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宇宙艦隊オッパリオン  作者: 桐生スケキヨとYOM
【第1部】【第2章】「Zリーヌンス篇」
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【第2章】宇宙艦隊オッパリオン041話「ジャンプの中」

こんにちは。

YOMです。

本日も遂に来ましたオッパリオンの更新が!!


それでは、早速の前回のオッパリオンは!?

オッパリオン艦隊所属のクァード艦は、海賊艦グアデリアの特殊兵装である「ニュートレースミサイル」の攻撃をギリギリのところで回避するに至った。

九死に一生を得たクァード隊は、翔平の持つZリーヌンスの力に驚くも、次なる目的地である中立惑星ラメルを目指す。

そんなとき、ミィアルーンと翔平と奈菜は・・・。

【〇四一 ジャンプの中】


 惑星ラメルへ向かいニュートレースジャンプ中のクァードでは、先ほど受けたミサイルでの被害への応急処置が行われていた。しかし超光速航行中なので船外活動はできず、中からできる修理のみとなっている。

 なので簡易的な修理しかできなかったが、航行に支障が出ることはなかった。

 翔平と奈菜はミィアルーンに勧められ、応急処置のあとを見に来ていた。


「ここに当たったのか……」

「中からじゃよくわからないけど、危なかったのかな?」

「普通対艦ミサイルは一発当たれば甚大な被害が出るものだけどね。今回はミサイルが速度重視で威力が弱かったと想定されるね。つまり、幸運だったということだね」

「危ないところだったんだ……」


 攻撃を受けたという事実を目の当たりに、奈菜はぞっとしていた。


「けが人とは出なかったんですか?」

「人的被害は出ていなかったね。この辺りは居住エリアだから戦闘中は無人になるんだ。それも運がよかったね。クァードは幸運艦と言われてるけど、その通りだね」


 被害が最小限に済んだことは翔平にとっても喜ばしい話であったが、攻撃を仕掛けてくる海賊――帝国に執念めいたものを感じていた。


「帝国ってZリーヌンスを欲しがってるじゃなかったんですか?」

「わたしもそう思っているんだが、どうやら帝国内も一枚岩じゃないみたいでね。欲しがっている連中と、消したい連中とがいるようだね」

「なるほど……」

「前回の首都上空戦での次元破断砲の威力を見ればZリーヌンスを脅威に考えるのは自然なことかな。その上でその力を欲しがるか、消し去るかはたしかに意見の分かれるところだとは思うよ」

「そうですね。でも、帝国はどうしてZリーヌンスのことを知ってるんだろう?」

「その点は前回から提督も考えているようだったよ。Zリーヌンスは元々オッパリオン星に伝わる伝説のようなものだからね。その実在なんて信じられてしなかったくらいだよ。アティ皇女殿下が予言者の予言でZリーヌンスを手に入れるようにと進言を受け、提督に命じたんだ。それまで実在するかなんて話にも出なかったって聞いてる」


 ミィアルーンから聞いた話は翔平にとって少なからず衝撃だった。存在が確定していないものを予言を頼りに進んだということになる。


「でも提督だって素直に応じたわけじゃない。古い文献を掘り返してね、Zリーヌンスに関する情報を集めたんだ。その中でZリーヌンス反応を検出する方法を見つけたんだよ、わたしがね」

「博士が?」

「そうだよ。オッパリオンは長く文字文化の変化が緩くてね。古い文献も比較的読みやすいんだよ。だからZリーヌンス検知器のようなものも作ることはできたんだ。もっともテストはできないから正常に動作しているのかは本当にZリーヌンス反応を受けるまではわからなかったけどね」


 ミィアルーンは笑った。


「ゼータリオンもそうだね。古い文献にZリーヌンスと連動する人型兵器が書かれていてね。スタティアと合わせて作らせてもらったんだ。でもこちらは情報が少なくって、当時のゼータリオンがどれほどの性能だったかははっきりしていないんだよ。現代に復元させたゼータリオンの性能は傑作機ウィルギヌスを基準に、余剰出力を受け止められるように作っただけだね」

