マリーと実技試験 ~帰り道~
「それで? あんたはこれからどうするんだ?」
「え? そろそろ戻ろうかと思ってるけど……」
「俺もここまでだ。どうだ、一緒に戻らないか?」
「……うん。よろしく」
魔石の回収が終わった後、モーティマから一緒に戻ろうって提案してきた。
マリーはちょっと迷ってたみたいだけど、その提案に乗っちゃった。
試験時間も半分以上過ぎちゃってるだろうし、それもしょうがないかな。
帰り道でマリーとお話できないのは残念だけど。
「そんじゃ、行くとするか」
「うん」
少し休憩をはさんだ後に、モーティマが先頭を歩きだす。
通路に入ると……モーティマ、ギリギリ!
オークより身体が大きいモーティマじゃ、仕方ないけど……
通路で戦闘になんかなったら、モーティマは何も出来ずにやられてたんじゃないかな。
モーティマはさっさと五階層への階段を登り始める。
マリーは階段の下で立ち止まった。
「ウル、ごめんね。あそこで断るのもおかしいかなって思って」
「え? なにを?」
「モーティマさんと一緒に戻るって話だよ! ウルとお話できなくなっちゃうし」
マリーも気にしてくれてたんだ!
だからちょっと迷ってたんだね。
その気持ちだけでも僕は嬉しいよ!
「大丈夫だよ! 後でいっぱい話そ! それより早く行かないと、モーティマが心配しちゃうよ?」
「おおい、マリー! どうした?」
階段の上方からモーティマが声をかけてくる。
「ほら、ね」
「ふふ、そうだね。行こっか」
マリーは階段を駆け上がっていく。
「なんでもないよ、モーティマさん! 遅れてごめんね!」
「おう、なにもないならいい」
モーティマと一緒に階段を上って五階層へ到着!
モーティマは五階層へ入ってからも、迷いなく歩みを進める。
「なあ、マリー。こんなときって前衛と後衛で分けるのか?」
「うーん……どうだろ。私はあまり、パーティとか組んでこなかったからそういうの詳しくなくて……」
「俺もだな。昔は組んでたこともあったが……」
「昔は? 今は組んでないの?」
「ああ……見て分かってるとは思うが、俺は巨人族と人族の間に出来た子なんだ」
「そうなんだ! 混血の人って初めて会った!」
「気付いてなかったのか? 王都には混血なら結構いると思うが」
「私は王都に来たばっかなんだ。それまではずっと遠くの村に住んでたの」
「あんたは獣人だし、その村は獣人ばかりだったのか?」
「そうだよ。たまに人族が行商で来てくれてたけど、住んでるのは獣人だけ」
「そうか。……巨人族って聞いてなんとも思わないのか?」
「えっ?」
「巨人族って聞いて恐れないのかって聞いてんだ」
「うーん……? 別に」
「別に!? ……はっはっは! そうだな、そりゃそうだ!
あんな魔法使えりゃ、怖いわけねえわな!」
「えっ? えっ?」
モーティマが腹を抱えて笑いだした!?
マリーもかなり困ってる。
えっと……巨人族って普通は怖いのかな?
モーティマ怖く見えないけど。




