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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第2章】「Zリーヌンス篇」
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【第2章】宇宙艦隊オッパリオン043話「ラメルの味わい」

いつも閲覧大変ありがとうございます。

YOMです。

今日は宇宙艦隊オッパリオンの「ラメル編」2話目です。


惑星ラメルへと降りたった翔平達。

預言者の指示したこの惑星ラメルでは、一体何が待ち受けるのか!?

ラメルを統治する者「マシましおさ」とは一体どんな人物なのか。

Zリーヌンスの謎をたどる旅はここから始まる!!

【〇四三】


 中央交易港に停泊したクァードから降りると、港には出迎えの人が出てきていた。


「お待ちしておりました」

「わっ」


 その見た目の異様さに奈菜は思わず驚きの声をあげる。


「ははは、ガン=カニア人を見るのははじめてだねナナ」


 ミィアルーンが奈菜の肩に手を置く。

 ミィアルーンが言ったガン=カニア人は人とはほど遠い容姿をしており、顔にあたる部分には大きな複眼のような眼が三つついている。足は逆関節になっており、翔平たちが見上げるほどに大きかった。


「なるほど、私たちを見るのははじめてですか。驚かれることには慣れておりますが、どうぞよろしくお願いします。私、皆様の案内を担当するチェルピックと申します」

 チェルピックはそう言って触手のような手を差し出した。


「な、奈菜です」


 奈菜は率先して、しかしどこか恐る恐るその触手と握手をした。


「ありがとうございます、オッパリオンの来訪者」


 そう答えたチェルピックは気持ち笑顔になっているように見えた。


「わぁ……なんか感動……」


 奈菜は異星人との交流に感激している様子だった。そして周囲を見回すと様々な容姿をした人たちが忙しなく動いている。


「それではこちらへどうぞ。入国手続きは特別に省略させてもらっています。なにか深い事情をお抱えと伺っております」

「そうね。気を遣ってくれてありがとう」


 フレイアが答える。

 そして進むチェルピックの後に続き、港を進んで行く。

 中央港というだけあり、離着陸はひっきりなしに行われており、騒々しかった。


「ここには帝国の商船も来るんだよね」


 途中、リアリィはそんなことを言った。


「ふふふ、勘弁してください。それが我々の生業でして。しかし最近は帝国の船舶は行き来がめっきり減りましたね」


 数歩先を行くチェルピックが答えた。


「そうなの? わたしが前に来た時は結構あって驚いたけどね」


 リアリィは続ける。どうやらリアリィもラメルには来たことがあるようだった。


「はい。オッパリオンの首都上空で大規模な戦闘があったと聞いて以来、行き来する便はめっきり減りました。定期便もあったのですが、運行が止まっているようですし。なので、今はラメルには帝国の船舶は入ってきていません」

「そうだったのね。なんか少し安心したわ」


 よく見るとリアリィはかなり周囲に気を配りながら歩いていた。警護のために来ているということもあり、周囲を常に警戒している様子が翔平にもわかった。


「帝国の船は入れるのに海賊は入れないの?」


 奈菜がそんな疑問を口にする。


「ラメルは反海賊協定を結んでおりまして、商船や旅客船を襲撃する海賊に対しては厳しく対処をしております。商売の支障になりますからね。なので海賊艦と見なされた所属不明の艦船はラメル周辺宙域に入ることを許されておらず、これはオッパリオンも参加している銀河同盟条約によって守られております」


 チェルピックが丁寧に教えてくれた。


「そうなのね。じゃあここならいろいろ安心ね、翔平」

「そうだな」

「だからってあまり気を抜きすぎないでよ。海賊は入れないけど賞金稼ぎなんかはいるわけだから。もしかしてあなたを狙ってる賞金稼ぎがいるかもしれない」


 前を行くフレイアはそう言いながら肩越しに翔平を見る。


「賞金稼ぎなんているんだ」

「数は減ったけどね。ま、その時のためにあたしやリアリィがいるわけだけどさ」

「ふふふ、ご安心ください。今はラメルも治安はいいですよ。安心して買い物ができるようになっております。さぁ、短いですがせっかくラメルに来ていただいたのです、ちょっとした観光を兼ねて露店通りを通りましょう」