「そうだったんだ……」


 Zリーヌンスはもとより、ゼータリオンにもよくわからないことが多いことに驚いた。


「次元破断砲やスタティアの基礎設計もこの古い文献を参考にしているよ」

「そういえば……機動兵器ってどうして人型なんですか?」


 ふと、翔平は思った疑問を口にしていた。

 するとミィアルーンはハッとなにかに気付いたように目を丸くした。


「それはいい質問だね。どうして人型か、か。これは機動兵器の歴史にも由来するんだけど、そもそも機動兵器を開発したのはオッパリオン星じゃないんだ」

「え?」

「機動兵器を最初に作ったのはマーラ帝国さ。オッパリオン人の母乳がエネルギーを生み出すという事実に気付いた帝国はその軍事利用を真っ先に考えたわけだ。そして帝国中の科学者たちが集められ、母乳から効率よくエネルギーを生み出す機関、母乳転換炉を開発したんだよ。そして研究が進むうちに、ある驚きの事実が明らかになった。――それは、母乳由来のエネルギーは人型のものに搭載することで最も効率よくエネルギーを生み出すということだったんだ」


 ミィアルーンはゆっくりと、落ち着いてそんな説明をしてくれた。


「艦船に搭載されている母乳転換炉は擬似的な四肢を内臓させることで効率化をしていてね。先に戦った異形の大型機動兵器がいたろう? あれはさしずめ小型戦艦という解釈になる」

「それで人型だったんだ……」

「そういうことさ。帝国はこの母乳転換炉搭載の機動兵器と艦船を使い、一気に銀河系全体に侵略を開始したんだ。交渉して奪った領土もあるけど、だいたいが容赦なく蹂躙されたよ。その行為に疑問を思った科学者がいてね。帝国がこのまま覇権を拡大すればこの銀河系は遠からず自由がなくなるんじゃないかって。それでその科学者は機動兵器と母乳転換炉の技術を持ってオッパリオン星に亡命したのさ」

「え、そ、それって……」

「そう、わたしなんだけどね」


 軽いジョークでも言うように、ミィアルーンは簡単に言う。


「わたしはオッパリオンに来て母乳の研究をさせてもらえたんだ。そこで転換炉では得られない、母乳力そのものをエネルギーにする母乳機関を開発したんだよ。それで帝国とのバランスを取ろうと思ったんだ。――と言えば聞こえはいいけど、実際は母乳力の本場で母乳力の研究がしたかっただけかもしれないけどね」


 ミィアルーンは軽々しく話してくれたが、翔平は急に目の前にいる人物が偉大に思えてきた。なにげなく話しているこの人は相当にすごい人なのではないかと。


「わたしが知る限り、母乳力というのはオッパリオン人が持つ生体エネルギーみたいなものだね。母乳からも、母乳を出す時もエネルギーを発するようでね。母乳そのものを消費してエネルギー変換する母乳転換炉とは比べものにならない純度のエネルギーが出るんだよ。驚いたね。それを搭載した機動兵器や艦船は帝国製を大きく上回る性能を発揮してくれたんだ。おかげでオッパリオン星は帝国に侵略されずに済んでるというわけだ」

「じゃあ帝国はオッパリオン星をエネルギー源として欲しがっているのか……」

「そうだね。その意味合いが特に強い。帝国は長くエネルギー資源の不足が悩みになっていたんだ。母乳力はそれを解決する機会となったわけだけど、オッパリオン星は母乳は輸出していないんだ。軍事利用されることを拒んでね」


 温厚なオッパリオン人の性格を考えると、それは翔平たちも納得のいくことだった。自分たちのエネルギーが争いに使われることは耐えられないということだ。


「結果として帝国はオッパリオンの持つ鉱山衛星や旅客便なんかを襲ってオッパリオン人を拉致するようになってね。争いになってしまったわけだ。ここは皮肉なものだね」


 ここまで話し、ミィアルーンは通路奥に目を向けた。

 翔平が釣られてそちらを見るとフレイアが歩いてきていた。


「ここにいたのね」

「フレイア、休んでなくていいのかい?」

「ごろごろばかりしてるのも性に合わなくてね。ショウヘイたちをかまってる方が退屈しのぎにいいかなってさ」

「退屈しのぎなんてしている時間があるのかい?」


 ニコニコとしているフレイアにミィアルーンは苦笑を見せる。


「いいのいいの。ジャンプ中は機動兵器使えないし、もう海賊も追っては来てないし。そんなことよりショウヘイはここにいて大丈夫なわけ? Zリーヌンスは発動してるんでしょう?」

