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元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
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マリーと実技試験の説明

 三の鐘が鳴ってからしばらくすると受験者が全員、冒険者ギルドの前に集まった。

 皆、ダンジョンへ向けての準備を終わらせている。

 それを見ていたのか、試験官もすぐに冒険者ギルドから出てきた。


「全員揃ってますね。それでは、そちらの馬車に乗り込んでください」


 冒険者ギルドの横にある広場に一台の馬車が用意されている。

 受験者達は順々に馬車へと乗り込み、最後に試験官が乗ったら馬車は出発!


「聞いているかとは思いますが、ここから数時間ほど馬車で移動します。王都を出るときに門番にギルド証を提示致しますので、準備しておいてください」


 ギルド証? そういえば王都に入る時にも身分証明書みたいな物を見せてたね。

 あれがギルド証なのかな?


 門では受験者みんながギルド証を提示しただけで、すんなりと通してもらえた。


「では、移動しながらルールについて説明していきます」


 馬車に揺られながら、実技試験のルール説明が始まった。

 ほとんどが冒険者ギルドでアンナが説明してくれたのと同じだけど、ちょっとだけ詳しい話になってた。

 ダンジョンに着いたら順番に中へ入っていく。入る順番は筆記試験の点数が悪いほうから先。

 ダンジョンに入ったら、後は明日の朝が来るまで中にいればいいだけ。

 中での行動は自由。何をしていても良い。

 但し、ダンジョン内にいる間に倒したモンスターも試験の加点ポイントになる。

 だから、入口近くで時間が過ぎるのを待つだけでもいいけど、それだとモンスターがあまり倒せないから、加点が付かない。

 モンスターを倒したら、モンスターの核となっている魔石を持ってくること。それがないと倒したとは認定してくれない。

 魔石はモンスターの強さによって大きさや内蔵魔力が変わる。

 大きければ大きいほど、試験のポイントが高い。

 このダンジョンは全七階層の小さめのダンジョン。下へ行けば行くほど強いモンスターがでるみたい。


「質問してもよろしくて?」


 試験官の説明の途中で、カティナが手をあげた。


「はい、なんでしょうか。カティナさん」


「なぜ点数が悪い方から入るのですか? 先に入ったほうが有利なのではありませんか?」


「はい、皆様がよく疑問に感じる点では御座います。まず、全員が同時に入るのは問題が起きやすくなるのはおわかりになりますか?」


「それは……そうですわね」


「なので入る順番を決めなくてはなりません。そこで筆記試験の点数によって順番を決めることに致しました」


「それはわかりましたわ。それで何故、点数の低い方から?」


「我々冒険者ギルドとしましては、多種多様な方に冒険者になって頂きたいと考えております。その為、頭脳に優れている者、戦闘に優れている者のどちらの方にもランクアップして頂きたいのです。もちろん限度は御座いますが……

 その為、後からスタートする方には加点を致します。詳しい加点量や判断基準などは機密事項になるので説明は出来かねますが。

 これは色々な方の技量を確認する為の処置となっておりますので、ご了承ください」


「わかりましたわ。それでしたら文句はありません」


「それに、ダンジョンに入っている時間が少なければ、それだけケガをする可能性も減ります。決して悪いことばかりではありませんよ」


「確かにその通りですわね」


「では入る順番についてはこの辺りで……後はもう一つ大事なルールを」


 実技試験のルールとしてもう一つ。

 試験が終わるのは王都で一の鐘が鳴る時間。

 それより早くダンジョンから出てしまうと失格になるけど、遅すぎてもダメみたい。

 一の鐘が鳴り終わった時間にダンジョンから出てくれば高得点。そこから遅くなればなるほど点数は下がってく。


「で? 結局、どんだけモンスターを倒せば合格するんだ?」


 今度はモーティマだ。


「申し訳ありませんが、そこはお答えできません。もし合格ラインを伝えてしまった場合、そのラインを越えたらモンスターと戦うことは止めてしまいますよね?」


「まあ……そうだな」


「そうなると、皆様の本当の強さを測ることが出来なくなってしまいます。もちろん無理はされてほしくありませんが、全力で昇格試験を受けて頂きたいと考えております」


「なるほどな、わかった。全力でやってきてやるよ」


 つまり、強いモンスターをいっぱい倒して、一の鐘が鳴り終わった時間にダンジョンから出てくればいいってことだね!


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