「観光だって!」


 奈菜が眼を輝かせる。

 チェルピックの後をついていくと、裏口的な港ゲートをチェックなしで通過できた。そして路地を通り抜けると、喧噪が漂う露店通りに出る。


「すごい……」


 翔平は思わず感嘆の声を漏らし、奈菜は言葉を失っている。

 ラメルの露店通りにはところ狭しと露店が連なり、見たこともないような商品を並べていた。よくわからない機械や衣服のようなものから、なにかを焼いた食べ物のように見えるものなどと売っている。そこを行き交う人たちは実に様々な容姿をしているのだが、一番多く見えるのは奈菜よりも小柄な、地球の動物のような耳をつけた人たちだった。


「やっぱりケモミー星人が多いわね、ここは」


 フレイアが言う。


「ケモミー星人?」

「あの小柄な、四つの聴覚器官を持つ種族のことです。この星にもっとも多く住んでおります」


 チェルピックも説明してくれた。

 ケモミー星人たち同士なにかやり取りをしていたり、なにか食べながら歩いたりしている。

 翔平や奈菜は興味深い視線を送っているが、ケモミー星人たちは翔平たちのことをまったく気にかけていない。


「ここじゃ異星人は別にめずらしくないのか……」

「そうかも知れないわね。さすがは交易都市ね」


 奈菜はそんなことに深く関心していた。すると――。


「お嬢ちゃん、旅行の人だね。うちのこれ、食べていってよ」

「わたし?」


 奈菜が露店のケモミー星人に声をかけられた。

 串焼きを売っており、木製に見える串にはトカゲのようなものが刺さっていた。


「な、なにこれ……食べられるの?」

「ラメルははじめてかい? お嬢ちゃんオッパリオン人だろう? 大丈夫、オッパリオン人はみんなおいしいって食べてるよ」

「ほ、本当なの?」


 奈菜はリアリィの方を見ると、リアリィは肩をすくめた。


「さぁ? わたしは食べたことないけどね」

「えぇ……。これ、トカゲでしょう?」

「食べてみなよ。せっかくなんだし。これ、ひとつもらうよ。支払いはこれで」

「へへへ、毎度あり」


 リアリィは串焼きのひとつを手に取り、店頭のケモミー星人にコインのようなものを手渡した。


「はい、どうぞ」


 リアリィはどこか楽しそうに、串焼きを奈菜に差し出す。


「ほ、本気?」


 奈菜は恐る恐る串焼きを受け取る。


「大丈夫だって。ケモミー星人とオッパリオン人はわりと味覚が近いし、食性だってそう違うものじゃないからさ。オッパリオン人とそっちの……地球人? も似たようなものなんだろう?」

「そうだけど……」

「ふふふ、新しい経験ができるのもラメルの魅力です」


 チェルピックも足を止めて奈菜を見守っていた。


「翔平、どうしよう?」

「異文化交流だと思ってさ」


 翔平も奈菜を楽しそうに見る。


「わ、わかったわよ。それじゃ……いただきます……」


 奈菜は恐る恐る、トカゲのようなものにかじりつく。すると――。


「ん……おいしいかも。サカナみたいな味。香辛料もすごく香ばしいわ」

「だろう? うちの串焼きはこの宇宙じゃ一番うまいんだから」


 店頭のケモミー星人も嬉しそうに微笑んでいた。


「ありがとう、素敵な経験ができたわ」

「はは、またおいでオッパリオンのお嬢ちゃん。もっとも、オッパリオンも大変みたいだから落ち着いてからの方がゆっくりできるだろうけどね」


 そういうケモミー星人に手を振り、奈菜たちは先へ進むことにした。


「はい翔平、半分あげる」

「お、ありがとう。ちょっと気になってたんだ」


 奈菜から半分をもらうと、翔平もかじりつく。たしかに奈菜が言っていたように、サカナのような味がした。食感は鶏肉のような感じで、翔平は焼き鳥を思い出した。


「別の星に来てこんなの食べたりとか……すごい経験だな」

「うん。またレポートが書けそう」

「今度は信じてもらえるといいな」

「もう、それを言わないでよ」


 翔平と奈菜がそんなやり取りをしていると、前を行くチェルピックがちらりとこちらを見た。


「あの、深くは伺いませんが、お二人はオッパリオン人ではないようですね。どちらからいらしたのでしょう? 差し支えなければお聞かせしてもらって構いませんか? もちろん、秘密は守ります」

