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残念なイケメンとの過ごし方  作者: M maker
残念なイケメン
12/14

先生、無人島に行くとしたらカップラーメンは外せませんよね。

『ひねくれ者』 そう僕のことさ 

                六月

――――――――――――――――――― 12th accident ――――――


「ああ、姫。なんて慈愛深く美しい姫。

 どうか目を覚ましておくれ」

そう言いながら僕は、目を閉じ腰を曲げ少しずつ顔を、近づけていく

あと5cm  3cm  1cm  

     

    そして唇が触れあい、その柔らかな唇に僕の心は


って、あれ?なんか嬉しくないな。

喜びを感じないし、満足感もない。


「どうかしら私の掌の感触は?」


この声はまさか・・・

目を開けるとそこには、リスのようにクリクリした瞳と

少しカールがかった茶髪を(なび)かせ、僕の幼馴染であるところの

吉川(よしかわ)瑠衣(るい)が立っていた。 誇らしげに


六月「バ、バカな!坂下には口止めをしておいた!

   この情報が外部に漏れる筈なんてない!」

この言葉に、半ば呆れたような表情で応える瑠衣は次いで

瑠衣「バカはあんたの方よ、私はね。あんたらと違って社交的なの、

   友達に聞いたらすぐ教えてくれたわ!

   友達が居ないことがあんたの情報漏洩に対する意識を、

   麻痺させたみたいね!」


そんな・・・親友は一人居ればそれで良いって、どこかの国の偉い人が

言ってたもん!多分!


東条「ゴ、ゴホン。吉川さん、お取込み中で申し訳ないのだけれど

   他グループのあなたが私たちの撮影を邪魔するのは、

   どうかと思うわ。」


注意しつつも何故か嬉しそうな東条

目を開き新たな敵を認識する白雪姫役の本吉さん

優等生モードに戻ったのか、周りに頭を下げまくる瑠衣


ただでさえ最後のシーンは重要だからとか、監督である東条が口を出してきて

take26なのに、一体いつになったらキス出来るんだよ僕!


                               閑話休題



昼休みの時間になり、グループは各々の派閥…じゃなかった。

仲の良い学生たちで固まり昼食を取りに行く中

僕は王子様役の白い衣装を汚す訳にもいかず、

ジャージを取る為に自分のクラスへと向かっていた。


教室から誰かの話し声が聞こえ、

その声を発しているのが本吉さんと東条、

それに何故か瑠衣も混じっているのが分かり、

後方の入り口付近で足を止めた。


瑠衣「私も今回ばかりは東条さんに、賛同する。

   だって私の六月が・・・」


僕、登記登録されてたっけ


東条「そういうことではないでしょ吉川さん?!

   本吉さんも、周りを変に煽って人無君に、

   悪戯するのは止めて下さい。」

目力の強い東条と、所有物に手を出され民事裁判にするわよ宜しくの

威圧感を出す瑠衣。

担任用の教卓に両足を投げ出し座る本吉さんは、

それでも強気な態度を崩さない。


沙良「わたしー、別に悪いことしている訳じゃないわよね?

   皆だって喜んでたし、大体六月君が一番はしゃいでいたじゃない?」

なんか口調といい、声色といい、いつもの本吉さんじゃないみたいだ。


沙良「まさか今どき、高校生にもなって初めてのキスって、

   訳でもないでしょう。ふふ、仮に初めてでもわたしがー

   貰って あ・げ・よ・う・か・な?って思って」

なんと小悪魔的な!けしからんけしからんよ!本吉さん!


2人はこの本吉さんに、慣れているのか。取り乱しもせず


瑠衣「私の六月に、手出したら許さないから。」

珍しく本気モードになった瑠衣に、何故か対面していない僕が

唾を飲む。

東条「本吉さん、あなたがそういう人だっていうのは最初から分かっていたわ。

   男子はどうか知らないけれど、そういうの同性には分かるものよ。」

え、えー!名探偵?!なんで分かるの同性同士のシンパシー!?


沙良「何なの、あなたたち揃いも揃って六月君六月君って、

   六月君なんてちょっと顔が良いだけの男じゃない。

   私が構ってあげてるだけ感謝して欲しいわ。

   ていうか、二人とも面食いだったりして、

   あーやだやだ。これだから容姿が良い女子って」


瑠衣「な、なにをー!この子、やっぱり性笑女だったのね!」

待てよ瑠衣、それを言うなら性悪女だろう。

何か良い奴っぽいじゃん性笑女、こんな感じじゃん絶対(´∀`)


東条「あなたみたいな子が、いるから人無君は」


沙良「ま、今更そんなこと話したところで、

   もうこの流れは止まらないだろうしー?

