少年漫画ヲタはラノベ女子キャラの強さがわからない。④
「え、え~っと、あなたが魔王軍幹部のタナカなの?」
最初にツッコんだのは暗城さんだ。
「はい、お姉様!」
「で、君は何で魔王軍がやられて喜んでいるの?」
そして俺がツッコんだ。
「だ、だってこいつらがずっとついて来るから私、異世界の住人になってしまったんですよ!そもそも他の店員さんたちが悪いんです!彼らが魔王軍に入っちゃったから私が異世界に入ることになって一人じゃ無理だから魔王軍にスパイとして入ったけどいつの間にか幹部になっちゃって側近の化け物がいつも私のために先導してドアを開けるから元の世界にも戻れなくて!」タナカが泣き崩れた。
「そ、それは大変でしたね。でも女神様は完全にタナカさんが闇落ちしたと思ってますよ。」
「何ヶ月も戻らないとそう思われるでしょうね。」
「でも女神様は異世界のこと見えてるっぽいぞ。見えてるなら闇落ちしてないってわかるだろう。もしかして俺たちを騙そうとしてる?」女神様はタナカが魔王軍を引き連れていることを知っていた。だから俺は女神様が異世界全体を監視できると思っている。その女神様はタナカのことを何も言わなかった。
「だ、騙してないよ!女神様が見れる場所には限りがあるんだ!」
その限りについて問いただそうとした遠くが少し騒がしくなってきた。
「何でしょう?騒がしいですね。」
「ああ。きっと村の住人たちが出てきたんだ。村の住人たちは前もって避難できるように襲撃の情報を漏らしたのは私だからね。」情報を流しているのさえ女神様に見られなかったのか。女神様が見れる場所の限りについてはわからないけどこの人がなんか不憫なのはわかった。
「そろそろ村の住人たちがこっちに来るだろうね。私は指名手配されてるから元の世界に戻らせてもらうよ。」
そう言ってタナカは瓦礫の方に向かっていく。向かっていった先の瓦礫は奇跡的にドアだけが無傷で残っていた。いや改めて周りを見るとどの瓦礫の山もドアだけは無傷で残っている。もしかしたらこの人はいつでも自分が脱出できるように部下たちにドアを傷つけないように命じていたのかもしれない。そういえば瓦礫をいじっていたら魔王軍に怒られたって最初言ってたな。もしかして隙を見て逃げようとしたのか。だとしたら失敗してホントに不憫だこの人。
「じゃあ精々ちやほやされてくれヒーロー。」
そう言ってタナカはドアの先へ行った。
「あ、あなた方が魔王軍を倒してくれたのですか……。」
村の住人が近づいて来た。
「村の方々、安心してください。魔王軍の一派は討伐しました。」
暗城さんが村の人達を安心させるように言った。たくさんの村人が近づいてきて握手をせがんでくる。
「こ、こいつ、指名手配されてる奴だ!」
男の村の住人がモウを指さして言っている。
「だったら賞金はこの村の修繕費に使ってくれ、いいよな?暗城さん!」
「もちろんです。」
それから俺たちはネクストにあるギルド集会所までモウや暗城さんが仕留めた雑兵達を届けた。モウと雑兵達が鎖や手錠でガッチガチに止められたのを確認してから俺たちは村の中心に戻った。
「そろそろ帰りますか!」
もう空は真っ暗だ。今日は色々あった。正直疲れた。
「そうだな!」
俺達は瓦礫の中にある無傷のドアを開け、その先へと進んだ。
アニメイゾ 倉庫
「お疲れ!よくやってくれた!」
女神様が出迎えてくれた。一つ気になることがある。
「女神様、タナカは」
「帰らせたよ。君たちが来るまで待つと言っていたがそれより先に家に帰って落ち着いてもらうべきだと思ったんでな。」
「さあ、もう外は真っ暗だ。君たちも帰る時間だ。ルールや私の見れる範囲についての話はまた今度だ。」
倉庫から店内に行くともう店の明かりは消えていた。女神様に預かってもらっていたスマホを見ると22時17分と表示されている。そして俺たちは店の外に出た。
「じゃあ改めてこれからもよろしく頼むよ君たち。」
女神様は握手のため右手を差し出してきた。
「こちらこそお願いします。」
最初は暗城さんが答え握手した。
「俺もよろしくお願いします。」
俺も女神様と握手をすると女神様がとんでもないことを口にした。
「そうだ少年!君にはもう一つ重要なルールがあるんだった!君には彩月を送ってもらう。」
「「え」」
この女神様は何というか異世界行きのドアについてもルールについてもいつも言葉足らずな気がする。
それから15分程経ち俺たちは月曜日に別れた場所まで来ていた。
「律儀に女神様の言ったこと守らなくていいんですよ。」
暗城さんが申し訳なさそうに言った。
「女神様に逆らったら猛スピードで走ってきてビーム撃ってきそうだからやめておくよ。」
暗城さんが笑ってくれた。
「じゃあ今日もここで大丈夫です。」
「うん。じゃあ明日学校で!」
金曜日 学校
「よう太陽!」
浅野がうるさい。そんな浅野のことは気にせず俺は窓の方へ行った。
「暗城さん、これ面白かった!2巻もよろしく!」
俺は暗城さんの方へ行き『あのワン』の1巻を暗城さんの机の上に置いた。カバンをあさっていた暗城さんはこっちを向いた。
「じゃあ私もお願いします。」
『ドラゴンボーシ』の1巻を俺に渡してきた。
「隈ができてますよ。」
暗城さんがまた笑ってくれた。