「えっと……」


 答えていいものかと、奈菜がフレイアを見る。するとフレイアはいいよと言うように頷いた。


「地球という星から……こちらで言う、水平の銀河から来ました」

「なんとっ。水平の銀河から! これはめずらしい。ラメルにはいろいろな星の人が来ますが、まさか水平の銀河からのお客さまが訪れるとはっ。マシ長からはめずらしい客人としか聞いていなかったのですが、これは驚きました」


 チェルピックはそう言いながら、どこか嬉しそうに体を揺らした。


「オッパリオン人はあまり外交的ではないと思っていましたが、まさか水平の銀河の星と交流を持っているとは。これは驚きです」

「まぁ交流があるってわけじゃなくてね。この二人はちょっと特別な事情で来てるのよ」


 フレイアが状況を捕捉する。


「そうでしたか。しかしオッパリオン人とよく似ていらっしゃる。私などには区別ができません」

「それは同感だね」


 するとここまで黙っていたミィアルーンが同意を表した。


「地球人とオッパリオン人との関係には興味が尽きないよ。ここにきてなにかヒントがもらえると助かるんだけどね」

「なるほど。マシ長があなた方をお呼びした理由が少し見えてきました。マシ長はなかなかすべてをお話にならないお方ですが、マシ長の言葉はあなた方の未来を示すことになるでしょう」


 チェルピックのその言葉に、翔平と奈菜は顔を見合わせた。

 いったいマシ長と呼ばれている人物とはどんな人物なのだろうか、想像が膨らむ。



 ◇ ◇ ◇



 一行は露店通りを抜け、中央部にあるビルような建物へと通された。

 エレベータのようなものに乗り、上階へと向かう。


「ここがマシ長のいる中央タワーです。マシ長はこの惑星を代表する人物であり、政治や外交を執り行っております」

「なるほど。大統領みたいな感じなんだな」

「そんな人に呼ばれるなんて、なんだか緊張しちゃう」

「ははは、そんなにお堅い方ではないのでリラックスしてくれて大丈夫です。その方がマシ長も喜ぶでしょう。さぁ、着きました」


 エレベーターの扉が開くと、そこは広間のようになっており、奥に円卓がおいてあった。その奥の席に、きつねのような大きい耳をつけたケモミー星人がいる。


「マシ長、オッパリオン人とお呼びの要人をお連れしました」


 チェルピックの声を受け、マシ長は椅子の上に立ち上がった。


「ご苦労チェルピック。そしてはじめましてオッパリオンの者よ。そして水平の銀河からの客人、Zリーヌンスを持つ者よ」

「っ!」


 初対面でZリーヌンスのことに言及され、翔平は驚きを隠せなかった。


「ふぁっふぁっふぁっ、そう驚くこともなかろうて。おぬしたちのことはよく見えていたよ。前回オッパリオン星系に来た時もおぬしたちを感じておったくらいだ。だがあの時と今回では少しばかり状況が違っているようでな。わざわざ来てもらったよ」

「えっと……俺は――」


 自己紹介をしようとする翔平を、マシ長は手をかざして止めた。


「言わなくてもわかるよショウヘイ、そしてナナ。これでも予言者のはしくれなのでね。よし、回りくどいのはやめよう。まずは席についてもらおう。立ち話というのも無粋であろう?」


 マシ長に促され、翔平たちは円卓の空席に座ることにした。

 見るとケモミー族とは違った宇宙人が四人ほど、マシ長のとなりの席についていた。


マシ長から語られる預言とは一体!?

ここからZリーヌンスと母乳力を巡る運命の輪が動き始める。

次回更新もお楽しみに!!


「宇宙艦隊オッパリオン」をいつも読んでくれているそこのあなた!!

評価・感想・レビューお待ちしてます!!

オッパリオンを気に入って頂けましたら、お気軽にコメントよろしくお願い致します!!

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