6−3 1ヶ月の修行
2人は地下から上がり、ギルドの目の前の森にきている。
「久々の太陽はいいだろう? どうだ!二週間ぶりの日差しは!」
そう、俺とエレボスは1ヶ月の修行のうちの二週間を地下で過ごしていた。
摩訶不思議なことに仙化のトレーニング中は一切空腹は感じなかった。
が、二週間経ったと聞き、死ぬかと思うくらいの空腹がやっってきていた。
「天候よし、食事もよし、良く無いことは俺の財布だけ!さぁ。やろうか。」
なんか申し訳ないことをしたなと思いつつ剣を鞘から抜く。
「今回のやりたかったことはあらかた終了した。あとは環境エネルギーを実体化させて打つ妖術のコツさえ掴めればバッチリだ。だからここの森で魔物でも狩りながら練習するぞ。」
俺は仙化状態をキープしながら森の中を走り抜けていた。
グガァァァァ
「さっき教えた通りに撃ってみろ。上で見守っててやる。」
俺は左手を右肩の上まで引き上げながら音のなる方から地面を滑りながら距離を取る。
ちょうどここは森の中央付近。
なぜかここは直径10メートル木が禿げ、小さい池がポツンとある。
エレボスは飛行スキルを使って空を飛んでいる。
ガァァァァ
森の木々を薙ぎ倒しながら現れたのはBランクの魔物カオスベアー。
前に苦戦したトップオークがCランク。
「妖術が発動するか怪しいってのにお前は同格か格上相手を連れてくるとはな。」
俺はエレボスの言葉を無視し、左手に集中する。
手のひらに環境エネルギーを集める。やり方は魔力を集めるのと同じかそれより簡単だ。
「ここ!」
俺は小指を折り曲げた状態で一歩分前に飛び、左手を勢いよく振り下ろす。
「「太陽の光。」」
勢い良く振り下ろされた左手に呼応するかの如く空から一本の光線がカオスベアーに突き刺さる。
が。
「甘い。」
エレボスがボソリと言うとカオスベアーは顔をブンブンと横に振りながら立ち上がった。
「やり方的には間違ってないがもっと引きつけて打ってよかったと思うぞ。」
俺はエレボスの言葉を聞きながら引き抜いた剣を持ってカオスベアーに突っ込んで行った。
カオスベアーは勢いよく前足を地面に叩きつけ、グニャリと曲がった地面からランス状の大きい岩で攻撃してきた。
俺はすかさず刀身を赤紫色に変わるように構えながら岩に突っ込む。
「「空断。」」
足を止めずに「「空断。」」を発動したため、今回はクリティカルが発動しなかったが一時的に空間を分断しているお陰で空間が戻る前にその場を走り抜ける事に成功した。
そのままの勢いでカオスベアーの股の下をくぐり抜け、剣を頭の上に運びながら大きく飛んだ。
うっすらと白く光りながらカオスベアーの頭に勢いよく叩き込んだ。
「「スマッシュ。」」
勢いよく叩き込んだ「「スマッシュ。」」はカキンと情けない音を出しながら弾かれた。
すぐに叩き込んだ位置を見てみるとカオスベアーの皮膚が鋼のような見た目をしていた。
「ユウキ!カオスベアーは物理攻撃を無効化できる!そもそも物理には強いから連撃技でもダメージにならないぞ!」
「もっと早く言ってくれ!」
俺はエレボスに少しキレながらカオスベアーの背中を踏み台にし、大きく距離を取った。
「コイツならどうよ!」
俺は手に風魔法を集約させもう一度突っ込んだ。
螺●丸もどきの形をした魔法をカオスベアーに向けて投げた。
「「エアリアル・バレット」」
この魔法は広く距離を使う魔法であり、複雑だが、「「ウインド。」」さえ使えれば使用できるので難易度は総合的に中級魔法に該当するようだ。
手から離れてから10mの間にどんどん小さくなって行き、
小さくなりきってから10mの間にどんどん周りの魔力を吸い上げ、素の大きさに戻る。
素の大きさに戻ってから10mの間に小さくなった分と新たに集まった魔力が干渉し、手から離れた大きさの約3倍にまで膨れ上がる。
3倍にも膨れ上がった「「エアリアル・バレット。」」がカオスベアーの左足を撃ち抜いた。
俺はそのまま仙化し、人差し指と中指をカオスベアーに向け、手を反転させ手の甲が地面と顔合わせ、指先が示している位置に環境エネルギーを集める。
折り曲げていた親指をガッと開ききったタイミングで人差し指と中指を折り曲げ、天に向けた。
「「火炎。」」
「「太陽の光。」」と同じ妖術だが「「火炎。」」は炎を媒体に作られた妖術であり、魔術要素も備わっている。
エレボス曰く一長一短でできる代物ではないそうだ。
そう聞くと実践で試したくなると言うのが男というものだ。
地面から大きく伸びた「「火炎。」」はカオスベアーの左足に直撃した。が、まだ決定打には威力が足りなかった。
俺はギリギリ仙化を維持しつつ無理矢理左手を持ち上げ、闇雲に振り下ろした。
少しのタイムラグの後、大きな光がカオスベアーを包み込み、消失した。
「はぁ、はぁ、何とか、倒せた。」
俺はその場に勢いよく尻餅を付いた。
Bランクに指定されているカオスベアーをソロ討伐するのはかなり危険な行為でもある。
そもそもBランクモンスターをソロ討伐すること自体危険だが、さらにBランクの中でも上位モンスターに指定されているカオスベアーは一つの偉業として称えられても良いほどだ。
「凄いな…あんな無理くり環境エネルギーを集めただけってもんなのにあの威力。」
「感覚は「「太陽の光。」」とは全く違ったかな。無我夢中すぎてどうやったか分からないし表現出来ねぇや。」
俺はそう言いながら立とうとしたが腕に力が入らなかった。
「無理すんな。あんな無理くり環境エネルギーを吸い込んだんだ。魔力と変な風に結合して体がうまく動かせなくなってるんだ。」
「そういうデメリットは戦闘前に教えといてくれよ。」
俺はそう言いながら寝転んだ。
それにしても最近実におかしい。
なんで俺こんな頑張ってるんだろうって。
俺は自堕落な、だらけた生活がしたいのに何でこんなにしっかり修行してんだろ。
俺はそう考えているうちに眠ってしまっていた。
ステータス
浮島 優樹 Lv.1
能力 ??
技能 無し
剣技 肩並行斬→肩斬
ビクトリースラッシュ
スレイヤー
空断
スマッシュ
ダブルエッジスパイク
魔法 【初級】
ファイヤー
ウォーター
アース
【中級】
ゲイル
ライジング
コリエンテ
クエイク
【準中級】
フリーズ
龍化 ドラゴンブラスト
ドラゴンブレイカー
仙化 太陽の光
火炎
?????




