりを告げる時だった。


『予備のライフルはお持ちになりますか?』


 整備士からそんな連絡が入る。


「置いていこう。ライフルが通じる相手ではなかった。軽装の方がやりやすい時もあるのでな」

『わかりました。換装は終わりました。母乳の再装填にもうしばらくお待ちください』

「ああ、急いでくれ」


 母乳の消費量はドロアズも予想外に大きく、体感で今までの機動兵器の三倍近い消費がある感じがしている。

 その間、ドロアズは友軍機に通信を入れた。


「ギドル聞こえるか。そちらの状況はどうなっている?」

『こちらギドル。現在敵のランチャー装備機と交戦中です。こいつが中々くせ者で三機でかかっていても突破できずに……申し訳ありません』

「それはいい。そいつは放っておいてZリーヌンス機の方へと向かうように指示を出せ。機動兵器部隊はZリーヌンス機を狙うと」

『ぜ、全機ですか?』

「そうだ。応じぬ場合は貴様だけでもZリーヌンス機へと向かえ」

『了解しました』


 ギドルにそう命じたものの、この部隊はアルガノスの影響が強いため自分の命令はギドルくらいにしか通らないだろうとドロアズは踏んでいた。


『デネグロマーラ、母乳再装填完了しました。各部チェックをお願いします』

「了解した――がチェックは省略だ。デネグロマーラ、すぐに出るぞ」

『了解しました。進路確認開始します』


 グアデリアも戦闘中のため、射出するにはタイミングを合わせる必要があった。

 カタパルトから外を見ると付録艦の砲撃が見える。


「ふん、三対一でもまだ抵抗するか。連中はつくづく野蛮なものだ」


 ドロアズがそう呟いていると、カタパルトに青信号が灯った。


『発進準備完了です。タイミングはそちらでどうぞ』

「ドロアズ出るぞ。グアデリアの幸運を祈る――」


 そう残し、ドロアズは再び戦場へと飛び出して行った。

 モニターで友軍機の動きを見ると、案の定ギドル機だけがZリーヌンス機の方へと向かっていた。そのギドル機を追うように、敵の機動兵器の一機が追跡していた。


「この機体がランチャー装備の機体か。三機を相手にしつつもギドルを阻む気だな。こいつも相当にできるようだな」


 ドロアズは気を引き締めるように操縦桿を握りしめた。


「だが――今の流れは我々にある。墜とさせてもらうぞ、Zリーヌンス」


 ドロアズは目標に向かい、機体を急加速させた。


再び戦場へと戻るフレイアとドロアズ。

二人は更なる力でぶつかり合う!?

そして、敵艦隊の到着により劣勢のクァードは、この艦隊戦を乗り切ることができるのか?

絶体絶命の大ピンチの中、翔平のZリーヌンスが最後の頼みの綱となる。


コメント・感想・評価いつもありがとうございます。

いつでも、お待ちしておりますので、気が向いたら気軽にお願い致します。

反応を頂けると嬉しい上にやる気も上がるので、書いてやってもいいやと思った方是非お願いします!!

まえがき・あとがきはYOMの提供です。

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