【第7章】宇宙艦隊オッパリオン442話「ラメルの影に潜む刃」
新年「2026年」明けましておめでとうございます!!
今年も桐生スケキヨ著作「宇宙艦隊オッパリオン」邁進していきますので、読者の皆さんどうぞよろしくお願いいたします!!
日々の読書に心より、そして胸よりの感謝を!!
更新担当YOMです。
新年一発目のオッパリオンの原稿がやって参りました。
オッパリオン第7章の最新話は・・・。
ヴァツルド率いるマーラ帝国皇帝ヴァツルド艦隊は一路ラメルを目指していた。
ラメルで行われるオッパリオン星との講和会談。
マーラ星の再生に尽力したオッパリオンのアティルーン皇女率いる皇女艦隊。
ヴァツルドとアティルーンの二人の惑星の指導者が目指すラメル。
しかし、そこには不穏な影が迫りつつある!?
【四四二 ラメルの影に潜む刃】
『ニュートレースジャンプ解除後の減速が安定します。これより通常航法に切り替え、ラメル管制に入ります』
トリアルダにあるヴァツルドの部屋に、そんなアナウンスが流れた。
トリアルダは護衛の艦艇とともに、ラメルの近くにまで来ていた。
「今回の会談に合わせて、マーラ星からも観光に来ている人たちが少なからずいるようです」
ヴァツルドにお茶を注ぎながら、アルセはそう言った。
「ラメルは観光地として人気だからね。マーラはまだ観光を受け入れていないけど、少しはラメルに学んだ方がいいかな」
「今は自然保護を優先されるのがよろしいかと思います。観光を受け入れるのは、環境の調査と整備を終えてからの方がよいかと」
「そうだね。そうしよう」
「それはそうとヴァツルド様――お伝えしておきたいことが」
お茶を注ぎ終えたアルセは一歩下がり、姿勢を正した。
「なにかな?」
「ラメル警備側との打ち合わせにおいて、不審な点を発見しております」
「ふむ。それはラメル側に、ということか?」
「ラメルに存在していた、ラメルはマーラ帝国の支配下に入るべきだという思想の持ち主たちと、マーラ帝国の継戦派の一部がラメルで合流したとのことです」
「……なるほど。帝国内で活動が沈静化を見せていると思ったら、こんなところに火が飛んできていたということか」
「そのようです。一部過激な組織もあるようでして、ラメル警備側はその活動を警戒しているとのことでした。もしかしたら、この会談になにか事を起こすかもしれません」
「その情報はオッパリオン側は?」
「まだ知らないかと思います」
「わかった。すぐに連絡を。アティルーン皇女に直接伝える前に、まずは警備に伝えた方が話しが早い。ここの端末を使っていい」
ヴァツルドは卓上にあった端末をアルセの方に向ける。
「ありがとうございます。では、失礼します」
アルセは端末の前に立ち、操作をはじめる。
「アルセよりトリアルダ艦橋。ミルアティルスの位置は特定できますか?」
『トリアルダ艦橋よりアルセメイド長。ミルアティルスも先ほどジャンプアウトした模様。通常航法にてラメル航路に入っております。位置、特定可能です』
「緊急回線にてミルアティルスに繋いでください。アルセより、親衛隊レーナ隊長をお願いしたいと」
『了解しました。ミルアティルスに回線繋ぎます。少々お待ちを』
待つ間、ヴァツルドがお茶を空ける。
「ここに来てマーラの不穏分子とは。なにかあればマーラ帝国の印象によくないな」
「なにもないことを願いますが、用心しておくべきと思います」
「そうだね」
『トリアルダ艦橋よりアルセメイド長。通信確立します。レーナ隊長と繋がっています』
「ありがとうございます」
端末にはレーナ隊長が映る。
「お忙しい中失礼します。アルセです」
『皇女親衛隊レーナです。そちらもラメル航路に入られたようで、なによりです』
「ありがとうございます。レーナ隊長、急な話なのですが、こちらが入手した情報で、共有しておきたいことがあります」
『なんでしょう?』
「ラメルで、マーラ帝国の継戦派と、ラメルの帝国派が合流しているとの情報を得ました」
『……それは本当ですか?』
レーナの顔が一瞬で緊張感を持った。
「一部過激な組織もあるようで、今回の会談においての行動が懸念されている状況です」
『なるほど……そのようなことが……。わかりました、こちらも警戒を強めましょう。会場周辺の警備はラメル側に任せるしかありませんが、お互い要人の警護は一層の警戒を』
