↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
46/210

Side リン②

グロ注意。苦手な方は

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

で場面転換を表していますので、三つ目まで。それ以降は読まないように注意してください。

読まなくてもストーリーには影響ありません。

 ボクは今、実技試験で使われるダンジョンの四階層に来てる。

 ホントあの獣人ってバカみたい! 笑えてくるよ!

 なんであんな奴が昇格試験なんて受けられるんだろ。冒険者ギルドもバカばっかなんだね。


 あいつに渡した薬には、ボクのスキル『ポイント』を付けてある。

 だから、後は……


「『サーチ』!」


 ほら、あいつのいる場所がすぐにわかる!

 このスキルはホント最高!


 あ、もう三階層まで来てるんだ。そろそろ準備しなきゃ。


 ここでキラーアントを集めて、あいつにぶつける!

 大量のキラーアントがいれば、どんなに強い奴でも一回くらい噛まれるでしょ。

 それであの薬を飲めんで……

 痺れて動けなくなった所にキラーアントに集られれば……

 もう考えるだけで楽しくなっちゃう!


 よーし、頑張って集めるぞー!



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 くそっ……ミスった。

 キラーアントに集られてるあいつを見ようとしたせいで、後ろから来たキラーアントに気付かなかった……

 足にケガしちゃったじゃん!

 これも全部あの獣人のせいだ!


 回復薬も使いきっちゃったのに……

 足……

 血が……


 追ってきたキラーアントはなんとか『潜伏』のスキルでやりきったけど……

 ヤバい。このままじゃ帰れない……


 どうしよう……とりあえず階段……

 階段までは……




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 ホントなんなの、あの獣人!

 ケガ人をほっといてどんどん行っちゃうとか、性格悪すぎるんじゃない!?


 やっとダンジョンの出口まで来れたけど、絶対に許さないんだから、あいつは!


 あ、いたいた。


「試験官さーん! ちょっと話があるんだけど!」


「リンさん? なぜここに?」


「別にボクがどこにいたっていいでしょ!? そんなことよりダンジョンで大変なことがあったの!」


「……なにがあったのでしょうか」


「昇格試験を獣人が受けてるでしょ? あいつがボクに大量のキラーアントを押しつけてきたの! これってあれでしょ? 冒険者ギルドの規約に違反してるでしょ?」


「それは本当の事でしょうか?」


「なにさ、あんた。ボクの言ってることが信じられないの? あいつのせいでボクはケガしちゃったし、ほらここだってボロボロでしょ?」


 キラーアントに噛まれた所を見せつけてやった!

 実際噛まれてるんだし、ちゃんと証拠になるよね?


「確かにその跡は、キラーアントに噛まれたようですが、だからといってマリーさんがあなたにキラーアントを押しつけた証拠にはなりませんよ」


「はあ!? 何言ってんの! 被害者のボクがやられたって言ってんだからそうなのよ! あんた、ギルド長に言い付けるよ!? ギルド長とボクは知り合いなんだからね!」


 ずっと王都で冒険者やってるけど、ギルド長なんて見たことない。

 でも昇格試験の試験官なんて下っ端の仕事でしょ?

 こう言っとけばきっと……


「ギルド長と知り合い……そうですか」


 ほら、一気に弱気になった!

 もう一押し!


「そうだよ! だからあんたが冒険者をヒドイ扱いしたこと黙っててあげるから、あの獣人を捕らえなさい」


「ギルドの規約で、こういった場合は両者の話を聞くことになっております。なので、マリーさんの話も聞いてから対処致します」


「まだそんなこと言ってんの!? ギルド長にチクるよ!」


「私はギルドの規約に則り対処を致します。そのことでお叱りを受けることはないでしょう」


「……ちぇ、わかったよ! じゃあさっさとあの獣人を連れてきてよ」


「只今、昇格試験中になっていますので、直ぐに対処は出来ません」


「はあ!? こんなことがあったのにまだ試験を続けるつもり!? おかしくない!?」


「そうですね。昇格試験が終わるまでお待ちいただけますか?」


「イヤよ! さっさとあの獣人を捕まえてよ!」


「…………」


 黙ってこっちを見てくる……

 なんなのよ。もう!


「っ! わかったよ! 待つよ、待てばいいんでしょ! あの馬車で寝てるから、だれもジャマしないでよ!」


 ホントなんなの、あの試験官!

