【第2章】宇宙艦隊オッパリオン031話「火星軌道海戦」
宇宙艦隊オッパリオン再出撃!!
どうも、YOMです。
「宇宙艦隊オッパリオン」完結と思わせて帰ってきました。
二章です。
遂に来ました、二章です。
おっぱい紳士淑女の皆さんお待たせしました。
前回のオッパリオンを防衛した話から幾何かの時が流れた「現在」
地球の近くで、不穏な影が揺らめく。
果たして、待っているのは敵か味方か。
宇宙を巡る母乳の戦いに新たなる火種がくすぶり始めている。
前回オッパリオンを読んでくれた皆さんに感謝の気持ちを込めつつ、新章もいってみましょう!!
【〇三一 火星軌道海戦】
火星軌道周辺宙域――国連宇宙軍特務隊艦隊旗艦のテュポーンは極秘任務を受け、この宙域の偵察に出ていた。
「各艦より定時連絡、全艦観測に異常なし」
「うむ」
通信士からの報告を受けたミランダ艦長が頷く。
「この宙域に到達してもう三日か。依然なんの異常もないとなると観測衛星の捉えた映像はやはり彗星かなにかのようだな」
ミランダ艦長はどこか満足げにそう言った。
「そうかもしれませんね」
副艦長のジョシュアはそう相づちを打った。
一週間ほど前、火星軌道周辺を警備している観測衛星がひとつの不自然な光を観測したことが、今回の派遣のきっかけであった。
艦長のミランダはこの派遣には不満があるようだと、ジョシュアは感じていた。
「分離主義者どもの動きかとも思ったが、そうでもないようだな」
「その線を疑うにしては過大な戦力ですが」
ただの偵察任務だというのに、最新鋭艦五隻が編成されていた。
近年、国連宇宙軍に反対する武装組織の散発的なテロ活動はあるものの、テロ組織への警戒にしては物々しいとジョシュアは思っていた。
そしてジョシュアは口にこそ出さなかったが、内心では異星人に対する警戒なのではないかと考えていた。
それを見越してか、ミランダが横目にこちらを見てきた。
「副長、まさか異星人の襲来があるとでも?」
「いえ、自分はなにも」
「ふん、そうだろうな。異星人などと馬鹿馬鹿しい。そんな文明などあるものか」
ミランダはそういう考えの持ち主だった。異星人とのコンタクトが近いと言われている現代においても、頑なにその存在を否定している。世界にはまだそういった層が一定数いるのだと、ジョシュアは理解していた。
「副長は『桃ノ瀬レポート』を知っているか?」
桃ノ瀬レポート――軍が管理する最高機密であるが、その存在は一時世間を騒がせたものだ。
内容はとある木星遊覧シャトルが外宇宙の異星文明と接触し、宇宙戦争に巻き込まれるも生還した、というものだ。そこには異星文明が事細かに記されているが、当時の政府、軍、研究機関では賛否が分かれ、結局のところ真偽の結論が出ないまま黙殺されたレポートだった。
しかしその現本は軍で管理され、一般の閲覧は不可能となってしまっていた。そのことはそのレポートが本物であることの証明とも言われ、世間はいろいろと勘ぐったが、それもそう時間を置かずに風化してしまっていた。
「本物を見たことはありませんが、話に聞いたことくらいならあります」
ジョシュアはそれを踏まえた上で、正直に答えた。
「世間では軍が管理しているなどと言われているが、あれはただの都市伝説だな。遊覧シャトルの事故を乗っていた子どもが脚色したものに過ぎない。それなのにそのことを真に受ける無能が軍にもいるということだ。嘆かわしい」
ほとほと呆れたように言うミランダだったが、ジョシュア自身はそうは思っていなかった。ジョシュアは異星文明はあると考えていたし、その接触はすでに起こっていると思っていた。
「艦長、エキドナより連絡。三時方向に光源を確認とのこと」
「光源? 彗星ではないのか?」
「本艦でも捉えました。主モニターに映します。最大望遠です」
「うむ」
艦橋の大型メインモニターには宇宙の映像が映し出された。その中央には青白い光が映る。
「星ではないのか?」
「星図との照合しましたが該当する天体はないとのことです。数分前に突然現れました」「艦長、対物レーダーに感あり。該当の光源付近に動体反応あり」
「動体だと? 大きさは?」
「推定で三〇〇メートル程度の物体と推測されます。かなりの速度でこちらへと接近しています」
「全艦に通達、当該物質より回避行動」
「了解、全艦に通達――」
「なんでしょう? 艦長、呼びかけをしてみてはどうでしょうか?」