「そうですね。こちらの警備はメイドたちで行うのは予定通りで――」
アルセの言葉を遮るように、ヴァツルドと艦橋を直接繋ぐ通信機が呼び出し音を鳴らした。
「すまないアルセ」
「いえ、どうぞ。そちらが優先です。レーナ隊長、少々お待ちを」
『こちらもアティルーン皇女に緊急通信が』
「ヴァツルドだ」
『殿下、ラメルより緊急連絡です。我々の到着に合わせて開催されている歓迎式典会場に過激派組織が侵入し、爆発物を設置したとのこと』
「なんだと?」
ヴァツルドと、話しを聞いていたアルセに緊張感が走った。
通信中のレーナも同じことを聞いたらしく、端末画面の向こうでも驚きの声が上がっていた。
「ラメル側の対応は?」
『すでに式典の音楽ライブは開催されており、大勢の民間人が会場にいるとのことです。中にはマーラからの観光客もいるとのこと』
「……民間人を人質にするわけか。組織、テロリストたちからの要求は?」
ヴァツルドが問う。
『まだないようです。現在ラメル警備隊は爆発物の捜査をはじめるようです。ラメルへの降下を先延ばししますか?』
「それではテロリストの思惑通りになる。予定の変更はなしだ。アルセ、メイドたちを派遣して爆発物の対応に――」
『ヴァツルド殿下、失礼します』
ふと、アルセは端末をヴァツルドに向ける。そこにはアティルーンが映っていた。
「これはアティルーン皇女殿下」
『ヴァツルド殿下、思いがけない緊急事態となりました』
「そのようですね。メイドを派遣して対応に当たらせます。ご安心を」
『いえ、それには及びません。マーラ帝国のメイドたちは今やマーラ帝国と殿下を象徴する存在になりました。そのメイドたちが会場を動いていたとなれば、大きな注目を集めてしまいます。ここは、我が親衛隊を先んじて降下させ、現場の解決に当たらせます』
アティルーンの発言に、ヴァツルドと、アルセも驚いた。
「皇女殿下の親衛隊を、ですか?」
『はい。身内ながらに、彼女たちも訓練は受けています。それにトリアルダよりミルアティルスの方がラメルに近いため、こちらはもう機動兵器でラメルに降下できます。親衛隊なら迅速な展開が可能です』
「なるほど……時間は大事ということか」
『どうでしょうか?』
「わかりました。皇女殿下の親衛隊にお任せします。その分手薄になってしまう皇女殿下の警備には、我がメイドを配置して対応させてもらいます。よろしいですかな?」
『そうしましょう。ありがとうございます。では、さっそく行動に入ります。レーナ隊長、急ぎ行動を』
『はっ。アルセメイド長、後ほどお会いしましょう』
「はい、レーナ隊長もどうかお気をつけて」
通信を終えると、ヴァツルドはため息をついた。
「民間人を人質に取るとは……しかもラメルに来てまで……」
「テロリストは手段を選びません。見つけ次第、排除する必要があります」
「そうだな。そうなのだが……彼らにも理解してもらうことはできないものか」
「それは……時間がかかるかと思います。その行程の中で、このような行為が起こってしまう……そうなると、武力による排除しかなくなってしまいます」
「悲しいことではあるが、だからと言って容赦できるものはない。アルセ、メイドたちの警備計画にアティルーン皇女の警備も含めるよう手配だ」
「かしこまりました。オッパリオン皇女殿下の安全も、我々メイドの誇りと、マーラ帝国の威信にかけてお守りします」
アルセはそういうと、ヴァツルドに一礼をして部屋を出て行った。
「なにごとも、すべて上手く行くということにはいかないものだな」
ヴァツルドはひとり、そうつぶやいた。
次回、親衛隊と共にラメルのテロリストへと立ち向かう!?
戦いの地はラメルへ!!
裏話小話を一つ。
新キャラを出さずにお話を締めていかねばという桐生氏に向かい、更新担当のYOMは新キャラをどんどん出そう、それでいいんだと言いました。
そして、オッパリオンファミリーは増えていきます!!
ラメルの新キャラも更に登場予定!!
桐生スケキヨの描く母乳力を巡る宇宙のキャラクターにもご期待ください!!
本年もどうぞよろしくお願いします。
桐生スケキヨ次回予告。
ラメルで起きる緊急事態の対応をするのはアティルーン皇女親衛隊!
彼女たちは果たして安全を確保できるのか!?