 どいつもこいつも!! あー! イライラする!!




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 やっと冒険者ギルドまで帰ってこれた!

 試験長すぎ!

 あの獣人が帰ってくるの遅いからいけないんだよ!

 あの遅さなら試験は不合格だね!

 ざまぁみろ!!


「では担当の者が来るまで、こちらでお待ちください。あ、すぐにお茶をお持ち致しますね」


 ギルド職員が頭を下げて部屋から出て行く。

 第十三会議室とか言ってたけど、こんなとこ入るの初めて。


「失礼します。お茶をお持ちいたしました」


 さっきのギルド職員がお茶を持って戻ってきた。


「ねえ、どれくらい待たされるの? さっさと話して帰りたいんだけど」


「そうですね……五分から十分ほどで来ると思いますが……」


 まったく、冒険者ギルドってホント人を待たせるのが好きなんだから!

 もっとテキパキと動きなさいよ!


「そんなに待たせるの!? せっかく大事な話をしてあげるって言ってるのに! 卑怯な冒険者を退治するチャンスなんだよ!」


「そっ……そうですか。では、担当の者に早くするようお願いしてきます」


「あんたは物分かりがいいね! 出世するよ、あんた!」


「あ……ありがとうございます……それでは」


 ギルド職員が出て行った。さっさと呼んでこいよー。


 こんな部屋じゃやることもないし、ヒマだなあ。

 ま、せっかくだし、タダでもらったお茶でも飲みまくろっと。




 あれ……

 なんだか眠くなってきた……

 ずっとダンジョンにいたし、疲れてたのかな……

 まだ来ないみたいだし……ちょっと寝ちゃ……おう……




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「……ろ。……きろ!」


 なんかうるさいなあ……


「起きろって言ってんだろ!」


 ___ばしゃーん___


「ぎゃー!? なに! なんなのさ!?」


 なに!? いきなり水をぶっかけられた!

 なんなのさ、こいつ!


 てか、ここどこよ……

 石の壁に鉄格子……

 ボクの手……なんで鎖が付いてるの?

 確か、会議室に通されて、お茶飲んだら眠くなって。

 その後……


「ったく、やっと起きたか。手間かけさせるんじゃねえよ」


「……いきなりなにするのさ! それにこれは……なに!?」


「なにじゃねえよ、犯罪者が。おまえは罪を犯した。だから捕まった。わかったか?」


「ボクが何をしたって言うのさ!」


「まず、他の冒険者にモンスターを押しつける行為。これは冒険者ギルドで禁止されている。更に、毒薬を盛ろうとしたな? これは王都の法律に違反している」


「モンスターを押しつけたのはあの獣人でしょ! ……それに毒薬なんて知らないけど!」


「あの子がモンスターを押しつけられた現場を見ていた人がいたんだよ。フードを被って顔を隠したあんたに押しつけられるところをな!」


「なっ……そんなわけないでしょ! あんなところに人なんているわけないし!」


「なんで人がいるわけないなんて言えるんだ?」


「だってだって! ボクずっとあの辺走り回ってた……し……」


「走り回ってた? 何のために」


「……なんでもない」


「まあいい。もう罪は決まってんだ。それで、あの毒薬はどこで仕入れた?」


「毒薬なんて知らないって言ってるでしょ!」


「あくまで白を切る……と。じゃあ仕方ねえな」


「わかったら、さっさと解放しなさい! 今なら許してあげるよ!」


「おいおい、解放なんかするわけねえだろ? おまえはこれから……ほら、これだよ」


 男が取り出したのは、鉄の板二枚を隙間をあけてネジで止めてある物……

 そこに取っ手のようなレバーもついている。

 あの隙間……ちょうど指が入りそうな……


「ちょっ……それって……」


「お、これを知ってるのか? おまえ、過去にもなにかやらかしたか?」


「いや……ちが……」


「この隙間におまえの指をこうやって……入れるだろ? あとはこのレバーを回せば……」


「やめ! やめて! イヤ、イヤーーーー!!!」


 指……指が……


「ほら、早く言わないと指が全部潰れるぞ? あの毒薬はどうしたんだ?」


「あ……あ……」


「まだ言わないのか。じゃあもう一本」


「い……や……い……う……」


「ああ!? 聞こえねえな。ほら、いくぞ!」


「いやあああああぁぁぁぁ!!!」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。