「正気か副長? あれは彗星かなにかだ。この宙域にあんな速度を出せるものが他にあると言うのか?」
「それは……確認してみなければわかりませんが」
密集していた艦隊は光源と思われる物体の軌道から逃れるような進路を取った。
しかし――。
「前方の物体に反応。軌道修正を行い本艦隊の進路を阻む軌道を取る」
「なんだと? 間違いではないのか?」
「光学とレーダーの両方で確認しました。こちらの進路変更に応じたように見えましたが……あ」
「どうした?」
「光源消失。ですが動体レーダーには反応があります。距離、八〇〇〇宇宙距離。依然接近中」
「分離主義者の船か?」
ミランダはジョシュアを見た。
「可能性は考えられます。呼びかけを行うべきかと思います」
「わかった。その考えに賛同しよう。通信士、全周波で通信だ。こちらの素性を明かした上で進路と艦名を明かすように伝えろ」
「了解しました。――こちら国連宇宙軍テュポーン。前方の航行艦、艦名と進路を明かされたし――繰り返す」
気付くと艦橋は静まり返り、全員が返信を待っていた。
「……応答ありません」
「繰り返せ」
ミランダの声にはどこか苛立ちが見えた。
「熱源レーダーに感、前方物体に高熱源反応を確認」
「熱源だと?」
「高熱源さらに上昇中」
その報告の直後、テュポーンのそばを光が走った。その光は強化ガラスの窓を通じ、テュポーンの艦橋にも降り注いだ。
「なんだ!?」
「高熱物質が放出された模様!」
「高熱物質?」
「か、艦長! ヒュドラより連絡! 我、機関部損傷とのこと!」
「機関部損傷!?」
突然のことにジョシュアは驚きの声を上げた。
「どういうことだ?」
「わかりません! ヒュドラからの報告では攻撃を受けたとのことです!」
「高熱源反応! さらに続く!」
「なにが起こっている!?」
再びテュポーンの艦橋を光りが降り注いでいった。直後、振動がテュポーンを揺らす。
「ヒュドラでの爆発を確認! 艦後部が損傷しています!」
「艦長、これは攻撃です! 我々は前方の物体から攻撃を受けています!」
ジョシュアはそう進言した。
「馬鹿な。この距離だぞ。我が艦の主砲でも射程外だというのに減衰もなく艦を損傷させるほどのビーム兵器があるものか」
「ですが実際に被害が出ています!」
「前方物体より小規模な光源が射出された模様。数二、訂正、三。急速に接近中」
「これは……どういうことだ……」
「艦長、これは敵襲です。反撃命令を」
ジョシュアの言葉を遮るように光りが降り注ぎ、テュポーンが揺れる。
「後続のラドンに被害発生! 機関部損傷とのことです!」
「艦長!」
「くっ、我が艦艇が射程外から撃たれることなどありえん!」
「各艦、回避運動に入ります。隊列、散開します」
随伴艦はミランダの命令を待たず、緊急事態と判断して回避運動に入りはじめる。
「くそっ、分離主義者ごときに! 全艦に伝えろ、反撃だ!」
「了解しました」
旗艦テュポーンより、全艦に反撃命令が下る。
「前方物体、距離六〇〇〇に到達、映像捉えました! 出します!」
望遠された荒い画像であったが、映った映像にミランダもジョシュアも言葉を失った。
「なんだ……これは……」
そこに映し出されたのか黒い扁平な形をした物体――宇宙艦のようなものだった。
「どこの艦だ!?」
「依然呼びかけに応答はありません」
「動体接近します!」
「うっ!?」
艦橋の窓の外を、青白い光を退いた物体が急接近を仕掛けた。そして一瞬、それは人型のように見え、艦橋からは見えなくなった。
「あれはなんだ!?」
「わかりません! 動体、ヒュドラに接近!」
「ヒュドラより連絡! 攻撃を受けているとのことです! あぁっ!」
「どうした!?」
「ヒュドラの信号途絶! 艦橋が破壊された模様!」
「なにが……なにが起こっている……」
ミランダは自分の想像力の外で起こっている事態をまるで飲み込めずにいた。
演習では優秀な軍人ではあったが、想定外には対応できないでいる。
「これは……」
ジョシュアは思った。これは桃ノ瀬レポートにあった、異星人の攻撃と機動兵器なのではないかと。
「艦長、対空防御を。このままではやられます」
「わ、わかった。全艦対空防御!」
「了解」
オートの対空機銃が起動し、飛来している謎の物体に対して反撃を行う。しかし対空機銃の動きでは謎の物体を捉えることはできなかった。
「これは……戦闘機か!?」
「艦長、これは異星人です」
思わず、ジョシュアはそう言ってしまった。