   あなたたちは、別に六月君のこと好きでも何でもない

   女子に、六月君の唇を奪われるところでも拝んでてよ。」


怒っているのか震え出す瑠衣

軽蔑の目で、敵を睨む東条


そこまで言うと、気分を良くしたのか高笑いし出す本吉さん。

なんか悪代官みたいだな。。。女の子なのに。。。




「・・・・・ト」




沙良「はぁ?なんか言った東条さん?」


東条「”カット”って、そう言ったのよ、本吉さん。」

怪訝な顔をする本吉さんと、目をパチクリさせて不思議そうな瑠衣。


ドドドドドドドドドドドドドドドドドド


足音と共に、教室の中には大勢の生徒が流れ込んできた。

っておいおい僕も行くのかい!ちょ!背中を押すなよ!


六月・沙良「「一体どうなってるんだ・の!」」


すると一部の生徒の手にビデオカメラが握られているのを、

本吉さんが目にしたのか


沙良「まさか!東条さんあなた!」

さっきまであんなに強気だった本吉さんの額には、

焦りからか汗が滲み、心なしかいつもより可愛くなくなっていく様な気が・・・

東条「そうよ。私が撮影する様に、皆に頼んでおいたの、

   昼休憩まで撮り直しを指示したのもこの為よ。」


完全に事態を把握したのか、意気消沈し項垂れている本吉さんの

瞼から何かが床に落ちる。


沙良「見ちゃ、見ちゃダメ―!」


近くに居た瑠衣が、それを手に取り不思議そうに見つめる。


瑠衣「なんだろこれ?六月、分かる?」


「アイプチシールって、ゆーんだぜ吉川さん☆」


この声はポチ!お前どこ行ってたんだ!飼い主を置いていきやがって!


坂下「東条さんは初めから全部、見抜いてたんだよ。

   旦那が弄ばれそうだったことも、こいつの本当の姿にも本性にもな。」

いきなり登場してきて名探偵ばりの、解説を始めるつもりか。

どうせあれだろ!お前は、クナンで言うとこの毛利大五郎ポジだろ!


坂下「だから俺と東条さんで着々と準備を進め、

   本吉さんの化けの皮を剥ぎ、旦那を守ってやろう。

   そういう手筈で動いてたんだ。」


六月「ん?そうすると坂下、お前は最初から全部知ってて、

   それでいて僕には何も話さず、糠喜びさせてたの?」


この質問には、坂下ではなく東条が答えた


東條「だって人無君に教えたら、絶対バレちゃうじゃない。」

こ、この女・・・人のことどっかのラノベで登場するバカな主人公みたいに・・・


唇を尖らせている僕を見て、坂下は豪快に笑う


坂下「あっはっは、腹が痛いよ旦那ぁ。でもな旦那、ここから先は

   東条の姉御にも話してないことだからよっ!

   まっ、楽しんでおくれよ旦那。」


そう言うが早いが、坂下はビデオカメラを持った生徒に

指を鳴らして合図を送る。

すると原稿班が東条の方へ、カメラは僕の方へと近づいて来た。


原稿班からの耳打ちに、動揺する東条を目の端で捉えたが

僕は僕でカメラを回されているのか変な表情で、固まるしかない。

瑠衣はこの光景に完全に、脳の処理能力が追い付かなくなったのか、

ただやり取りを眺めていた。


東条「なっ!なんで私が?!私は監督よ!

   それにストーリーが無茶苦茶じゃない?!」

かなり揉めてる様子だ。

もはや、ここの監督であるかのような存在になってしまった坂下が、

僕にも東条の様に耳打ちをする。


坂下「抗議をしているにはしているけどよ、旦那のことは

   一言もその抗議の内容には含まれてないって

   羨ましいぜぇ~旦那。

   あ、そうだ。ひとつ言い忘れてた最後に

   『これが現代の白雪姫』っていうの忘れないようになー」

六月「どういうことだよ?最後って何の最後だよ?」


意味深な発言を言い終わると、

ニヤニヤしてその場を離れる坂下。




すると教室には、唐突に静寂が訪れた。




「ねえ、目を覚まして、あなたが見ていたのは偽りのお姫様。

 私はずっとあなたを見ていたわ

 ひねくれ者の王子様。」



六月「何言ってるの東じょ」

最後まで名前を言う前に、塞がれた唇

鼻腔をくすぐる花の様な可憐な香り

目の前には長い睫毛と恥ずかしそうに震える瞼

状況を把握出来ずに、停止するパルス


何秒経ったのか、、唇が離れ

頬を紅く染め、瞬きをしつつ僕を見る東条に、

僕も彼女に見入っていた。


視界の片隅で何かが激しく動く


ああ、坂下かどうしたんだよカメラなんか指で指して


だ・ん・な・せ!り!ふ!


そうだそうだ。

自分の口が言葉を発しているかは、

分からないが、一応口に出そうと努力する。



「これが  現代の  白雪 姫」



坂下「カアアアアアット!どうだい楽しんで貰えたかい旦那ぁ?」


六月「こ、こ、こ」

言うんだ!六月!頑張れ六月!

坂下「こ?」





六月「こんな物語、あってたまるかああああああああああ!」



叫ぶ僕の隣で、瑠衣が泣きながら何か言っているが

恐らくロクなことではないので、耳をブロックする。

進展した様で、前に進んでいないそんな青春がまた1ページ終わる。



                          次回「坂下の恋」










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