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元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
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アンカの町

 アンカの町にある冒険者ギルド前に行くと、そこには人だかりが出来てた。


「ご協力頂ける方はこちらへ! こちらにご記名をお願いします!」


 冒険者っぽい格好をした人達がいっぱいいる!

 ギルド職員の人も忙しそう……

 なにが起きてるのか教えてくれる人いるのかなあ。


「忙しそうですね……」


「そうだね。中に入ってみようか」


 グリュエールの提案で冒険者ギルド内へ入ることに。

 ギルド前に集まってる人達は皆、なにがあったのか知ってそうだけど、聞けるような状況じゃないもんね。


 冒険者ギルド内に入ると、そこでもギルド職員達は忙しそうに走り回ってる。


「どっかに手の空いてそうな人でもいないかい?」


「うーん……皆忙しそうですね」


「おい、あそこのカウンターの職員なんてどうだ?」


 皆が走り回ってるせいで気付けなかったけど、一か所だけカウンターにちゃんとギルド職員の人が座ってた。

 モーティマは背が高いから見つけやすかったんだね。


「え? どこどこ? あ、本当だ。よし、あの人に聞こう!」


 三人でカウンターへ向かう。


「なにがあったのか教えてもらってもいいかい?」


「はい! 先にギルド証を提示して頂いてよろしいですか?」


「はーい」


 三人ともここでもギルド証を出す。


「えっ! ミスリルランク……」


 カウンターにいたギルド職員がグリュエールのギルド証を見てそう呟いた。

 グリュエールはミスリルランク。冒険者ギルドで上から二番目のランク。ミスリルランクより上にはオリハルコンランクがあるだけで、世界にも数人しか存在していないらしい。

 しかもオリハルコンランクになるには、町を救うとかドラゴンを倒すとか、そんな実績がないとなれないみたい。

 だから実質、ミスリルランクが一番上のランクって思われていることも多い。

 だって、偶然モンスターに襲われそうな町の近くにいて、そこへ駆けつけてモンスターを退治するなんて、そうそうあるわけないもんね。

 ドラゴンだってどこにいるのかわからないし。


「ミスリルランクだって!?」


 ギルド職員の呟きが聞こえてたのか、近くを通りかかった冒険者が大声をあげる。


「マジか!」


「ミスリルランクまで来たのか!」


「これで安心だな」


 そんな声があちこちから聞こえてくるけど……

 僕達は何が起きてるのかわかってないんだよ?

 それに早くテッド村まで行きたいのに……


「あ……すみません! 冒険者ランクを大声で叫ぶなんて……」


「それはまあ、いいよ。見ればわかることだし。それより何があったのか教えてもらってもいいかい?」


「はい! 本当にすみませんでした……それで、今この町は……」


 ギルド職員の話では、このアンカの町にモンスターの大群が迫ってきているらしい。

 相手はオーク。

 オークならダンジョンでも見たし、簡単に倒せるんじゃないかなって思ったんだけど……

 正確な数は把握できていないけど、数百匹を超えているかもしれないと。

 それだけの大きな群れだと、オークキング等のオークの上位種もいると思われる。

 という話だった。

 それで近隣の村や町にも冒険者ギルドを通して人を集めていたみたい。


「町の店は全部閉まっているみたいだったし、オークの群れは近いのかい?」


「はい……あと数日で東の森から出てくるのではないかと言われています」


「こっちから攻めることはしないのかい?」


「森の中では木が邪魔で、バラバラに動くことになってしまいます。冒険者はパーティを組むことはあっても、騎士のように隊列を組んで戦うことがないので、統制がとれなくなってしまうと……」


「まあそうだね。なるほど……オーク達がいなくなるまではお店も開かないってことかい?」


「そうです。ほとんどの物資を冒険者ギルドで集めていますので、オークがいなくなった後も暫くの間はお店が開くことはないかもしれません」


「そうかい……あたし達はある依頼を受けて、テッド村へ向かっていたんだけど、ここで補給をしようと立ち寄ったんだよね。すぐにこの町を出るつもりなんだけど、物資をわけてもらうことは出来るかい?」


「えっ!? 一緒に戦わないんですか!?」


 グリュエールとギルド職員の話を聞いていたマリーが声をあげた。

 僕も一緒に戦うんだと思ってたけど……


「あたし達は依頼を受けていて、ここはその通り道だっただけなんだよ。ここで時間をくって、依頼が達成できなかったらどうするんだい?」


「それは……」


「あたし達はあたし達が受けた依頼を達成するために動く。緊急クエストだとかなら別だけど、受けてもいないクエストの為に時間を使うことは出来ないよ。ね、職員さん?」


「っ……その通りです……ただ、こちらも余裕があるわけではないので、あまり多くはお譲り出来ません……」


「まあそうなるよね。どうしようか。ここで補給しておかないとこの先まずいと思うんだけど」


「あっ!! 少々お待ち頂いてもいいですか! 相談してきます!」


 グリュエールの返事も聞かずに、ギルド職員の人は立ちあがって裏にある扉へ駆け出していった。

 相談?

 誰と何を相談してくるんだろ?


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