「異星人だと?」
「遊覧シャトルが接触した異星人は高度な文明と科学を持っているという噂でした。それが本当だったのでしょう。レポートには人型兵器を使うとも書いてあったそうでしたし、これはそうかもしれません」
「馬鹿な。そんなことなどあってたまるか」
「しかし――」
艦を揺さぶる振動がジョシュアの言葉を遮った。
「ラドン、信号途絶! 応答ありません!」
「オピオーンより連絡、人型兵器を目視にして確認とのこと! 人型兵器は我々に対し攻撃を仕掛けてきているとのことです!」
「対空機銃はどうなっている!」
「人型兵器の機動に追いつけません!」
「そんなことがあるか! この距離だぞ!」
「前方の艦影より熱源反応来ます!」
「回避!」
ミランダに先駆け、ジョシュアがそう叫んだ。
すると艦には先ほどよりも強い光が注ぎ、振動が起こる。
「艦長、あの光は砲撃です。相手は我々の荷電砲よりも強力な火器を持っているようです」
「我が艦を上回る兵器だと?」
「事実この威力です。ここは戦うべきではありません」
「そんなことはない!」
「前方の艦影、射程に入ります!」
「全砲撃て!」
ジョシュアからの進言を退け、ミランダは反撃を命じる。
テュポーンの荷電砲が放たれ、それは一直線に謎の艦影を捉える。
「直撃!」
「やったか!?」
「直撃を確認――いや、そんなはずは……前方の艦影に変化なし。損傷ありません」
「馬鹿な!? 直撃だぞ!」
「光学での観測では着弾の直前に光りの壁が見えたとのことです」
「……レポートにある噂の通りだ……」
ジョシュアは思わずそうつぶやいた。ミランダはそれを聞き逃さなかった。
「どういうことだ副長?」
「異星人はバリアを持っているとのことです。だとしたら我々の兵器では太刀打ちできません」
「あれは異星人などではない。分離主義者だ。我々は奇襲を受けただけだ。立て直せる」
「艦長、ここは退くべきです。すでに二隻も失っております」
「そんなことができるか! 主砲、引き続き斉射しろ!」
「艦長! 退避してください!」
「できん!」
「エキドナより連絡、我、操舵不能、機関部消失とのこと!」
「なにをしている! 相手は一隻だぞ! あの艦を沈めろ! そうすれば戦闘機も撤退する!」
「主砲、依然として効果ありません!」
「エキドナ、信号途絶、艦橋の消失を確認!」
「オピオーンの爆散を確認!」
「艦長! 撤退命令を!」
「このまま……このまま艦を失ったまま戻れるか……分離主義者ごときに……!」
「あれは分離主義者ではありません! 異星人です! 本部に連絡を入れて撤退すべきです! このままでは火星軌道のステーションも襲われます!」
「そんなことがあるか! それでは分離主義者の思うつぼだぞ!」
「この戦力差は異常です! 地球の兵器ではありません!」
「人型兵器接近! 対空機銃をまったく受け付けません!」
その報告の直後、今までよりも大きな振動がテュポーンを揺らす。直後艦橋の照明が落ち、非常灯へと切り替わった。
「被害は!?」
ジョシュアは反射的にそう叫んでいた。
「機関部損傷! 航行に支障が出ています!」
「舵もやられました! 操舵不能!」
「か、艦長……」
「こんなこと……認めるわけにはいかん……!」
「本部へ連絡が必要です。異星人と接触したと伝えてください」
「そんなことを私が言えるわけが――」
ミランダの言葉を奪ったのは、突如艦橋を覗き混んできた巨大な顔だった。
それは人型兵器であり、異様な威圧感を持っていた。
「な、なんだあれは……」
「ひ、人型兵器……!」
その直後、テュポーンの艦橋は光に包まれた。
こうして、火星軌道を偵察に出ていた国連宇宙軍の五隻すべてが消息を絶つことになった。
地球が誇る最新鋭艦五隻は三〇分と持たずに全滅した。このことを本部は三時間の遅れの後に知ることになるが、異星人の報告はされず、反国連組織のテロと推測されることとなった。
そして、火星軌道上の艦艇には警戒命令が出されることとなった。
宇宙艦隊オッパリオンをいつも応援ありがとうございます。
おかげさまでオッパリオン累計8000PVを超えました。
更なる高みを目指して、引き続き精進して参りますので、どうぞ宜しくお願い致します。
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良き宇宙おっぱいライフの旅を一緒にしましょう。




