6ー1 1ヶ月の修行
チュンチュンチュンチュン
(ん?あ、もう昼じゃないか。リビングに行くか。)
俺は寝ぼけたまま階段を降りて行った。
しかし2回ほど段差を踏み外して怖い思いをした。
もう俺はしっかり起きてから階段を降りることを心に決めた。
しかしおかしい。
この家に2人も増えたのに静かだ。
昨日ハイキャンプが終わってからそのまま打ち上げになって全員ダウンしてるのか?
しかしリビングに入ったが誰も居なかった。
俺はキッチンでお湯を沸かした。
こっちの世界にはコーヒーが無い。
朝のコーヒーが一番好きだというのに。
いや、もう昼か。
俺はコーヒーの代わりにしてるヒヒズマメを中挽きし、フィルターとドリップケトルを用意しヒヒズマメドリンクを作る。
ヒヒズマメはあまり人気では無いんだが一番コーヒーに似ている。
ちなみにフィルターとドリップケトルは武器屋のおっさんにお願いして作って貰った。どうやら制作系のスキルがあるだとか…。もしかしたら日本にある便利な道具をこっちでも使えるようになったらだいぶ生活が楽になるのでは無いだろうか。
コンコン
来客か。仕方ない。
俺はカップを机に置き、玄関を開ける。何だかデジャブな気もするが気にしないことにしておこう。うん、それがいい。
そこに立っていたのはエレボスだった。
(あれ?こいつに家教えたっけ?)
「お、起きてるな。ほれ。今日から1ヶ月みんなそれぞれの課題を渡したからやるぞ。本来はハイキャンプ中に一緒にやるはずだったんだがな。」
そういってエレボスは一枚の紙を渡してきた。
———仙化、妖術の特訓。———
他のメンバーも下に書いてあったので視線を落とす。
ヒカリ。
———剣術、魔法の強化。———
インドラ。
———高速詠唱または無詠唱の訓練。———
アルデバ。
———異名能力の使用幅の強化。———
エリカ。
———カポエラの村で訓練。———
なるほど。わからん。
「ほれ、さっさと着替えろ。お前が一番大変なのに一番遅くまで寝てるんだからな。」
あのインドラとヒカリが俺より早く起きただと?
なんかヘコむなー。
「でも今お楽しみタイムだからもうちょっと待ってくれ。」
エレボスには悪いが外で待って貰い、俺は急いでぬるくなったヒヒズマメドリンクを飲み干し、着替えて外を出た。
「んで?仙化ってなんだ?妖術って魔法となにが違うんだ?」
エレボスは待て待て。と言い一回深呼吸をし、口を開いた。
「昨日のトップオークと戦った時にちょこっと見せたが「「太陽の光雨。」」あれが妖術の一種だ。まず仙化について軽く教えるが仙化はこの空気とかに含まれる環境エネルギーを体に取り込むことで自然と一体化し相手の行動を事前に分かったり武器に混ぜて火力を上げたりできるんだ。」
なるほど。環境エネルギーっていう不思議な力を取り込むとめっちゃ強くなるってことか。
((お前それ、エレボスの説明何も意味ねぇじゃんか。))
「そして仙化して取り込んだ環境エネルギーを魔力と混ぜて打ち込むことができる妖術は単に技のレパートリーを増やすってことだ。」
「にしても全員バラバラにする必要はなかったんじゃ?」
エレボスは指をピンと立てた。
「まずヒカリは剣術士で火力が欲しいのにあまり火力が出ない。大剣だから誤魔化せてはいるがそのままでは良く無いのでな。アルデバは昨日面白いことを聞いたからそれの強化。インドラはサポートタイプだからこそ高速詠唱を身につけてもらって安全度を上げる。残念だがエリカに関してはどうしたらいいか分からなかったから自主練ってことにした。」
おいおい、優秀冒険者のエレボスさんがそんなこと言うなんてらしく無いですな。
「よし、着いたぞ。」
俺は気がついたらギルドの前に立っていた。
「なぁ、仙化の修行なんだよな?」
「あぁ。そうだが?」
またハイキャンプでもすんのか?
「クエスト受けながらやんの?」
「いや?」
…じゃあなんで?
「お前ってほんとなんも知らないのな。ギルドってのはクエストの提供や換金。酒場としても活躍する冒険者になくてはならない存在なのは知ってるだろ?ただギルドの地下には何があると思う?」
まさか表立って売れないものとかか?
「なんか違うこと考えてそうだから言うけど地下には冒険者の特訓用に幾つかのスペースがあるんだ。そこの一部屋を借りる。勿論誰でも無料だ。」
「そんなこともできるんだな。」
俺はそういうといつも通り重たいドアを開け、いつもの光景が目に入ってくる。
(あのおっさん、また換金率が低いってお兄さんに怒鳴ってるよ。)
「ランちゃんランちゃん。地下を一部屋いいかい?」
「あら、エレボスさん。勿論空き部屋だらけなので大丈夫ですよ。」
今エレボスと話しているランさんはこのギルド職員の中で一番偉い。そして可愛い。
まぁ一番可愛いと男冒険者の噂話になってるユイちゃんはいつも通り受付にいる。
「じゃあここの部屋どうぞ。」
俺とエレボスはランさんに案内されだいぶ地下深くの空間を借りた。
「「ファイヤー。」」
「あーダメダメ。今回は暗いまんまやるんだから。」
「何も見えないじゃん。いいの?」
エレボスはいいのいいの。と言いながら部屋の真ん中あたりまで歩いてしまった。
「ユウキ。今いるところに座れ。」
俺は恐らくへっぴり腰になりながらその場に座った。
「いいか?環境エネルギーを体に取り込むのは簡単じゃない。そして時間がかかる。あとこれにコツなんかは無い。できるだけ長い時間体の近くを漂っている環境エネルギーを感じろ。」
特訓かー。ゼウスのところでやった以来だなー。
つーかゼウス元気かな?
「おい、ボケッとすんな。この部屋は空気、床から環境エネルギーは出てる。その流れを感じて取り込め。」
ふむふむ…。ん?エレボスこの真っ暗なのに良く分かったな。
「環境エネルギーを取り込めばこんな暗闇だろうと関係ない。ほら、そしたら始めろ。」
ステータス
浮島 優樹 Lv.1
能力 ??
技能 無し
剣技 肩並行斬→肩斬
ビクトリースラッシュ
スレイヤー
空断
スマッシュ
ダブルエッジスパイク
魔法 【初級】
ファイヤー
ウォーター
アース
【中級】
ゲイル
ライジング
コリエンテ
クエイク
【準中級】
フリーズ
龍化 ドラゴンブラスト
ドラゴンブレイカー




