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元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
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旅路

 昨日の夜は楽しかった!

 一晩中だれかがいて、ずっとお話していられた。

 モンスターに襲われることもなかったし、夜だったからか、他の人が近くを通ることもなかった。

 モーティマとも仲良くなれたしね!

 モーティマと二人だけになるのは初めてだったから、ちょっと心配だったんだけど、色々話すことが出来て良かったよ!

モーティマはマリーとグリュエールのことを知りたかったみたいで、二人のことを質問されたりもしたんだけど……僕も二人のこと知らないんだよね。だから全然答えられなかった。

 これから皆と仲良くなろうって二人で話していたら、気付けば夜が明けてきてたんだ。


 よーし、今日も頑張るぞ!


「準備はいいね? 出発するよ」


「はーい」


「おう」


 馬車での旅を再開する。

 途中にある村や町に寄ったときには、おいしそうな食べ物をみつけては、僕の“アイテムボックス”の中に仕舞っていく。

 タイミング良く、村や町に着いたときには宿屋で泊まったりもしたけど、そうじゃないときは野営をしてた。

 野営で一番嫌なのはご飯なんだって。日持ちさせる為にはカチカチに固めたパンと、塩がたっぷりの干し肉くらいしかないから、美味しい物が食べられない。

 それが僕の“アイテムボックス”で解消されたから、皆野営も苦にならなくなったみたい。

 宿屋に泊らないで節約できた分を食料に回して、美味しい物を食べながら野営する。

 野営だと、夜はだれかが起きてるから、僕も楽しい!

 うん、“アイテムボックス”が使えてよかった!


 王都を出てから何日も旅を続けて、アンカって名前の町に着いた。


「今日はここで泊まるよ」


 まだ陽が高いところにあるのに、今日はここまでなの?

 いつもならもっと進むのに。


「あれ? 今日はここまでなんですか?」


「そうだな。いつもなら陽が暮れるまで進むだろ」


 マリーとモーティマも僕と同じことを思ったみたい。


「アンカの町を出ると、その先に村や町は一気に減るんだよ。それにモンスターも結構出てくるようになる」


 王都からもかなり離れたもんね。あまり人もいないのかな。

 でもあの町……


「なあ、あの町……かなり警備が厳重じゃないか?」


「この先にモンスターが多いからね。町の守りは堅くないと困るんじゃないかい? それにしても前来たときより厳重になってるように見えるけど」


「そうなのか?」


「あそこまで見張りはいなかったはずだよ。何かあったのかのかもね」


 町の周りは塀で囲まれている。

 巡回している兵士みたいな人もいるし、すごく警戒している。


「とりあえず、陽が暮れるまでに色々買い物をして、明日の朝早くに出発しよう」


「わかりました」


「食料を大量に買っておかないとな!」


 そんな話をしながら町の入り口へ向かって行く。

 入り口には警備の人が二人立っていた。


「止まってくれ」


「はいよ」


「身分証があれば出してもらってもいいか?」


「もちろん。マリー、モーティマ。ギルド証を出して……はい、三人分ね」


「冒険者三人か。協力感謝する。冒険者ギルドへ向かってくれ」


「え? 何故、冒険者ギルドへ?」


「ん? この町のことを聞いてきたんじゃないのか?」


「何かあったのかい?」


「知らないのか……それならやはり一度、冒険者ギルドへ向かってもらってもいいか? そこで説明してもらえるはずだ」


「明日には出発する予定だったんだけど……まあいいか、話を聞くくらいなら。情報は大事だしね! わかったよ」


 なんだろ。なんか起きてるみたいだけど……

 町には入れたけど、なんか閑散としてる?


「店、開いてないぞ?」


 モーティマの言う通り、店のような建物は並んでいるのにどこも閉まったまま。

 まだ昼間なのに、もう閉めてるっておかしいよね。


「これは冒険者ギルドへ行って話を聞くしかないね。補給も出来ないんじゃこの先危ないよ」


 買い物できる場所がなきゃ、何も買えないもんね。

 大したことじゃなければいいけど……


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