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竜使いのラーシャ  作者: 紅月
別れと失意と救済の女神
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自業自得の結果

 が、剣は鉄柱に当たり火花を散らす。

 手に痛みが走るが、リライの顔は燦然と輝いていた。

 上を向いて、鉄柱の上にいるクレアに視線を向ける。


「やるじゃないか!」

「うるさいっ!」


 クレアは鉄柱から飛び降りるとリライに向かって刀身を出現させ刀身の雨を降らす。

 だが、刀身は全てリライを貫く前に空中で止まる。


「行け」


 その一言で今度はクレアに向かって刀身は飛んで行く。


「…っ!!!」


 クレアは咄嗟に鉄板を作り出し、刀身ごとリライを押し潰そうとするが、鉄板は落下を止めた。


「なんなの!?」

「お前の攻撃は俺には効かない」


 リライは鉄板ごとクレアを吹っ飛ばす。

 鉄板を消したクレアは宙で体勢を立て直すと鉄板を再び作り出し、それを足場にして地面に降りる。


「あんたの能力って、人の能力を奪う系なわけ?それだったら、最悪なんだけど」

「奪ってるわけじゃない」


 リライは剣を構えた。


「俺についてこられたら教えてやろうか」


 そう言って地面を強く蹴り上げ、再びクレアとの間合いを詰める。


 今まで通り、宙に刀身や針を出したところで意味はない。


 一瞬で、そう判断したクレアは咄嗟に大剣を出すと、リライの剣を受け止めた。


「くっ…!」

「いい判断だ。他国の弱点は、能力が使えるが故の能力頼みで自分の身体能力を伸ばさないところだな」


 そう言って、リライは剣で大剣を弾くとそのままの勢いでクレアの腹に蹴りを入れて、後ろに吹っ飛ばす。


「げほっ…げほっ…!」


 痛みに顔を歪ませ、むせ返るクレアの肩を踏み付け、リライはその顔の横に剣を突き刺す。


「っ!」


 剣は頰を掠め、その後からつうっと血が流れ落ちる。


「お前の負けだ。…さて、俺の能力だったか」


 そう言ってリライは、クレアの動きに細心の注意を払う。


「ついてこれなかったのにネタバラシしてくれるの?随分優しいじゃん、おじさん」


 クレアもまた、挑発するようにそう言って、隙を伺うが内心舌打ちをする。

 リライから全く隙を見つけることが出来ない。


「俺の相棒、ジキルは黒竜でな。お前と同じ鉄を操る能力が使える。…もちろん、お前よりも精巧な武器を瞬時に生み出せる」


 その言葉にクレアは眉間に皺を寄せる。


「馬鹿にしてる?」

「いや、事実だ。…だがな、ジキルは戦闘を全く好まない竜だった」


 再び、ズキンっと胸に痛みが走る。

 なら、言わなきゃいいのにそれでも、語るのをやめられない。

 セルジュにだってまだ知らない秘密を。


 この能力を使ったからだろうか?


「俺はジキルが戦うのが好きじゃないと知りながら、それでも騎士になりたかった。だから、鉄を操る能力を世界樹から賜った。…ジキルが作り出した武器を俺が操り、攻撃するために」


 その言葉にクレアは合点がいく。


「ふーん。私の能力を奪えたってわけね。…で、自分の身勝手な理由で無理矢理戦わせて死なせたってわけね」


 クレアの言葉に胸が抉られる。

 だが、全くもってその通りだった。


 アルティとの戦闘中に妻が死んだと聞かされ、冷静さを失い能力が使えなくなり、そのままジキルは殺されてしまった。

 全部、自分が招いた自業自得の結果。


 リライは深く息を吸う。


「ああ…そうだ」


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