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元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
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マリーと実技試験 ~四階層~

「ねぇマリー、壁の感じが変わったね」


「そうだね。土っぽくなってる」


「なにかあるかもしれないし、慎重に行こう」


「うん、そうする。ありがとう、ウル」


 周りに注意を払いながらマリーは進んでいく。

 この階層はかなり静か。

 歩いていてもモンスターの気配すら全くない。


 ……静かすぎじゃないかな。

 これだけ歩いてモンスターが出ないなんて、ダンジョンがサボってるの?


 マリーはどんどん進んでいくけど、モンスターは出ないまま。

 警戒するのも無駄なんじゃないかと思ってきたけど……

 目の前に別れ道が見えてきた。


「ウルはどっちがいい?」


「うーん、わからない。どっちでもいいと思うよ」


「そっか。じゃあこっち!」


 マリーが適当に選んで、右側の道へと進む。

 真っ直ぐな道。

 見える範囲では一本道。

 そんな一本道を一応、警戒しながら進んで行く。


 ……ん? 足音?

 後ろから。走ってる?


 静かなダンジョンにいきなりの足音。

 マリーも気付いたのか、後ろを振り向く。


「足音がする?」


「そうだね。後ろから誰か来るよ。走ってくる。マリー、気を付けて」


 すぐに足音の正体が見えてきた。

 小柄な人。フードを被ってるから顔はわからないけど、今回の昇格試験を受けている人ではなさそう。

 試験とは関係の無い冒険者かな。他の冒険者もいるって言ってたし。

 手に何か持ってる? 黒くて丸い物。


 なんで走っているかはわからないけど、マリーは邪魔しちゃ悪いと道を譲る為に通路の隅に寄る。

 走ってきた人間はマリーとすれ違った直後……手に持っていた物を投げつけてきた!


 警戒していたのか、マリーは冷静に投げられた物を手刀で叩き落とす。


 ___ビチャ___


 地面に叩きつけられた何かが、不気味な音を立てた。


 マリーに何かを投げつけてきた人間はそのまま走り去ってしまい、もう見えない所まで行っちゃった。


「ねぇ、ウル。今のなんだったんだろ」


「わからないけど……何を投げられたの?」


「えっと……これは多分……キラーアントの頭?」


 フードの人間はなぜかキラーアントの頭をマリーに投げてきたみたい。


「なんでこんな物を投げてきたんだろ?」


 僕の問いかけにマリーを首を傾げている。

 モンスターの頭を投げられるなんて、気持ちいいものではないけど、別にダメージがあるわけでもないし……


 あれ? またさっき人間が走ってきた方から音が……

 だけど……この音は……


「マリー! 逃げて! 走って! 早く!!」


「えっ!? はいっ!」


 マリーが走り出した直後に見えてきたのは、大量の蟻……キラーアント。

 通路を埋め尽くすような数が、床も壁も天井も関係なく這ってくる。


「マリー! キラーアントがたくさん! どうする!?」


「五匹くらいなら私でも倒せると思うけど……この数は無理!」


 必死の形相で走るマリー。


「僕がやってもいい?」


「ウルならなんとか出来るの?」


「うん。大丈夫だと思うよ。キラーアントの方に向かって僕を構えて!」


「うん!」


 大量のキラーアントが僕達に向かって這い寄ってくる。

 何匹いるのかも分からない。

 とりあえず……燃やしちゃおう!


「“ファイアーウォール”!」


 僕達とキラーアントの間に炎の壁が出来あがる。

 床から天井まで、隙間なく炎が埋め尽くす。

 炎に包まれたキラーアントは灰すら残らずに燃え尽きた。


「すご……い……」


 マリーがボーっとしながら炎の壁を見つめてる。

 炎の壁は数分間、燃え続ける。


 時間が経ち炎の威力が弱まってきた。


「キラーアントは燃え尽きたかな」


「あの炎に入ったら……生きていられないよ」


 炎が消えて向こう側が見えてくると、そこには……

 まだまだ大量のキラーアントがいた。


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