「そうだけど……あまり実感はないかも」

「Zリーヌンスは発動しているよ。ただ少し弱い反応で落ち着いているね。クァードの母乳機関が上手く同調しているから、エネルギーはほとんどロスなく使えているよ。だから出力も安定してる」

「そうなんだ。ゼータリオンに乗ってる方がいいんじゃないかなと思って」

「それはそうだけど、今はそこまでは必要ないという判断だよ」

「ふ~ん、意外に便利ね」


 フレイアはまじまじと翔平を見つめる。


「フレイアの方はどうなんだい? 母乳力を持つ者としてZリーヌンスは感じられるかい?」

「なんだか気持ちの高揚感はあるわね。母乳出してないからわからないけど、普通よりいい感じになるんでしょう? 早く実戦で試してみたいかな、なんてことは言っちゃダメか」


 終始ニコニコしているフレイアの傍ら、奈菜は翔平に体を寄せていた。


「どうしたんだ奈菜?」

「な、なんでも……」

「んんー?」


 そんな挙動の奈菜の顔をフレイアが覗き込む。


「え、えーっと……」

「ナナ、大丈夫だって。別にショウヘイを取っちゃおうとか考えてるわけじゃないからさ」

「わ、わたしはそんなこと――」

「あはははっ、ナナはわかりやすいなぁ」

「フ、フレイアっ!」

「どういうことだ奈菜?」

「わ、わたしに聞かないでよ」

「ショウヘイは鈍いなぁ。機動兵器も動かすんだからもっと敏感じゃないとダメだって」


 疑問符を頭の上に浮かべる翔平を見て、ミィアルーンは呆れたような顔をしていた。

 すると――。


「フレイアーっ、こんなところでなにやってるのっ」


 リアリィの声が通路に響く。


「なにって、ショウヘイたちと親睦を深めていたところよ。リアリィもどう?」

「どうってねぇ……。機動兵器の出力調整は終わった? 整備班が待ってるよ。フレイアが戻って来ないって」

「えぇー、もういいじゃん。まだやるの?」

「Zリーヌンスが得られる間は何回もやりたいってさ。早く戻りな」

「もうー、リアリィは堅いなぁ」

「わたしじゃなくて整備班に言ってよ。ほら、付き合ってあげるから戻るよ」

「はーい。じゃあショウヘイ、ナナ、またね」

「フレイアが迷惑かけたね」


 リアリィはそう言って翔平たちに片目を閉じて見せた。

 フレイアがリアリィに連れられていなくなると、通路は静まり返った。


「クァードはなんだか賑やかね」


 奈菜がぽつりとそんなことを呟いた。


「あ、ああ、俺もそう思ってたところだよ」

「ははっ、スタティアとはまた違った性格だね、ここは。わたしもそう悪い居心地は感じいないよ。でもショウヘイたちが来たことで彼女たちも浮かれているんだろうね。艦の生活は変化に乏しいから余計に」

「なるほど……」


 納得する翔平に奈菜はどこか心配そうな視線を送っていた。

 なんとなく翔平への誘惑が多いような――そんな空気感に、奈菜は少しだけ危機感のようなものを感じずにはいられなかった。

 かと言ってなにか思い切った行動を起こすことができないのは自分の悪いところだとは思うものの、やはり思い切った行動には出られないのが奈菜なのであった。

奈菜も翔平もフレイア達に振り回される予感!!

奈菜と翔平の関係や、オッパリオン人と翔平の関係はどうなっていくのか!?

今後をご期待下さい。

次回は、惑星ラメルへ到着なるか?


徐々に評価や感想などを色々なところで頂いております。

いつも読んでくれている皆様には、感謝感謝の雨あられです。

引き続き「宇宙艦隊オッパリオン」をどうぞよろしくお願い致します。

感想・評価・レビューはいつでも受け付けておりますので、お時間ある方いらっしゃいましたら、ちょっと書いてみてやってください。

まだまだ、オッパリオン続きます!!

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