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元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
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アンカの町の冒険者ギルド

 そのまま少し待っていると、カウンターの裏にある扉から、さっきのギルド職員と一緒におじさんが出てきた。


「少し話をさせてもらっていいか」


「別に構わないけど、なんだい?」


「俺はここ、アンカの町で冒険者ギルドをまとめている、アーノルドって者だ。あんた達にお願いがある」


「なんだい、町の防衛に協力しろって言うのかい?」


「そうだ。この町の為に協力してくれ」


「あたし達は依頼を受けていて、この町を通りかかっただけっていうのはわかっているのかい?」


「ああ、さっき彼女に聞いた。ついでに補給が必要だってこともな」


 そういうとアーノルドはニヤリと笑った。

 それを見て、グリュエールもニヤリと笑ってる!

 二人でニヤニヤしてて、怖いんだけど……


「オーク退治が終わったときに余っている物資を優先的に融通することは出来るぞ」


「なるほど。じゃあさっさとオークを撃退できれば、物資を分けてもらえると」


「そうだな。協力してもらえるか?」


「補給する為にはしょうがないね。マリー、モーティマ! 二人もいいかい?」


 話の展開に付いていけてなくて呆然としていた二人が、名前を呼ばれてやっと気付いた!


「オークと戦うってことですよね! やります!」


「おう。俺も手伝うぜ」


「ってことだから、あたし達も手伝うよ」


「助かる。今は少しでも戦力が欲しかったんだ」


 それから状況を説明してもらった。

 森からオークの大群が迫ってきている。

 カウンターにいたギルド職員にも聞いたけど、斥候を放ってはいるが、森の中のせいでオークの正確な数がわからない。おそらく数百はいるだろうし、上位種もいるはず。

 対して、アンカの町では近隣の村や町に救援を頼んではいるけど、それでもなんとか冒険者が百人程集まってきているだけ。

 王都から遠いこの町では、王都に救援を頼んでも騎士が来るよりオークが来る方が断然早い。

 冒険者もこの町を拠点にしている人はほとんど討伐に参加してくれることになってるけど、まだ冒険者になったばかりの初心者までいるみたい。

 だから百人いたって、一対一でオークと戦える人は全体の六割くらいじゃないかと。


 うん。話を聞くと、かなりピンチみたいだね。


「今日は休んでもらっていい。明日から手伝ってもらえるか?」


「まだオークは来ないのかい?」


「まだ数日は猶予があるはずだ。今は東の森とこの町の間に柵や堀を作っている。少しでもオークの足を止めようってな。

 そっちのモーティマだったか? そこでの手伝いを頼みたい」


「ああ、いいぞ」


「他の二人は……」


「あたし達も一緒に行くよ。魔法も使えるし、役に立つことがあるかもしれないしね」


「いや、グリュエールとは作戦を話し合いたい。だから冒険者ギルドに来てもらってもいいか?」


「そうかい。じゃあこの子は?」


 グリュエールがマリーを指して尋ねる。

 あと、僕も! 僕は作戦会議に参加かな。それとも堀とか作るのかな。どっちに行くんだろ?


「その子はマリーだったか? マリーは力仕事と頭脳労働、どっちが得意なんだ?」


「どちらかといえば頭を使う方が得意です」


「そうか。じゃあグリュエールと一緒に来てくれ。明日ここで話し合おう」


 それで今日は解散になった。

 冒険者ギルドで教えてもらった宿屋へ向かう。


 グリュエールとマリーが冒険者ギルドへ行くなら、僕も作戦会議に参加するのかな?

 他の人がいると話すことも出来ないから、何もすることないんだけどね。


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